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ラブレス の商品レビュー

4

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    28

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2024/02/12

なんだか嫌な日、反省の日。 ってな事で、桜木紫乃の『LOVE LESS ラブレス』 ほんと桜木紫乃さんの作品はどっぷりと心の奥底に沈めてくれる。 親子3代の女達による生き様、生き別れ、壮絶な一生の終幕 ホント凄い、現実にある話みたいで震えた。 その日暮らしで昨日の事は捨...

なんだか嫌な日、反省の日。 ってな事で、桜木紫乃の『LOVE LESS ラブレス』 ほんと桜木紫乃さんの作品はどっぷりと心の奥底に沈めてくれる。 親子3代の女達による生き様、生き別れ、壮絶な一生の終幕 ホント凄い、現実にある話みたいで震えた。 その日暮らしで昨日の事は捨て去って生きてく……。 わしもその日暮らしを改めて、先を見て生きて行かんとね。 2018年25冊目

Posted byブクログ

2023/11/27

ラブレスー愛のない、 とてつもなく錆びれた 重い話かと思いきや、読み始めたらどんどん引き込まれて一気読み。 母、娘、3世代のストーリーが交錯。 最後は、あー!そうだったのか!と。 事実は一つでも、人の数だけ真実がある。 あれ?どっかで聞いたような? でも、まさに、そう! それ...

ラブレスー愛のない、 とてつもなく錆びれた 重い話かと思いきや、読み始めたらどんどん引き込まれて一気読み。 母、娘、3世代のストーリーが交錯。 最後は、あー!そうだったのか!と。 事実は一つでも、人の数だけ真実がある。 あれ?どっかで聞いたような? でも、まさに、そう! それぞれの人生の主人公は自分自身。 人の数だけ、感情や考えや選択がある。 ただ、それだけなのに、人と人が関わると思い違いや食い違いが起きたり。 百合江と石黒の 恋愛ともつかない関係は 信頼としか言いようがない。 でも、その信頼に溺れず甘えず、貫き通し、思いやりだけを永遠に持ち続けた。 これは、心打たれたなあ。 姉妹ならではの 女同士ならではの 関係性や 性がある。 そのあたりも 私という主観フィルターを通してだけど、 うんうん、と頷ける部分も多かった。 決して軽い内容ではない女の一生の話。 それをドロドロだけで終わらせないのが桜木紫乃さんの力量。 読後感、悪くない!

Posted byブクログ

2023/03/11

面白かったという表現は相応しくない内容だが 凄く良かった。 昭和の時代が流行歌によって走馬灯のようにクルクルと脳内に流れ込む。 ネオン、キャバレー、旅芸人の一座… 流しのギターで「テネシーワルツ」を歌う百合子の姿… 宗太郎と百合子のラストに涙が出ました。 百合子の一生は人...

面白かったという表現は相応しくない内容だが 凄く良かった。 昭和の時代が流行歌によって走馬灯のようにクルクルと脳内に流れ込む。 ネオン、キャバレー、旅芸人の一座… 流しのギターで「テネシーワルツ」を歌う百合子の姿… 宗太郎と百合子のラストに涙が出ました。 百合子の一生は人から見たら不幸かもしれないが その幸せは本人だけが一番よくわかっていれば良い。 「ユッコちゃん、大好きよ」

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2021/04/12

丸善アンドジュンク堂梅田店のSさんが、mbsラジオでこの作品のことをお話になってたのを聴いて手に取った。 『サヨナライツカ』でも『マチネの終わりに』 とも違った、ある女性の生涯をノンフィクションばりの精緻な筆致で見せてもらった。 私が、気無しには手にすることのない著者だったのだが...

丸善アンドジュンク堂梅田店のSさんが、mbsラジオでこの作品のことをお話になってたのを聴いて手に取った。 『サヨナライツカ』でも『マチネの終わりに』 とも違った、ある女性の生涯をノンフィクションばりの精緻な筆致で見せてもらった。 私が、気無しには手にすることのない著者だったのだが、いつか読み返したいと思える数少ない作品のひとつになった。

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2020/02/12

『ホテルローヤル』は直木賞受賞時の話題を記憶しており、なるほど「ラブホテル」が主人公とは珍しや 泥臭くに落ちそうも、さにあらず、なかなか洒脱でおもしろい短編集だと唸った次第 そして、長編はいかに?と読んだ『ラブレス』 姉妹のものがたり 肉親への愛、連れ合いへの愛、子供への愛 ...

