慈雨の音 の商品レビュー
「流転の海」シリーズの第6部です。 まさに大河小説の王道。 読み終わった後は、1本の映画を見終わったような感があります。 次巻が楽しみですが、いつ出るのでしょう・・・。
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半年以上も前に発売されてたのに気がつかなかった... 一部〜五部の内容をかなり忘れてて困った。 完結したら全部読み返さないと。 熊吾は作者のお父さんがモデルと聞いているから、物語のながれは実話なんだろうな。 だからなのか、よけいな伏線とか、盛り上がりとかは無くて、大きな事件も...
半年以上も前に発売されてたのに気がつかなかった... 一部〜五部の内容をかなり忘れてて困った。 完結したら全部読み返さないと。 熊吾は作者のお父さんがモデルと聞いているから、物語のながれは実話なんだろうな。 だからなのか、よけいな伏線とか、盛り上がりとかは無くて、大きな事件も小さな事件も淡々と熊吾の周りを流れていく感じ。 この話、愛媛が出てきてたね、そういえば。 金沢もでてくるし、妙に縁があるわぁ。 主な舞台の大阪には縁はないけど。
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流転の海の第6部。 伸仁も中学生になった。体が弱かったのに病院に通って丈夫になってきたようだ。これは、今後が楽しみ。 逆に父親の熊吾は糖尿病のようで、ちょっと気を付けなくてはという状態。 父と息子の関係がどうなっていくのだろうか? まだまだ続きそうです。 話が完結したら、また第1...
流転の海の第6部。 伸仁も中学生になった。体が弱かったのに病院に通って丈夫になってきたようだ。これは、今後が楽しみ。 逆に父親の熊吾は糖尿病のようで、ちょっと気を付けなくてはという状態。 父と息子の関係がどうなっていくのだろうか? まだまだ続きそうです。 話が完結したら、また第1部から読み直したい。
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作家の自伝的小説の第六部。市井の人びとの底ふかくに降りていき、昭和という時代に蠢(うごめ)く野望と温もりをよみがえらせる。 戦後の闇市に始まった物語は、本作では世の中が好景気へと向かう昭和34年に。皇太子ご成婚、日米安保、在日朝鮮人の北朝鮮への帰還。そんな中で、豪放な松坂熊...
作家の自伝的小説の第六部。市井の人びとの底ふかくに降りていき、昭和という時代に蠢(うごめ)く野望と温もりをよみがえらせる。 戦後の闇市に始まった物語は、本作では世の中が好景気へと向かう昭和34年に。皇太子ご成婚、日米安保、在日朝鮮人の北朝鮮への帰還。そんな中で、豪放な松坂熊吾の一家はようやく生活に息をつき、他者を慈しむ心の余裕も生まれている。 なくなった左の小指の先が憶測を呼び、うっかり乱暴な言葉で怒鳴ろうものなら事が穏やかにおさまるはずのない熊吾。モータープールの管理人として落ちつくかに見えた暮らしは、息子の治療費を稼ぐために妻に内緒で中古車のブローカーを始め、怪しくなる。しかし金貸しでも、世間の親というものが子を思い、世を渡る苦労を説いて聞かせるほど、時代は温かかった。「秘すれば花なり」など、ときに古典や能楽を雄弁に語る、熊吾の言葉の厚みが魅力だ。 (「週刊朝日」 西條博子 2011/12/23)
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「流転の海」シリーズの第6部。確か7部完結と聞いたことがある。この小説の魅力は何かと問われれば、混沌とした時代を生き抜く人間のたくましさを感じさせるとところにあると思う。安定した世の中でレールに乗った人生を歩むのではなく、文字通り裸一貫で人生を生きていく主人公のものの考え方や処世...
「流転の海」シリーズの第6部。確か7部完結と聞いたことがある。この小説の魅力は何かと問われれば、混沌とした時代を生き抜く人間のたくましさを感じさせるとところにあると思う。安定した世の中でレールに乗った人生を歩むのではなく、文字通り裸一貫で人生を生きていく主人公のものの考え方や処世術、人間関係への対処の仕方などすべてが魅力だ。当分、第7部は出ないと思うが、またいつかの楽しみに待つとしよう。
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松坂熊吾一家の激動の人生を描く、「流転の海」シリーズの六作目。息子の伸仁も中学生になった。 時代は1950年代の終わりから1960年代の始めにかけて、敗戦からようやく立ち直りかけて、高度経済成長の波に乗り駐車場の管理人から、中古車販売をたちあげるところで今回は終わっている。 そうした事柄の合間には、親しかった人や苦しい時代を支え合ってきた人との死別や、朝鮮引き揚げ者との別れなど、多感な伸仁にも多大に影響をおよぼすようなできごとがおこる。 ずっと続いている話なので、繋がっている部分があり、あれっこれはどういうことだったかな?と忘失しているところがある。 このシリーズは、次の本が発行されるまで、すごく間があるのでしかたないのだけれど。かといって読み返すこともせず・・・ 時代背景もあるのだろうが、だいたいこのシリーズは暗いし松坂熊吾も好きになれないのだけれど、やっぱり読んでしまう。
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宮本輝の自伝的大河小説「流転の海」の第六部。いつも忘れた頃に出るのでそれまでの人間関係を思い出せないことがありもどかしいのだけど読まずにはいられない。あと三巻で完結らしいからその時には一気読みしたい! 松坂熊吾の息子、伸仁がようやく中学生に。 相変わらずひ弱ではあるけれど、とにか...
