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たとへば君 の商品レビュー

4.6

41件のお客様レビュー

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2012/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歌人で夫婦の二人がお互いのことを想って詠った相聞歌集。出会い、結婚、出産、子育て、病気との闘い、そして別れまで。四十年という長きに渡って、二人でいるその瞬間を切り取った短歌があるというのは素晴らしいことだと思う

Posted byブクログ

2012/05/06

たまたまTV番組で河野一家の特集をしていて、彼女のことを初めて知ったのだが、「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」この一首が私に強烈な印象を残した。出会いの頃の歌は若々しく、妻となり母となっては家族を持った幸せが感じられる。「しつかりと飯を食はせて陽...

たまたまTV番組で河野一家の特集をしていて、彼女のことを初めて知ったのだが、「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」この一首が私に強烈な印象を残した。出会いの頃の歌は若々しく、妻となり母となっては家族を持った幸せが感じられる。「しつかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合せ」そして、夫婦仲睦まじく「共に棲みまだ七、八十年はあるやうな君との時間ゆつくり過ぎよ」でも癌発病「何といふ顔してわれを見るものか私はここよ吊り橋ぢやない」とても悲しい。 絶筆「さみしくてあたたかかりきこの世にて会ひ得しことを幸せと思ふ」「手をのべてあなたとあなたに触れたときに息が足りないこの世の息が」涙で文字が霞みました。平凡なコメントですが、とてもとても悲しく美しい、家族を愛する気持ちが溢れている歌だと思います

Posted byブクログ

2012/04/28

「たとえば君 ガサッと落葉をすくうように私をさらって行ってはくれぬか」どんな状況で読まれたのか、どんな出会いだったのか…。病い発覚の前後も歌を混じえての経緯があり、とても親切な本です。歌だけだとさらっと過ごしてしまうところ、エッセイや旦那様の解説もあり、沢山の歌も更に深く味わえ...

「たとえば君 ガサッと落葉をすくうように私をさらって行ってはくれぬか」どんな状況で読まれたのか、どんな出会いだったのか…。病い発覚の前後も歌を混じえての経緯があり、とても親切な本です。歌だけだとさらっと過ごしてしまうところ、エッセイや旦那様の解説もあり、沢山の歌も更に深く味わえます。

Posted byブクログ

2012/02/20

相聞歌とよばれるものばかりが収録されているせいもあるが、このご夫婦がお互いを愛しあっていたことが伝わってくる。 河野さんの「家」という歌集をよんだ永田氏が「お前はこんなに淋しかったのか」と言ったこと。日常つかう言葉以外で、わかりあえる言語をもっていること。 短歌をほとんど読んだこ...

相聞歌とよばれるものばかりが収録されているせいもあるが、このご夫婦がお互いを愛しあっていたことが伝わってくる。 河野さんの「家」という歌集をよんだ永田氏が「お前はこんなに淋しかったのか」と言ったこと。日常つかう言葉以外で、わかりあえる言語をもっていること。 短歌をほとんど読んだことのない私にも、この間にはさまれているエッセイが、鑑賞の手引きになってくれた。

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2012/01/22

読んでいる間ずっと心拍数が上がりっぱなしだった。 自分の経験や近しい人の経験談と重ねてしまい、多くの歌に気持ちが反応した。あまりに胸に迫ってくるので星が付けられない。 この歌集では、夫妻が長い年月の間に生み出した歌のなかから互いを詠んだ歌が抽出されて時系列に並べられている。気にな...

