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慈雨の音 の商品レビュー

4.3

32件のお客様レビュー

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2013/02/14

尼崎蘭月アパートから舞台が大阪市街地に移り、熊吾一家の生活も豊かになったので安心して読めた。 学歴コンプレックスを持つ房江が中年になってペン習字の通信教育を始めるくだりがすき。

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2013/01/05

流転の海の第六部 松坂龍吾と房江の大阪福島での日常 1960年代の関西という世界を覗き込む面白さはあるがやはりシリーズを読まないとイマイチ

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2012/11/21

いい長編小説に出逢うと いい人生を送れるような気がする 日々の生活の中で その小説の中の人物達が 寄り添ってくれているような気がする 宮本輝さん と 同時期に 生きていることの 喜びを感じている

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2012/11/10

実の父を筆者が描く壮大なる人間大河小説の流転の海シリーズ六作目。主人公松阪熊吾が戦前大阪にて自動車部品の商売で成功をおさめた頃からシリーズは始まる。事業家というよりは山師。成功者にありがちな豪放磊落な面と緻密な面を持ち合わせ時代を生き抜く。人間としての魅力を一瞬にしてみせる理知的...

実の父を筆者が描く壮大なる人間大河小説の流転の海シリーズ六作目。主人公松阪熊吾が戦前大阪にて自動車部品の商売で成功をおさめた頃からシリーズは始まる。事業家というよりは山師。成功者にありがちな豪放磊落な面と緻密な面を持ち合わせ時代を生き抜く。人間としての魅力を一瞬にしてみせる理知的な部分として時に織り混ぜる。 本編は敗戦から15年たった急激な変化の時代の渦に巻き込まれながらも慈しみの雨に助けられる一家の様が丹念に描かれている。このころの記憶が筆者に鮮明に残っているからかなのか。それにしても20年以上かけて書き続ける情熱は感嘆です。

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2012/12/03

流転の海シリーズ第6巻です。 これまでとは違って全体としては穏やかな印象ですが、多くの人間の死が描かれ、病魔も熊吾を狙っている感じで不気味でした。 その分伸ちゃんが元気でね。 房江も麻衣子も以外に図太くたくましいし。 世代交代を感じました・・・ 海老原太一と熊吾の対決...

流転の海シリーズ第6巻です。 これまでとは違って全体としては穏やかな印象ですが、多くの人間の死が描かれ、病魔も熊吾を狙っている感じで不気味でした。 その分伸ちゃんが元気でね。 房江も麻衣子も以外に図太くたくましいし。 世代交代を感じました・・・ 海老原太一と熊吾の対決シーンを予想(期待)していたので、自殺する展開には驚きました。 が、太一の自殺は熊吾のせいなのに、彼がそう受け止めていないところに違和感を感じた! なぜ? 熊吾はいつでも太一には理不尽だと思う。

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2012/09/04

やっぱり熊吾、房江、伸二の、この家族を愛して止まない。自分が生まれる年までもう少しと言う時代設定で、知るはずは無いのですが、いろんな意味で家族、取り巻く人々との関わり方など自分の記憶の原風景に通ずるのです。宮本輝さんの小説で『春の夢』ってのが大好きなのですが、何となく時間軸がつな...

やっぱり熊吾、房江、伸二の、この家族を愛して止まない。自分が生まれる年までもう少しと言う時代設定で、知るはずは無いのですが、いろんな意味で家族、取り巻く人々との関わり方など自分の記憶の原風景に通ずるのです。宮本輝さんの小説で『春の夢』ってのが大好きなのですが、何となく時間軸がつながってゆく予感が。宮本輝さんが並外れた感性をお持ちの方だとして、だから小説家になられたのだとして、その感性はこんな慈雨に育まれたのだなと納得してしまうのです。続きが読みたいような、怖いようなの第六作でした。仮に熊吾と言う人がある時代を生きたのだとして、ご本人は本当にこの物語を喜んでいるでしょうね。「私は夫々の雨を決して忘れない。」 読ませていただいた私も忘れません。

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2012/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分の祖父と同じ時代を生きた人間が主人公の作品だけれど、私にとってはとても惹きつけられる作品です。 最後の幽霊騒動の部分には笑ってしまいました。あの松坂熊吾も、声を上げて驚くことがあるのかと。 作中、房江が熊吾の「人間は必ずいつかは死ぬんじゃ」という言葉に、戦場に身を置いたことのある人の死生観とはこういうものなのだろうかと、思いを巡らせる場面がありますが、私自身も少し想像しがたいというか、実感することができない価値観です。 また、亀井周一郎が自身の命の間際にいたって、なぜあの戦場で死んだのがとなりにいた大村で、自分ではなかったのかと自身の過去を述懐する場面もあります。若いとき、ごく身近な、自身と変わらない若者の死を見ていると、なぜ自分がこうして生きているのか、そう考えずにはいられないくなるのは、なんとなくわかるような気がしますが・・・。 このシリーズはすごく好きなのですが、感想を書くのが難しいです。

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2013/08/03

やはりこのシリーズ、面白いです。 熊吾の短気、人情、冷静さ、先見性、人柄。 そして歳を取った・・・ いろんな意味でいいですね~ 大将!! つくづく流転の海、いいですね。と感じます。 長編ですけど、地道に読んで いろいろな物を味わえる物語ですね。 まだまだ若輩者ですが人生の機微を...

やはりこのシリーズ、面白いです。 熊吾の短気、人情、冷静さ、先見性、人柄。 そして歳を取った・・・ いろんな意味でいいですね~ 大将!! つくづく流転の海、いいですね。と感じます。 長編ですけど、地道に読んで いろいろな物を味わえる物語ですね。 まだまだ若輩者ですが人生の機微を少しでも感じられる気がする と思ってしまいます。 息子のノブちゃんに奥さんの房江さんもいいですわ~ このお話、心が温まるし、おのれもやるぞ~なんて 気持ちにさせてくれるっす。 次も楽しみです。

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2012/06/26

宮本輝のライフワーク「流転の海」第六巻、主人公熊吾の一粒種、伸仁も中学生になっている。遅くできた一人息子を、とにかく丈夫に、一人前の男にしたいと願う熊吾。日々の生活、その中で時として「守られている」と感じる瞬間、過去の出会いと別れのその先のそれぞれの人生。たくさんのものを背負って...

宮本輝のライフワーク「流転の海」第六巻、主人公熊吾の一粒種、伸仁も中学生になっている。遅くできた一人息子を、とにかく丈夫に、一人前の男にしたいと願う熊吾。日々の生活、その中で時として「守られている」と感じる瞬間、過去の出会いと別れのその先のそれぞれの人生。たくさんのものを背負って生きる宿命を持ち、六十を過ぎてなお、奮闘するしかない主人公のたくましくも厳しい人生。それでも何かある、生きていくことの意味。生まれてきたことの意味、生きているうちに、何か成し遂げたいと願う人間の強さと愚かさと悲しさを、大阪の日常を背景に謳い上げる。10巻まで続くと、確か作者は言っていたのではなかったか。再会を待つように、次巻がすでに待ち遠しい。

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2012/05/20

伸仁が大きく成長した。大阪だからこのような人材・環境・精神が生まれるのではないか。この本は大阪の文化誌でもある。

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