不愉快な本の続編 の商品レビュー
なかなか手許に届かなかった本~呉の履物屋でギャンブル狂いの親父と精神を病んでいるお袋の間に生まれ落ちた僕は,東京に出て行くのが運命で,弟のシゲは家に残るのが運命だった。成田さんの家から逃げ出そうとして,学生時代に貸した金の回収に出向き,古着屋で働いているイサオを見つけ出し,昔集金...
なかなか手許に届かなかった本~呉の履物屋でギャンブル狂いの親父と精神を病んでいるお袋の間に生まれ落ちた僕は,東京に出て行くのが運命で,弟のシゲは家に残るのが運命だった。成田さんの家から逃げ出そうとして,学生時代に貸した金の回収に出向き,古着屋で働いているイサオを見つけ出し,昔集金に行った新潟の実家を思い出して,新潟に移ることに決めた。新潟では運転代行の仕事をして,広告代理店で働く32歳のユミコと知り合い,フランスで変態女と暮らしていたことを思い出すが,不愉快な本を開くことなく結婚をした。結婚するなら実家に連絡すべきだとは思ったが,連絡が着いた親父の従兄弟の倅のトシヤさんは,結婚式に嘘を並べにやってきてくれた。1年経った後,妻が浮気相手に送ったメールが間違って届いて,グダグタしながらも離婚して,富山で建材の営業を始めた。30前に家に帰ってシゲが結婚して自分の部屋を若夫婦の寝室にしているのを知り,うっかり寝たばこをして火が付き,嫁さんの服を燃やして家を焼け落としてしまったのを思い出す。素の自分に戻れるのは近代美術館だけだが,喫茶店でSEとして東京から出張に来ている大学の友達だった杉村に声を掛けられる。杉村は出張に来ては,引っ詰め髪に事務服とママチャリで空き巣に入り,へそくりを盗んでいるのだ。東京へ帰る杉村に持たせようとして近代美術館からジャコメッティの裸婦立像を上着に刳るんで持ち出し,呉に帰る。呉では実家のあった場所に歯科医院が建ち,海を見ながらペルノーを飲み,立ち上がった瞬間に背中を押されて,不愉快な本の中に帰るのを意識する~江戸川乱歩の芋虫とカミュの異邦人が参考文献に揚げられている。乾ケンジロウというヒモの男が主人公だけど,様々な女を描いているようだ
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バンコクへ向かう機内で読了。文字の密度が低くてあっという間に読み終わってしまったんだけど、なんかこれって....。(苦笑
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簡単に読めたけれど難しい。広島の呉から放浪する自堕落な主人公。何がいいたかったのか私にはまだわからない。。なにかの小説を知っていないとわからないのかな。
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呉に土地勘があるのでこの不思議な主人公に興味がわいた。 「旅の人」という言い方は瀬戸内でもする。 絲山作品らしい印象。
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+++ 女と暮らす東京を逃げ出した乾。新潟で人を好きになり、富山のジャコメッティと邂逅し、そして故郷・呉から見上げる、永遠の太陽―。不愉快な本を握りしめ彷徨する「異邦人」を描き、文学の極点へ挑む最新小説。 +++ 富山では地元民ではない人のことを――たとえそこに住んでいても―...
+++ 女と暮らす東京を逃げ出した乾。新潟で人を好きになり、富山のジャコメッティと邂逅し、そして故郷・呉から見上げる、永遠の太陽―。不愉快な本を握りしめ彷徨する「異邦人」を描き、文学の極点へ挑む最新小説。 +++ 富山では地元民ではない人のことを――たとえそこに住んでいても――「たびの人」というらしい。そしてこの物語の主人公・乾は、まさにたびの人である。どこへ行っても誰と暮らしてもそこは彼の居場所ではなく、常に逃げ腰の人生である。嘘しかないいい加減な男だという自覚はあるのに、そんな自分をどこか覚めた目で嘲笑しながら自虐的に生きているようにも見える。典型的なろくでなしなのだが憎みきれないのはなぜだろう。不愉快な本から抜け出したというのに、結局はその続編に封じ込められてしまったような一冊である。
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呉出身の男。 東京、新潟など各地を転々としながら故郷呉へ戻ってきた。 人生であれこれあっても人は故郷へ戻りたくなるものか?
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口語調で読みやすく、するすると、あっという間に読み終えてしまった。 ところどころ気になる表現があったし、もう一度、じっくり読み直すべきかも。 まず、その前にカミュの「異邦人」をきちんと読むべきか…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今回のテーマは、非社会的な人間のもがき・あがき・諦念か? 不誠実で芸術趣味のある変態男が主人公でも構わないけれど、エンディングに至るまでの不健全な精神の葛藤や心象の描き方が不消化なまま読了。書き手の思惑はなんとなくわかる気はするものの、読者としては置き去りにされた感があった。
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一人称で語られるある男の物語。 「〜なんだ」「〜なんだよ」等々語り方にとても特徴があって、それがひどく魅力的で、ある意味彼自身を道化師のように語らせているように見えた。 この本を書いて、作者が何を伝えたかったのか、まだわたしにはわからなくて、もどかしくて、何度もページをめくってし...
一人称で語られるある男の物語。 「〜なんだ」「〜なんだよ」等々語り方にとても特徴があって、それがひどく魅力的で、ある意味彼自身を道化師のように語らせているように見えた。 この本を書いて、作者が何を伝えたかったのか、まだわたしにはわからなくて、もどかしくて、何度もページをめくってしまう。
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絲山秋子の小説らしいなーという印象。 主人公はなにかから“逃げる”ことで、自分を見つけようとあがいている気がした。 でも、もうひと味欲しい感じだったかも。
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