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たとへば君 の商品レビュー

4.6

41件のお客様レビュー

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2014/05/17

家族って何だろう。 二人が出会って家庭を持ち、子供が生まれやがて大人になり、再び二人だけになっていく。今まで寄り添ってきた者に、いつかは先立たれ一人残されて何を思うのか。 若かりしころの情熱、子育てに奮闘しながら互いに腹を立てることもしばしば。我々は言葉で、時に言葉に表せない...

家族って何だろう。 二人が出会って家庭を持ち、子供が生まれやがて大人になり、再び二人だけになっていく。今まで寄り添ってきた者に、いつかは先立たれ一人残されて何を思うのか。 若かりしころの情熱、子育てに奮闘しながら互いに腹を立てることもしばしば。我々は言葉で、時に言葉に表せない思いでお互いを理解し、家族を営んできた。 お二人共に歌人である、河野裕子、永田和宏もまた、我々と同じように出会い、悲しみも幸せも、40年の時間を共にしてきた。だが、彼らには短歌があった。お二人の出会いから最後の別れの時まで、どれほどの相聞歌を交わしてきたのだろう。 私は短歌を深く味わう力を持ち合わせていないが、お二人が交わした相聞歌と、背景となる散文から、互いに魅かれあったときの思い、きびしい生活の中で子供を育てる苦労と、ふとした瞬間の幸せな感覚が伝わってくる。 残念ながら、河野裕子は晩年に癌を患い、家族の見守る中瞼を閉じていきました。 最後の最後まで、家族を愛し、自分の歌を愛した歌人。 「手をのべてあなたとあなたに触れたきに          息が足りないこの世の息が」 忘れられない一首です。 残されたものもまた、喪失のうちに悲しみを歌にします。 「亡き妻などとどうして言へよう手のひらが         覚えているよきみのてのひら」 近代短歌の世界には縁遠かったのですが、ブクログのレビューを読んで出会った本です。このような本との出合いをとても幸せに思います。 追伸:我が家の喧嘩後のお約束はケーキを買ってくること(自分が悪くないと思っていても・・・)

Posted byブクログ

2014/05/07

泣きすぎて頭が痛くなった。 一首歌を読んで泣き、また一首読んでは泣き。 わんわん泣くって言うわけではなく、じわーっと。 思い出すだけで泣けてくる。 夫婦揃って歌人である河野裕子と永田和宏の相聞歌とエッセイをまとめた本書。 二人の運命的な出会いから妻が乳癌によって亡くなるまで40...

泣きすぎて頭が痛くなった。 一首歌を読んで泣き、また一首読んでは泣き。 わんわん泣くって言うわけではなく、じわーっと。 思い出すだけで泣けてくる。 夫婦揃って歌人である河野裕子と永田和宏の相聞歌とエッセイをまとめた本書。 二人の運命的な出会いから妻が乳癌によって亡くなるまで40年間、ずっとお互いを思う気持ちを歌に読み続けてた。 恋に悩む若かりし頃、子育てに追われる日々、そして闘病生活。 それぞれの時代に詠われた歌を読むと、平坦な道のりであったとは言えない。どこの夫婦でもそうだが、辛いこと、悲しいこと、色んなことがあったのだろう。 でもお互いを思う気持ちは決して変わらなかった。 ああ、なんて素敵な夫婦。 短歌がここまで心を打つとは思わなかった。 恥ずかしながら河野裕子さんも永田和宏さんも全く存じ上げなかったし、短歌を読む習慣もない。そんな私でもお二人の詠む歌は心に響いてきた。 私にもこんな風に歌を詠む才能があったならなどとも思うが、果たして長年の連れ合いに恋歌など詠むだろうか(笑) 話は飛ぶが私の家系は立派な癌系統。ありとあらゆる癌に罹ってきた。 癌との戦いに勝った人、負けた人、今まさに闘っている人。 私もいずれは癌と対峙する日がやってくるのだろうと思う。 でも嘆き悲しむばかりではない。 癌と宣告されたその日から命を終えるまでは神様が与えてくれる猶予期間だと思えばいい。 その間に大切な人に思いを伝えるのも良し、会いたい人に会うのも良し。 他の病気に罹るよりもきっと良い事がある。 自分の死期を自覚した最期の時間。 そんな時間があったからこそ、この夫婦の間には珠玉の歌が生まれたのではないだろうか。 癌だって捨てたもんじゃない。 そう思いたい。

Posted byブクログ

2013/10/24

歌人夫婦の出逢いから片方が亡くなるまでの歌。 出逢いの頃の初々しさからお互いへの不信感から妻を失う/夫を残して行く嘆きから。あらゆる夫婦がたどるであろう心の機微が生々しい。

Posted byブクログ

2013/09/02

河野裕子・永田和宏夫妻が歌で出会いやがて結婚。河野さんが乳癌でなくなる40年間を歌集とエッセイ集。世代が同じことも有り、身につまされる。夫婦の愛情が歌にもエッセイのも表現されている。

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2013/08/21

ぼろぼろ泣いたし歌がすべて良くて、買う価値があった単行本。短歌の魅力を体験できる。発売後すぐに買って何度も読んだ。大切にしたい本。

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2013/01/29

私も母を乳がんで亡くし、最後の方はまるで母のことを読んでいるようだった。また、永田さんの、病気が分かってからも日常を保ち続け、本人の前では平静をふるまっていたこと、そして後にもっと本人の気持ちに寄り添い、不安を共有してあげたらよかったという後悔は全く私も同じで、家族にがん患者を抱...

私も母を乳がんで亡くし、最後の方はまるで母のことを読んでいるようだった。また、永田さんの、病気が分かってからも日常を保ち続け、本人の前では平静をふるまっていたこと、そして後にもっと本人の気持ちに寄り添い、不安を共有してあげたらよかったという後悔は全く私も同じで、家族にがん患者を抱える人はみな同じ思いをしているのだと思った。

Posted byブクログ

2012/11/09

ある程度の歳になれば、連れ合いを置いて自分が先に死ぬことや、その逆のことを考える。自分が妻の立場だから、妻の歌に共感することが多いかと想像したが、両方に同じように共感した。添えられた文章よりも、文字数の限られた歌に、驚くほどの説得力を感じた。私は、または連れ合いは、死に別れる間際...

ある程度の歳になれば、連れ合いを置いて自分が先に死ぬことや、その逆のことを考える。自分が妻の立場だから、妻の歌に共感することが多いかと想像したが、両方に同じように共感した。添えられた文章よりも、文字数の限られた歌に、驚くほどの説得力を感じた。私は、または連れ合いは、死に別れる間際に、どんな言葉を相手に遺すのだろうか。

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2012/10/14

言葉にならず置き換える術もなく、はち切れる想いの丈に何度泣いたか知れません。わたしを短歌の世界に入れてくださった一冊です。

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2012/09/07

歌を詠む事のできない私が病んだとして。 どうやって愛するものたちへの思いを残せばいいのだろうか。 歌を残せない私が逝ったとして。 愛するものたちは歌に泣くこともできない。

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2012/07/23

ふたりの出会いも、生活も、短歌も劇的だけれど、 裕子の死に際に圧倒される。 生まれながらの歌人、 死してなお歌人。

Posted byブクログ