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ラブレス の商品レビュー

4

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2017/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 親子3代に亘る、ねじれにねじれた人間関係のドラマです。親子や夫婦の関係がもうどうにもならないほど破綻してしまっていて、最初のうちは読んでいて嫌になります。ところが杉山百合江の人生を軸に物語は次第にスピード感を増し、波瀾万丈の展開となって目が離せなくなっていきます。  人は人生において、自分自身を苦しめたり身近な人たちを傷つけたりするような選択を時として繰り返してしまうようです。人の行いは理屈ではなくどうにも抑えようのない感情によって左右されるのですから。そうした選択の結果は、周りからはどうしようもない不幸のようにも見えるかもしれません。しかし、結果がどうであれ自分の気持ちに正直になって自ら選んだ人生が、振り返れば幸せな人生だったということになるのかもしれません。あるいは、そのようにしか人は生きられないのかな……  はっきりいえば好きになれる種類の小説ではありませんが、人間の業(ごう)ということについて強く考えさせられたのでレヴューさせて頂きました。  百合江の晩年に初めて気持ちを明らかにする高樹老人の姿、そして明かされる綾子の消息は、この物語の中で数少ない「救い」でした。  あと、百合江の最期の病室に現れる人は、この人じゃあないもう一人の方にして欲しかったなあ……

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2016/07/18

二人の姉妹の人生を通して、姉妹の切っても切れない絆と主人公百合江の過酷な人生で失われた 愛と再生の物語。

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2016/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

百合江と里実の壮絶な人生に驚いた。 死ぬ前になると許しを得たくなるというのはなんか理解出来るかも。 宗ちゃんが会いに来たことが嬉しかった。

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2016/04/04

2016.4.3 優しくて強い主人公の女性が、あるがままを受け入れて生きていく物語 側で付かず離れず支えていく男性 ここで、この男性になだれ込むのではなく、あえて一人で生きていくことを選択する。潔い !現代にこんな女性はいるのでしょうか? 近寄り難いかもしれないけど

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2016/01/01

もっと早く読めばよかった。こりゃ、やばい。全く関係ない話なのに、ずっと心の底で曖昧にしてきたことを突きつけられた気がする。 東山さんの流の女&北国バージョンな印象。男たちは弱く、女たちはひたすら強い。 個人的には石黒みたいな男が気になる。柴門ふみのあすなろ白書に出てくる最初に付き...

もっと早く読めばよかった。こりゃ、やばい。全く関係ない話なのに、ずっと心の底で曖昧にしてきたことを突きつけられた気がする。 東山さんの流の女&北国バージョンな印象。男たちは弱く、女たちはひたすら強い。 個人的には石黒みたいな男が気になる。柴門ふみのあすなろ白書に出てくる最初に付き合った人の良い男を思い出す。女の情念は理屈を飛び越えていき、男にとってそれは、ただ悲しい。

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2015/12/22

肯定してもいけない,否定してもいけない,だって僕らは部外者だから.鏡を割って,もう一度自分が映るのかな.

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2015/12/14

直木賞を受賞した『ホテルローヤル』よりも先に書かれた作品です。 装丁と『LOVE LESS』というタイトルから、現代の話かと思ったのだが… これは桜木さんの本だ~!と思わされる一冊。 そして、強烈に印象に残る本になりました。 桜木さんと同世代で、昭和世代だから、胸をえぐられ...

直木賞を受賞した『ホテルローヤル』よりも先に書かれた作品です。 装丁と『LOVE LESS』というタイトルから、現代の話かと思ったのだが… これは桜木さんの本だ~!と思わされる一冊。 そして、強烈に印象に残る本になりました。 桜木さんと同世代で、昭和世代だから、胸をえぐられるように感じることがいっぱい。 戦後を生き抜いてきた女性って、想像もつかない過酷な運命を背負わされていたんだと、改めて思い知らされた。 同じ昭和でも、男女平等が当たり前のようになった時代とは全く違う… 子どものため、夫のため、家のために生きる。 自分のために生きることは自分勝手なこと、後ろ指を指されること… 舞台となる北海道、開拓村の生活はどんなに大変だっただろう… そんな過酷な生活の中から、旅芸人一座の歌い手となる百合絵。 表にはみせず、心に秘めた信念のまま生き抜いた百合絵。 こんなに辛い人生って…と、思てしまうけれど、百合絵は「幸せだった」と答えるだろうなぁ… 読みながら、何度も胸がつまって、胸が締め付けられて、涙がにじんで、苦しかった…

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2015/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

設定的には、生まれも育ちも恵まれない女たちの哀しくやるせない人生の物語。かと思いきや!深い! どんな状況も淡々と受け入れ、達観とあきらめを携えて、とにかく生きる。明日のことだけを考えて、生きていく。哀しみの中で、「愛になれなかったものたち」が降り注ぐ。表現しようのない余韻の残る、素晴らしい作品。

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2015/09/13

北の大地に繰り広げられる女の物語。貧しい家庭から逃げ出し、女手一つ歌とミシン仕事で娘を育てる姉。手に職をつけ理容店を切り盛りする闊達な妹。姉にはその優しさゆえ言い寄る男が絶えないが娘の幸せだけを望む女にはそうそう幸は訪れない。幼い長女と生き別れてから、その子の幸せを願い自分は身を...

北の大地に繰り広げられる女の物語。貧しい家庭から逃げ出し、女手一つ歌とミシン仕事で娘を育てる姉。手に職をつけ理容店を切り盛りする闊達な妹。姉にはその優しさゆえ言い寄る男が絶えないが娘の幸せだけを望む女にはそうそう幸は訪れない。幼い長女と生き別れてから、その子の幸せを願い自分は身を引く。その娘がエピソードの伏線とは読みかえして初めて気づくほどうまい。どこまでも優しくどこまでも哀しい女の一生が全篇にあふれる。

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2015/06/27

結構まえに勧められて読んだのが抜けてた。 やるせない、でも、どこか憧れる。 彼女のような強さや、健気さ、そして一途さ。 彼女が、彼女の歩んだ道が幸せかどうかはわからない(どっちかと簡単に言うならば不幸せだろう) けれど、〝彼女〟という人物に、ただただ憧れた。

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