不愉快な本の続編 の商品レビュー
なんか、外国の小説を読んでいるような 不思議な作品。 空気を読んでいるような つかめそうで、つかめなそうな そんな不思議な作品だった。
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序盤から主人公のキャラが強烈でとてもひきつけられた。転々としていくごとに章が変わっていく構成が面白いと思ったし、旅の小説ではないけど各地での出来事にスポットライトを当てるうまいやりかた。いつも以上に簡潔にそぎ落とした文章だからか、とても読みやすい。でも、しっかりと土地や風景、心理...
序盤から主人公のキャラが強烈でとてもひきつけられた。転々としていくごとに章が変わっていく構成が面白いと思ったし、旅の小説ではないけど各地での出来事にスポットライトを当てるうまいやりかた。いつも以上に簡潔にそぎ落とした文章だからか、とても読みやすい。でも、しっかりと土地や風景、心理描写がしっかり浮かぶ。物語はなんだかよく分からない結末に終わるが、そこに意味を見出してもいいし、出さなくてもいい、自由があるような気がする。
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何だろう。 どうしようもないダメ男だし、 感動エピソードがあるわけでもないし、 でも心にズシッときて、捕らわれる文章。 色々メモしたくなる言葉がたくさんありました。 やはりこの作家さん、好きだなぁ…(しみじみ)
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単純に面白くて、一気に読んだ。 主人公がめちゃくちゃダメな人なのだけど、その迷いとか狡さみたいなものに、ちょっと自分を重ねて読んでしまう。 先日、絲山秋子さんの講演を聴くチャンスがありました。ユーモラスで、笑いを取るのが上手、そして照れ屋さんな感じもチャーミングだなぁと改めて...
単純に面白くて、一気に読んだ。 主人公がめちゃくちゃダメな人なのだけど、その迷いとか狡さみたいなものに、ちょっと自分を重ねて読んでしまう。 先日、絲山秋子さんの講演を聴くチャンスがありました。ユーモラスで、笑いを取るのが上手、そして照れ屋さんな感じもチャーミングだなぁと改めてファンになりました。
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どういうわけか不愉快な本の「連続」というタイトルだと思い込んで読んでました。不愉快(ともいいきれないときもあるけれど)なケンジロウの物語の連続であり、最後の始末として、書かれた本の中の人になってしまったから目くじらたてないでくれということかな。
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自己嫌悪と自己憐憫の塊のような主人公が他人との関係を壊しながら旅をする。でも、無気力なはずの主人公が妙に激情家だったり、主人公の自己嫌悪の背景があまり書かれていなかったりして、イマイチ腑に落ちない読後感。
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過酷な中を生き抜いた人が書いた文章。絲山さんのものにそんな雰囲気を見い出すことがある。『不愉快な本の続編』はその傾向が強く、読みながら「孤独」という絲山さんの本を読むと思いだされる言葉について考えさせられたり、強靭な精神を持つ絲山さんの背中が合わせて頭の中に浮かんだりするのだった...
過酷な中を生き抜いた人が書いた文章。絲山さんのものにそんな雰囲気を見い出すことがある。『不愉快な本の続編』はその傾向が強く、読みながら「孤独」という絲山さんの本を読むと思いだされる言葉について考えさせられたり、強靭な精神を持つ絲山さんの背中が合わせて頭の中に浮かんだりするのだった。 内田先生の『他者と死者』でカミュの『異邦人』のあっと思わせるような引用に出会ったところで、また『異邦人』を下敷きにしているともとれるような作品。『異邦人』また読みたくなる。 これが「本」であることに意識的な作りになっているが、そこかしこに絲山さんの本音が織り込まれているように思う。「男であること」「女であること」に対する絲山さんの独自の意識へ関心が向かう。 それにしても文芸書を読んでいて「オラクルマスター」なんて言葉に出会うとは思わなかった。杉村の職業はSEだし。
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年上の教授?のヒモの男・乾が主役の話。 色々なことに飽きて、女性を転々と変えるような生活を以前までしていたが、遠くへ行こうとフラフラする。 フラフラした先で、結婚。 結婚なんて考えてもいなかった。でも、なぜかした。 しかも今までの自分では付き合いたくないタイプの女性と。 結婚した...
年上の教授?のヒモの男・乾が主役の話。 色々なことに飽きて、女性を転々と変えるような生活を以前までしていたが、遠くへ行こうとフラフラする。 フラフラした先で、結婚。 結婚なんて考えてもいなかった。でも、なぜかした。 しかも今までの自分では付き合いたくないタイプの女性と。 結婚したけれど、精神的な意味で人と触れ合うことを避ける乾。踏み込まれたくないらしい。 今度は、その妻に飽きられる。 そうやって行く先々で居場所をなくして、転々とする男の一生を描く。 どこにいても、誰といても一人。 どこかでこの設定見たことがあると思ったら「ニート」の中の短編の続きだと、あとで知った。 面白いけど、ロマンが全くない笑 読んだあとに「ほぉっ」とするものを、今の自分は求めているだけなのか。 「袋小路の男」の中の短編、アーリオ オーリオも似たような、他人に深く踏み込まれたくなくて、静かにじわじわと独りを極めていく男の話なんだけど、爽快感がある。 「独りを極めるひと」というのは、絲山秋子作品のだいたいの共通点なんだけど、物語によって読後の感触がこんなにも違うのは、とても美味しいこと。 もっと読みたいと思わせる、素敵なひとですな。
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ダメ人間って本当に多種多様に存在すんだなあと思った。乾は確かに作中出てきた万引き女や大学教授、地元が新潟のオトモダチからみたらダメでダメで仕方なかったんだろうけど。それ以上にダメなのはユミコなのでは笑 ラストは爽快。本に閉じ込められ綴られた感覚。
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