長い長い殺人 の商品レビュー
新聞の広告に『勢いが止まらない! またまた大増刷!! 146万部突破!』とあったので、読んでみようかと思った。私が中古本屋で買ってきたのは1999年6月発行の初版1刷で、すっかりページが日焼けした代物。 11の話からなり、世間を騒がす殺人事件の顛末について、それぞれの話の主人公...
新聞の広告に『勢いが止まらない! またまた大増刷!! 146万部突破!』とあったので、読んでみようかと思った。私が中古本屋で買ってきたのは1999年6月発行の初版1刷で、すっかりページが日焼けした代物。 11の話からなり、世間を騒がす殺人事件の顛末について、それぞれの話の主人公の財布が語って、全体を構成していく趣向。 財布が語るとはこれはまた奇天烈な設定だが、財布が知り得ることだけで話を組み立てる難しさの一方、財布しか知り得ないこともあるわけで、その辺りの書き分けがなかなか見事。色んなことが見えないだけにサスペンスも増す。 単に技巧に走るだけではなく、物語は人間の性(さが)のやるせなさを描いてペーソスを感じさせる。二人の大人が少年を挟んで夜道を歩くラストに余韻あり。
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一貫して、それぞれの人の財布の視点からの語りで進むのが新しくて面白かった。 殺人の動機やからくりはわりと単純でどんでん返しなどはなかったですが、色々な人の(財布の)視点から真実が見えてくるのが面白く、数日で読み切りました。
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“十の財布が語る”は比喩表現かと思いきや、言葉どおりで序盤から不意をつかれた。 財布ごとの個性が滲み出る独白には親しみが持てる。 彼らの語る人物描写や状況説明により、徐々に事件の全容が明らかになる仕掛けは面白い。 到底理解できない犯人の動機には人間の恐ろしさが垣間見える。
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2021.12.09 読了 語り手が財布という斬新な着眼点が非常に楽しませてくれました。 人間の支配欲は末恐ろしく感じる。殺人に明確な動機など必要ない。
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財布がストーリーを語る。 財布が語る全部で10個の短編が徐々に関連していき全体像が見えてくる。手口や落ちはありきたりだが、文章は読みやすく書かれている。3.5
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本当に長い殺人だった。 主人のお財布たちが現状を伝えてくれる。 しかし殺人を計画し殺人を依頼し、自分を誇示するために4人の命を奪いながらほくそ笑みマスコミの寵児となっていた愚かな3人。 小説とわかっていても空恐ろしい。
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財布目線で語られるミステリー 財布たちが持ち主に対して抱く感情に温もりがあって、卑怯な事件ではあるけれど普通のミステリーとはまた違った読み心地でした。後半の展開が急すぎたように感じたのと、探偵や刑事が暇すぎ?と思ったので星3つ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
主人公は登場人物達の財布であった。ある事件に巻き込まれた10人の財布から語られる事件の裏側。しかし、全ての物語が一つの真相に繋がっていく。それは… 感想は別の所に書いているので、気になった方はご自由にお読みください。 この下の概要のリンクをクリック ↓↓↓ https://twitter.com/futonneko_/status/1411334629261549583?s=20
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ちょっと読書をサボってしまい久しぶりの感想 どこかのサイトで紹介されてたので買った一冊。 事件に関係する人物の財布目線で話しが進むちょっと変わった話しだった。 一番最初一頁ぐらい文章を理解出来なかった。 語り部が財布と分かりやっと文章が理解できた。 途中この財布の話しは...
ちょっと読書をサボってしまい久しぶりの感想 どこかのサイトで紹介されてたので買った一冊。 事件に関係する人物の財布目線で話しが進むちょっと変わった話しだった。 一番最初一頁ぐらい文章を理解出来なかった。 語り部が財布と分かりやっと文章が理解できた。 途中この財布の話しは必要か?と思える話しもあったが、スッキリとした終わりで良かった。 なんとなくこの本読み終わり、財布を大切扱わないとなーとふと思った小説でした。 まぁ大切に扱ってるつもりだけど…
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語り部が財布という一風変わった小説。 今回物語として心に引っかかる部分が見つけられずサクッと読めてしまった。 事件の真相に収束する群像劇としてはあまりかなぁという印象。 短編としてはいいと思う。 後書きに模倣犯の軽いネタバレがあって吃驚した。 そこだけ注意ですわ。
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