宮本輝の自伝的大河小説「流転の海」の第六部。いつも忘れた頃に出るのでそれまでの人間関係を思い出せないことがありもどかしいのだけど読まずにはいられない。あと三巻で完結らしいからその時には一気読みしたい! 松坂熊吾の息子、伸仁がようやく中学生に。 相変わらずひ弱ではあるけれど、とにかく無事に中学生にまで成長できた、ということが嬉しい。 そして、これも相変わらず、芯に強いものを抱えていて将来の大物??と思わせるところはもっと嬉しい。時には小狡く頭を働かせたりもして心配させられもするのだけど、人間が心の奥底に無意識に持っている黒いもの、闇にひかれる気持ちのどうしようもなさ、が宮本節で描かれいるところにも読ませられた。 熊吾は全てを失った後に、モータープールの管理人として再出発。 息子を育てるだけに己の残りの人生を賭けよう、と誓ったはずなのに、彼の事業欲はやはりとめられず、東西奔走の日々。でもここにきて、妻の小商いから地道にやってみたら、という助言を聞き入れる熊吾の変化に大きな驚きを覚えた。 時代背景は、ちょうど私が生まれたあたり。 皇太子ご成婚、東京オリンピック開催決定、など、日本が戦後ではなくなっていく時代の勢いが熊吾の背景に感じられ、それも嬉しい。 伸仁が、伝書鳩のヒナを育てるエピソードが好きだった。とうてい生きられないだろうと思っていた幼いヒナが彼に懐き、そして、その後は・・・。育児疲れのような、と書かれた伸仁の不機嫌さが可笑しかったり、哀しかったり、で、ここらへんが宮本輝の巧さだなぁ、と思う。 伸仁は、少しずつたくましくなってきて、思春期らしい変化を見せている。 次巻ではどんな展開になるのか。 宮本輝の生家が、彼の大学入学直前あたりに没落したことを知っているだけに恐いような、でも、彼が今、こうして作家として生きていることを考えると何も心配しなくていいような、という気持ちになるのだけど、どちらにしろ、きっと、第7巻はまだまだ先のころなんでしょうね。
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著者である宮本輝の自伝的大河小説「流転の海」の第6部。 明治30年頃愛媛県に生まれた松坂熊吾。 大阪に出て、自動車部品を中国に輸出する事業で成功を収めるが、 戦時中の空襲で大阪のビルも神戸の屋敷も失う。 戦後、大阪に戻り、混乱の続く中、再起を目指し奮闘する。 50歳にして初めて授かった病弱な息子の信仁を立派に育て上げることが、 事業の再建と同じほど大事な仕事と思う熊吾。 そんな父と息子を綴ったお話。 この第6部「慈雨の雨」は、息子の信仁が中学生になったところから始まる。 妻の房江と信仁の3人は、知人が経営するモータープールの管理人として雇われ、 そこに住み込んでいる。 夫婦は食が細く発育が遅い信仁を案じるが、様々な人との関わりの中でどんどん成長する信仁。 熊吾は新しく事業を起こす計画を着々と進める。 そんなふたりをあれやこれやと心配しながら、一切余計なことを言わず、見守る房江。 皇太子ご成婚、東京オリンピックに湧く日本。 対外的には、日米安保や在日朝鮮人の帰国等を織り交ぜながら、お話は進んでいく。 戦前からの知り合いや新しく事業を起こすにあたり知り合った人々、 一時信仁を住まわせていた朝鮮人が住むアパートの人々との関係が、 信仁の成長に欠かせないもので、人間の持つ厭らしさ・感情の機微等を知っていく。 第1部の「流転の海」が発売されたのは20年前。 「地の星」「血脈の火」「天の夜曲」「花の回廊」と続き、やっとこの第6部まで来た。 20年間、何度も読み返してきた大好きな小説。 主人公の熊吾のキャラの魅力はもちろんだけど、妻房江の感情はとても理解でき、 私の気持ちを代弁してくれもする。 何より作者宮本輝自身である信仁の成長を私まで見守っている気になってくるのだ。 お話には戦後の時代を象徴する事柄が含まれているので、歴史的背景も勉強できる。 ああ、早く続きが読みたい!
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これまでのシリーズの中では薄いほうかな。熊吾の太一に対する一見冷静な思いにの奥に隠れた深い哀しみが感じられた。
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大好きなシリーズ、大ファンの登場人物。 それゆえに、ゆっくりと凋落してゆく過程がつらい。 読んでいて、落ち着かなくさせられる。 いつものようなアフォリズムに感嘆するというよりも、 人生の後半に焦れる主人公の気持ちに、哀しく共感してしまう。 そんな読後感。 次回作が待たれるけれど、...
大好きなシリーズ、大ファンの登場人物。 それゆえに、ゆっくりと凋落してゆく過程がつらい。 読んでいて、落ち着かなくさせられる。 いつものようなアフォリズムに感嘆するというよりも、 人生の後半に焦れる主人公の気持ちに、哀しく共感してしまう。 そんな読後感。 次回作が待たれるけれど、少しつらい想いもある。
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