読んでいる間ずっと心拍数が上がりっぱなしだった。 自分の経験や近しい人の経験談と重ねてしまい、多くの歌に気持ちが反応した。あまりに胸に迫ってくるので星が付けられない。 この歌集では、夫妻が長い年月の間に生み出した歌のなかから互いを詠んだ歌が抽出されて時系列に並べられている。気になった歌が詠まれた当時に出された歌集をあらためて読んでみたい。

Posted byブクログ

2012/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

河野裕子の短歌との出会いは、ベタだが、谷川史子の「告白」だった。歌集を手に入れたが、現在まで、青林檎を越える短歌には出会ってない。急逝が惜しまれる。ぜひとも読んでみたい。やっと図書館で借りて読めた。序盤の結婚に向けては、あまり共感もできず、読み進めるのみ。結婚後は、一気にのめりこんで読んだ。夫を持つわが身と重なる歌もあり、終盤は泣いてばかりだった。入手を考えている。

Posted byブクログ

2011/12/25

歌人といえども普通の生活を営んでいることが,秀逸な歌の中に見え隠れしている.永田さんは日記を付けていない由だが,これだけの恋歌が残っていれば日記以上の記録になると感じた.

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2011/12/15

ページを繰る毎に、息が苦しくなった。人はこうも強く強く愛を抱き続けられるものか。彼らの歌は、自分で、相手で、生で、声で、息であることを知った。

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2011/11/21

「たとへば君」という歌との出会いは、強烈だった。ガサッと心臓をすくわれたような気持ちになった。 それから約十年。書店で「たとへば君」というタイトルを見て、「あ、あの歌」と記憶がよみがえった。作者の名前も初めて意識したし、夫さんが歌人だというのも、初めて知った。乳癌で亡くなったとい...

「たとへば君」という歌との出会いは、強烈だった。ガサッと心臓をすくわれたような気持ちになった。 それから約十年。書店で「たとへば君」というタイトルを見て、「あ、あの歌」と記憶がよみがえった。作者の名前も初めて意識したし、夫さんが歌人だというのも、初めて知った。乳癌で亡くなったということも。 歌人・河野裕子という人の生涯や夫婦での相聞歌、代表的な作品、手記、いろいろなものが散りばめられていたが、やはり私にとってこの人は「たとへば君」である。生涯で何首も歌を詠んだだろうが、私にはこの一首で十分だ。ガサッと落ち葉すくうように私をさらって行ったあの歌。

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2011/11/15

たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか 国語の教科書に載っていたのを思い出す。 この歌を読んだ(聞いた)ことは学生時代にあったけれど 著者の名前もすっかり忘れていたし、著者自身のこともよくは知らなかった。 歌集というものに触れる機会があまりないので、 ...

たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか 国語の教科書に載っていたのを思い出す。 この歌を読んだ(聞いた)ことは学生時代にあったけれど 著者の名前もすっかり忘れていたし、著者自身のこともよくは知らなかった。 歌集というものに触れる機会があまりないので、 彼女の旦那さんがまた歌人だということも知らなかったのでまったくの無知だ。 そんな私が何気なく手にとったこの本。 何を読もうかと色んな本をぱらぱらとめくっていて、ふと目に留まったので試し読み。 少し読み出したら止まらなくなってしまってそのままお買い上げ。 この本は歌集でもあり、エッセイでもあり 永田さんが亡くなった河野さんにあてたラブレターでもあるような気がする。 河野さんと永田さんの出会いから始まり、結婚、子育て、 乳がんの発見から闘病生活、そして最後のその時までを 歌を通しながら、それらに時々エッセイが加わって語られる。 短歌というものについて詳しくは知らないしわからないけれども 短いその歌の中に篭められた想いがだらだらと書かれているよりは なんともよりリアルで、二人の歌のやりとりに魅了された。 恋してる時の想いだけでなく、日常の何気ないことや 愚痴なんかまでうまい具合に歌にされていて本当にすばらしい。 乳がんが発見された時の彼女の歌。 それからの闘病生活は彼女自身はもちろんのこと ご家族にとっても相当大変なものだったみたいだけれども 最後の最後まで歌い続けた彼女はやはり死ぬまで歌人だったんだろうし それをわかっていて、最後まで彼女の言葉を書きとめてきた 「家族の愛」というのもものすごく感じられた。 何度も何度も読み返したい。 私にとっては特別な一冊になりそうです。

Posted byブクログ