コラプティオ の商品レビュー
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政界、企業が絡む話は初めての分野。私には重たかった。 3分の2までは読み進めるのがなかなか大変だった。ラスト3分の1から一気に読んだが、最後の最後がちょっとあっけなかったかな、というのが正直な感想。 けど、いろんなことをよくもこれだけ調べたなぁ、さすが、とは思った。作家だから当たり前と言えばそうなんだけど。おかげでちょっとは政界に興味がわいた。ありがとう。
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エネルギー問題、アフリカ大量虐殺、企業破綻と一見関係なさそうなニュースが複雑に絡み合っていく。経済小説としては十分楽しめる。ただ、この作家さんが小説にもっと深みを出そうとするなら、田坂氏がなぜ途中から白石に対して態度を変えたのか、その後の白石はどう選択したのかを描く必要があったの...
エネルギー問題、アフリカ大量虐殺、企業破綻と一見関係なさそうなニュースが複雑に絡み合っていく。経済小説としては十分楽しめる。ただ、この作家さんが小説にもっと深みを出そうとするなら、田坂氏がなぜ途中から白石に対して態度を変えたのか、その後の白石はどう選択したのかを描く必要があったのではないだろうか。神林についても、一つの企業の息の根を止めたことに対して、もっと苦悩を描く必要があると思う。 でも、経済小説としては十分面白い。
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“リーダーシップ”あふれる総理大臣が登場したことにより将来への希望の兆しを見せる日本。しかし、その希望の兆しが虚像だったら・・・。 元々は、別冊文藝春秋に連載していた同名の小説らしいのですが、3.11東日本大震災の発生とそれに伴う福島第一原発事故を受け、内容を大幅に加筆修正して...
“リーダーシップ”あふれる総理大臣が登場したことにより将来への希望の兆しを見せる日本。しかし、その希望の兆しが虚像だったら・・・。 元々は、別冊文藝春秋に連載していた同名の小説らしいのですが、3.11東日本大震災の発生とそれに伴う福島第一原発事故を受け、内容を大幅に加筆修正して刊行されています。3.11をベースにしていますので、事あるごとに3.11が語られますし、福島第一原発事故も語られています。加筆修正前の作品を知らないのですが、これほどの加筆だとすると、ほとんど違う作品になってしまっているのではと心配してしまいます。 “有限実行”“リーダーシップ”を旨とする政治家は、一人二人と頭に浮かばないわけではないですが、冷静に考えて彼らはデマゴーグあるいは、究極のポピュリストではなかったでは無いのかな?と思うこともあります。上手く、選挙民をのせていますよね。その意味では、我々有権者は、もっと冷静に考えて、判断する必要があるのかなとも思いました。 最後の結末が、読者の想像に任せるような描き方になっていることについては、私は、ちょっと微妙。せっかくなんだから、もっとはっきりと描けなかったんですかね?
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面白い。重量感がある。最後は少しあっけない感じもしたがそれまでは迫力あり、読み応えあり。今の日本に宮藤氏が欲しい。出張の行きに読んでしまう。作者の知識とそれをエンターテイメントにする腕力に脱帽。
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時に適った作品。政治について、原発について、ニッポンについて、アフリカについて、もっと勉強しないと、と思った。
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福島の事故(余談: なぜフクシマっていうの?)後に加筆・修正されたという政治の話。 同年代の記者神林と、政治学者から総理側近になった白石を中心に報道と官邸内部を描いているのだが、物足りない。キャラがたっていないし、絡みもイマイチ。 原発の将来に対する考察や日本国民の在り方というか...
福島の事故(余談: なぜフクシマっていうの?)後に加筆・修正されたという政治の話。 同年代の記者神林と、政治学者から総理側近になった白石を中心に報道と官邸内部を描いているのだが、物足りない。キャラがたっていないし、絡みもイマイチ。 原発の将来に対する考察や日本国民の在り方というか国民性にも突っ込みが足りない。性急に書き上げた感がある。 ところで、白石は自覚なしのイケメンらしいんだけど、突っ込んでるんだかスルーなんだかわからない扱いがかえって気になる件。
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半年ほど前に本屋に並んでいたんで読みました。 原発事故後の政治を描いた小説です。出版直前に原発事故が起こり、加筆修正をしたそうで、原発事故前にこのような話を書いていたことに驚きです。 話は原発事故後に日本を立て直すべく登場した英雄的首相と、その裏でら働く首相補佐官だったかな?の話です。理想の燃えながら、独裁的にもなっていく姿は、興味深いです。
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政情の不安定なアフリカの某国で、日本がウラン鉱を偶然発見したことを機に、ウランの供給から原子力発電所の建設・運用までを一貫して請け負うという社会インフラ産業を海外展開する国家戦略を実現しようとする政府のお話。 ウラン鉱の開発・利用権を獲得するために交渉している最中に、アフリカ某国でクーデターが起こるとか、軍事政権に対して資金援助していたことが発覚し、首相退陣の危機に陥るとか、途上国への開発援助にまつわる政治的リスクについて、原子力発電を例に小説を連載し、連載が終わろうとしていたときに、3・11が起きた。 そのため、数カ月で大幅に加筆修正し、大震災の原発事故後3年後の話として、再構成された。 奇遇というか、タイムリーなテーマ設定だったというか、機敏な加筆修正というか。。。
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物語のスケールが壮大になっている。日本と世界というフィールドは変わらないが、政治がテーマとなっているようだ。文中には、3月11日の地震のことが盛り込まれているが、全体に与える影響は、大きくないと思う。上手にインパクトを与えるように書いているのは技が素晴らしい。 正義がテーマの一つであると思うのだが、政治をテーマにした正義の話は信じがたい。逆に「蘭丸」という発想は素晴らしいと思えた。そして、原子力という着眼点も良かった。アフリカという土地に関して、自分では知らないことが多いので本書の内容を鵜呑みにすることになるだろう。首相がシンボルと化していく。私にとっての国のシンボルは天皇である。時代の変遷?作者の暴挙か?政治はショウである。
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宮藤隼人という熱意あふれる政治家の演説を聞いて影響を受けた幼馴染の2人、慶大生の神林祐太と東大生の白石望が、それぞれ、新聞記者と首相官邸仕えという道を歩む。昔ながらの記者の東條、見かけと違いものすごい正義感にあふれた側近の田坂が絡んで織り成していくストーリー。3.11東北震災後の...
宮藤隼人という熱意あふれる政治家の演説を聞いて影響を受けた幼馴染の2人、慶大生の神林祐太と東大生の白石望が、それぞれ、新聞記者と首相官邸仕えという道を歩む。昔ながらの記者の東條、見かけと違いものすごい正義感にあふれた側近の田坂が絡んで織り成していくストーリー。3.11東北震災後の疲れた日本を復興に導く展開は、ちょっとわくわくもした。宮藤の独裁化とその結末は、ちょっとステレオタイプな展開だったけど。まぁ、面白かったかな。
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