不愉快な本の続編 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
絲山さんが書くのは、「だめんず」でなく「ダメ男」。 本当、ダメ(笑)。 『袋小路の男』も、種類は違えどダメ男。 ちなみに、読み終えてから知ったけど、今回の主人公は「ニート」に収録されている「愛なんかいらねー」の青年と同じ奴。 また、この性癖の持ち主か、と思っていたら道理で。 続編でしたか。 でも、意外と憎めないのね、こいつが。 前回の作品の時は、自分勝手でなんていう奴だとしか思わなかったけど、今回の作品では惚れこんだ嫁のために自分の性癖を隠したり、一生懸命ご機嫌伺ったり、挙句嫁の浮気の所為で失語症になったりと、人間的な面も見せる。 仕事とかも、真面目にしちゃったりして。 基本嫌な性格の奴だけど。 でも、自分でも曲がった性格であることをわかっているだけに、ある意味気持ちよい。 今回は、一人の友人の顔が思い浮かんだので、余計に面白かったのかも。誰かは、内緒。
Posted by
考え抜かれた、端的でむだのない言葉は、参っちゃうくらい的確で、そこが好き。 行動に意味があるところ、ないところ、そのバランスが現実世界と同じで、そこが好き。 意味のないところを、深追いしない、ほうっておいてくれる、そこが好き。 だから私はこの著者が好き。 この本には、私の好きが...
考え抜かれた、端的でむだのない言葉は、参っちゃうくらい的確で、そこが好き。 行動に意味があるところ、ないところ、そのバランスが現実世界と同じで、そこが好き。 意味のないところを、深追いしない、ほうっておいてくれる、そこが好き。 だから私はこの著者が好き。 この本には、私の好きがつまってる。 乾は主人公で、気づいてる、抗う、特別な存在だけれど、その乾がどうしようもなく恋したのが、平凡で俗っぽい、くだらない女だったことが、最高だった。 ラストは唐突にほうり出されて歓喜。私は納得したいわけじゃない。
Posted by
しょうもない男?女もか?を書いて秀逸らしいが、よくわからない。共感する部分が全くないせいか、自分の感性が無さすぎるのか?「海の仙人」にまた会えるのではないかと、この作家さんの本をつい手に取ってしまうが、未だ果たせない。
Posted by
ヒモ生活から失踪して、流されるように新潟、富山と移り住む男が主人公。 しょうも無い男の話だが、文章のリズム・テンポが良いので次々ページをめくってしまった。 な〜んだか冷たいし、人間的にどうよ?という男なのだ。 相手の身になってみるとかしないし何か欠けているようにも思える。 でもつ...
ヒモ生活から失踪して、流されるように新潟、富山と移り住む男が主人公。 しょうも無い男の話だが、文章のリズム・テンポが良いので次々ページをめくってしまった。 な〜んだか冷たいし、人間的にどうよ?という男なのだ。 相手の身になってみるとかしないし何か欠けているようにも思える。 でもついつい読んでしまう。 土地の描写が秀逸。感じ方の面白さ、新潟にしても富山にしても行ってみたくなる。 呉にいたってはジェノバとの対比!とても興味深かった。 ラスト、小説の主人公にされた男が標本になるまいと必死に抵抗してくる。読み手に対して好戦的な態度で。 この作者らしいニヒリズムを感じた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近読んだ『ニート』のなかの短編、『愛なんていらねー』の続編、『不愉快な本の続編』。 「たびの人」、乾の物語。『愛なんていらねー』では成田さん目線だったけど、こちらは乾目線。いろいろありながら、淡々としてる乾の感じが良かった。流石絲山さんだなー。好き。 章ごとに居場所が変遷してくんだけどそれをポイントする装丁も良い。
Posted by
テンポよく読めたけれど、うまく読み取れなかった。 それでもおもしろく読めたのは、文章のうまさなのかな。 文中に出てくる本やなんかを知っていればもっとわかるのかもしれない。 図書館から借りた本なので、さっと読んでしまったけれど、もっとじっくり読めば、心に響く文章があったかも。 でも...
テンポよく読めたけれど、うまく読み取れなかった。 それでもおもしろく読めたのは、文章のうまさなのかな。 文中に出てくる本やなんかを知っていればもっとわかるのかもしれない。 図書館から借りた本なので、さっと読んでしまったけれど、もっとじっくり読めば、心に響く文章があったかも。 でも、今もうラストが思い浮かばない。
Posted by
絲山秋子さんは働かない「たびのひと」を描いたら秀逸。何事にも囚われたくなくて逃げている主人公が最後に自分の故郷に戻り不愉快な本の続編に囚われる。 ヒモである主人公に纏わる女性たちが皆どこか、密かに抱えている秘密を持って生きているところを描いているのが上手いなあと思った。 しかし、...
絲山秋子さんは働かない「たびのひと」を描いたら秀逸。何事にも囚われたくなくて逃げている主人公が最後に自分の故郷に戻り不愉快な本の続編に囚われる。 ヒモである主人公に纏わる女性たちが皆どこか、密かに抱えている秘密を持って生きているところを描いているのが上手いなあと思った。 しかし、短編のせいか、謎が謎のまま残っており、もう少し謎が知りたいまま終わるため不完全燃焼な読後感。 日本海の鈍く曇った空とか、海に向かって窓の閉じた家並みの街と、瀬戸内海のジェノバに似た街に生れるのでは、育まれる人の性質が違うのだろうか。
Posted by
東京,新潟,富山と放浪して,最後に呉がでてくる.呉には馴染みがあるので面白かったが,パリやジェノバを含めてこのようにあちこちを転々とする人の生き方がよくつかめない.このような人生もありか? と感じた.
Posted by
考えてみれば、自分より若い作家さんがずいぶんと増えました。 先頃いろいろあった芥川賞受賞者もうんと若い方々でした。 若い作家さんの存在は知っていますが、めったに手に取ろうとは思いません。 頭が固いというのか、柔軟性が無いというのか、はたまた意固地なだけなのか、自分でもわかりません...
考えてみれば、自分より若い作家さんがずいぶんと増えました。 先頃いろいろあった芥川賞受賞者もうんと若い方々でした。 若い作家さんの存在は知っていますが、めったに手に取ろうとは思いません。 頭が固いというのか、柔軟性が無いというのか、はたまた意固地なだけなのか、自分でもわかりませんが、自分にはあわない。と決めつけているようなところがあります。 今回の 絲山さんもそのひとりです。「ふっと手にとってしまったんです」ね~~ 題名に惹かれたんですかね。 内容が濃いのか薄いのか、私はじっくり読み込む方ではないので、読了後、さあ考えてください。というような本はちょっと苦手でして、それでどうなんですか?とこちらが問いたいでした。 やたらと出てくる、言葉をのばす「う」の変わりに使われている「―」。何かの効果をねらっているのでしょーがひじょーに目障りでした。
Posted by
短編「愛なんかいらね~」の続編のような作品。 こちらは前作品の相手役だった男の話。 これを読むとミステリアスだった彼の秘密が少しわかります。 相変わらず引き込まれて一気に読んでしまいました。 よっぽど相性いいのかなぁ。
Posted by