コラプティオ の商品レビュー
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福島原発事故後の官邸を題材にした小説。 今まで官邸物(?)を読んだことがなかったので、なかなか面白かったです。 登場する首相の豹変ぶりが怖いです。 そして、実際にそういう首相になってしまったらと考えると・・・。 カリスマ的な首相が望まれますが、日本が間違った方向へ行かないように 盲目的にならないように気を付けなければいけないと思いました。
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震災発生1年を挟んで読了。エネルギーと政治に正義はどう関わるのか。遠くの国のクーデターは我が国の政況とどう結びつくのか。「あの」総理の時代は遠くに過ぎ去ったけど、強いリーダーを求めることの危険や、自治体レベルで全体主義に持ち込もうと試みる首長が登場してきている今は、政治と正義の危...
震災発生1年を挟んで読了。エネルギーと政治に正義はどう関わるのか。遠くの国のクーデターは我が国の政況とどう結びつくのか。「あの」総理の時代は遠くに過ぎ去ったけど、強いリーダーを求めることの危険や、自治体レベルで全体主義に持ち込もうと試みる首長が登場してきている今は、政治と正義の危うさをもう少し考えたくなる。無関心ではいられない。
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3.11以降の日本に圧倒的なカリスマ性を持った総理が誕生する。 原発で傷ついた日本こそより安全な原発を作ることができると、「有言実行」をスローガンに日本経済を立て直そうとする。そんな総理の側近達はだんだんと疑問を感じ・・・ いやー面白かった。すごくリアルに感じたし、なんだか怖くもあった。
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「ハゲタカ」の真山仁さんの作品。震災後の日本を舞台としており、政治とはいかにあるべきか、原発とどう向き合えばいいのか、小説を通じて考えさせられた。
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一通の新聞にそれぞれ内容の異なる3本の記事が掲載されていた。生き馬の目を抜く政治の中で、総理が語る「正義」は、その3本の記事の見えなかった相関関係に絡みとられていく。 主人公は天才内閣調査官と記者。二人の因縁と成長も描かれたくましくそれぞれの正義を貫こうとする。総理が織田信長、首...
一通の新聞にそれぞれ内容の異なる3本の記事が掲載されていた。生き馬の目を抜く政治の中で、総理が語る「正義」は、その3本の記事の見えなかった相関関係に絡みとられていく。 主人公は天才内閣調査官と記者。二人の因縁と成長も描かれたくましくそれぞれの正義を貫こうとする。総理が織田信長、首席秘書官が藤吉郎、官房長官が光秀、調査官が蘭丸なのであれば、いつかは家康を描いた話もして欲しいなぁとハゲタカのような続編を期待してしまう。直木賞候補になったが直木賞を取れなかったこの作品。それでも抜群に面白いです。
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なんとも言えない読み応え。 震災後に加筆しているので、原文がどうなっていかのか気になる。 エネルギーに関係する問題(原発の安全性・輸出、資源の獲得競争、途上国のリーダーの汚職・・・・、)が、詰め込まれていて、エネルギーについてはやっぱり現実の世界でも一筋縄ではいかないだろうな...
なんとも言えない読み応え。 震災後に加筆しているので、原文がどうなっていかのか気になる。 エネルギーに関係する問題(原発の安全性・輸出、資源の獲得競争、途上国のリーダーの汚職・・・・、)が、詰め込まれていて、エネルギーについてはやっぱり現実の世界でも一筋縄ではいかないだろうなあと痛感。
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3.11の前から書かれているが、もろ震災や原発事故がテーマな硬派な小説。 原発事故から数年後。希代の演説家であり、理想に燃える若手政治家が首相になり、その行動力で日本再生に粉骨砕身する。しかしその切り札は原発産業、というこのタイミングだからこそ読むべき作品。 しかしテーマは原...
3.11の前から書かれているが、もろ震災や原発事故がテーマな硬派な小説。 原発事故から数年後。希代の演説家であり、理想に燃える若手政治家が首相になり、その行動力で日本再生に粉骨砕身する。しかしその切り札は原発産業、というこのタイミングだからこそ読むべき作品。 しかしテーマは原発ではなく、政治権力を上り詰める内に、自縛的になっていく哀しい姿であり、マスコミや首相を支えるスタッフが如何に「第四の権力」として、機能するかという話。マスコミと政治の関係や、清廉潔白なイメージとはそぐわないODAの裏舞台など、面白く読み通せるサイドストーリーも秀逸。 ただ面白いが故に、難癖を付けると、希望と復興の象徴である首相が如何に権力の闇に囚われていくか。それに巻き込まれる人間がどの様に変わっていくか、をもう少し細かく書いて欲しかった。 しかし面白い作品であることは変わらない。原発産業の今後、日本と原発の位置関係を考える上でも非常に示唆に富んだ作品。お勧めです!!
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非常に面白かった。普段マスメディアではタブーのような扱いを受けている(?)国際政治の常識が当たり前のように作中で語られることに驚くとともに、フィクションとはいえこういうことを堂々と語れる国に住んでいることに幸せを感じた。 東日本大震災をうけて大幅な加筆修正を行ったということで、細...
非常に面白かった。普段マスメディアではタブーのような扱いを受けている(?)国際政治の常識が当たり前のように作中で語られることに驚くとともに、フィクションとはいえこういうことを堂々と語れる国に住んでいることに幸せを感じた。 東日本大震災をうけて大幅な加筆修正を行ったということで、細かな点でやや無理を感じられる部分もあるものの、全体を通して著者の情熱が感じられる傑作だと思う。 文庫化する際に更に加筆修正が行われることを期待する。 図書館にて。
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他の方も書いておられたが、「ハゲタカ」以上の力作かと思う。 震災による原発事故からの復興。復興に伴う原発メーカーの国有化と、日本フェニックス計画。ウラン鉱山採掘権獲得に向けた国家間の闇取引。そして、政治家の独裁者への豹変。どれもが、とてもリアルに描かれている。震災を受けて、原稿...
他の方も書いておられたが、「ハゲタカ」以上の力作かと思う。 震災による原発事故からの復興。復興に伴う原発メーカーの国有化と、日本フェニックス計画。ウラン鉱山採掘権獲得に向けた国家間の闇取引。そして、政治家の独裁者への豹変。どれもが、とてもリアルに描かれている。震災を受けて、原稿を大幅加筆修正したという筆者の試みに感動まで覚える。 ストーリーが進むにつれ、白石と神林が首相の側近、記者として熟成されていく様も読み応えがある。私が思う本書のメッセージは、神林が主張する国民の政治への無関心に対する警告、そして、白石が忠実に自分の父の言葉を実践していた「己に克つ」、という二点かと思う。 清廉潔白が求められるが、必要悪も存在する政治の難しさ。そして、もうすぐ一年が経つ震災からの復興。他にも課題山積みの日本を救うのは日本人一人ひとりだと改めて思った。
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大震災から3年後の日本を舞台にした政治小説で、第146回直木賞候補作。 最初は読みづらかったが、中盤からどんどんひきこまれていった。 著者の熱意がものすごく伝わってきた。 ラストは、ああするしかなかったのだろうが、でも拍子抜け。
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