『ホテルローヤル』は直木賞受賞時の話題を記憶しており、なるほど「ラブホテル」が主人公とは珍しや 泥臭くに落ちそうも、さにあらず、なかなか洒脱でおもしろい短編集だと唸った次第 そして、長編はいかに?と読んだ『ラブレス』 姉妹のものがたり 肉親への愛、連れ合いへの愛、子供への愛 姉妹の性格が真逆 能天気な姉としっかり者の妹 極貧から出発して頑張っても、いい時が少なくて めでたしめでたしにはならない つつましい庶民で終わってしまう人生 愛はしあわせか?愛とはなんぞや? しあわせな顔をして死にゆく姉を見て 妹が、娘が、姪がそして元夫が、元恋人が それぞれに、こころ突き動かされたのであった もちろんこんなふうに波乱万丈ではないけれども 昭和どっぷりの、もろわたし達世代のものがたりじゃないか みんな、悩みましたよ、悩みながら時代を潜り抜けてきましたよ と読後感が演歌調になってしまうのでもあった 文章はしんねりとはしておらず、短編に比べるとむしろそっけない

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2019/02/17

20190210読了 最初から中間くらいまで重くて切ないが(途中でやめようかと思ったよ)、最後にこんな終わり方もありかなと、ホロッとくる。いわゆる『普通の』生活者がいない。人名と人間関係、文のつながりが引っかかる。ストンと入ってこない。が、一気に読ませる熱量を感じる。

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2019/01/03

百合江の物語は悲惨といえば悲惨なのですが、読んでいて不快な感じがしないのは、逞しく、からっとしているからでしょうか。 最後のシーンは涙なしには読めませんでした。 私は、この著者は、直木賞受賞作以前の作品の方が、面白いと思います。

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2018/10/12

小飼弾氏の本の中で書店員のおススメで挙がっていたので読んでみた。 ある女性の一生を描いた小説だが、この女性が強い。自己主張をするような強さではなく、内に秘めた強さ。 一方で、人生を達観しているというか、理不尽なこと、辛いことにあい過ぎて、期待することを諦めてしまったというか、...

小飼弾氏の本の中で書店員のおススメで挙がっていたので読んでみた。 ある女性の一生を描いた小説だが、この女性が強い。自己主張をするような強さではなく、内に秘めた強さ。 一方で、人生を達観しているというか、理不尽なこと、辛いことにあい過ぎて、期待することを諦めてしまったというか、何も語らず、心にしまったまま、あの世へ持っていくという強さでもある。 一方で、男は弱い。酒に溺れ、暴力をふるい、自分を弁護し、逃げ出す。 読んでいる間の感覚は、「切ない」という感覚で、誰に感情移入できる訳でもないが、先が気になる。 「八日目の蝉」も同様だったが、重たく、暗い話の割に、読後感が悪くないのは、最後に救われた面があったからだろう。 言葉が出てこず、もどかしい。 (950円)

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2018/05/01

村田英雄 義理がすたればこの世は闇だ 華っていうのは、自分じゃどうにもならないものなの。こればっかりは努力だの根性ではどうにかなるもんじゃないのね 元気でいるなら上等だ。歌って踊っているなら、なおよろしい 記憶って、都合よく上書きできるっていうし 理恵もお母さんも、おばあ...

村田英雄 義理がすたればこの世は闇だ 華っていうのは、自分じゃどうにもならないものなの。こればっかりは努力だの根性ではどうにかなるもんじゃないのね 元気でいるなら上等だ。歌って踊っているなら、なおよろしい 記憶って、都合よく上書きできるっていうし 理恵もお母さんも、おばあちゃんも、人間だから弱いの。だから、優しくされると甘えちゃうんだ。でも、甘えると今度は自分が嫌になっちゃう。おばあちゃんはそれに耐えられなくて、お酒を飲んじゃうだと思う。理恵は間違っていないなんか。大丈夫 高樹さんにあんなことを言うつもりはなかったんだ。あの年くらいになると、いろいろと帳尻を合わせたくなるのも分かるし。里実おばさんにしたって、のちのち後悔しそうでわたしに話したんだろうし。みんな善人なの。それは叔母さんにしても高樹さんにしても、同じなんだと思うのね。告白って、ただの確認作業だと思うわけ、本人が気付いているかどうかはわからないけど、自分が許されているかどうか確かめたいんじゃないかな。 わたしは小夜子ちゃんの人生は小夜子ちゃんのものだたお思うの。子供は産みたいときに産んだらいいのよ。女は選べるんだもの。産んでやり直す人生と、生まずにやり直す人生と。どっちも自分で選べば、誰も恨むこともないんじゃないの。 自分が誰の子かわかったところで、その事実に今を変える力なんかないんだよねぇ みんな自分の都合のいいようにしか見ないし聞かないもの。 どこへ向かうのも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を惜しんだりしない。

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2017/08/07

北海道に生まれた女の壮絶な一生の物語。 タイトル、装丁からは想像出来ないストーリーでした。 素晴らしかった。 百合江という女性の生き方は、自分には到底まねのできないもの。 その強さはどこから来るものなのか。 愛の溢れる人だからこそなのではと思います。 百合江から受け継がれた...

北海道に生まれた女の壮絶な一生の物語。 タイトル、装丁からは想像出来ないストーリーでした。 素晴らしかった。 百合江という女性の生き方は、自分には到底まねのできないもの。 その強さはどこから来るものなのか。 愛の溢れる人だからこそなのではと思います。 百合江から受け継がれた血は、理恵の中にもしっかり宿り、きっと彼女のフィルターを通して、この物語が完成されるのだと思います。 現代の部分が、理恵ではなく、血のつながりがない小夜子の目線で書かれていることに、今更ながらやるなと思わされました。 ラストシーンには暖かな涙を流しました。 私にとっては、最近読んだ中では一番の作品です。

Posted byブクログ