砂の本 の商品レビュー
初ボルヘス。短編ばかり残したアルゼンチンの作家/詩人です。本作は捉え所のない話が13篇。どれも浮遊感があり幻想的で白昼夢のような話。掴みづらく消化しきれてないので感想はまだ出てこないです。鎌倉の古書店で購入。再読すると印象がかわりそうな本。 「伝奇集」も積読にあったような気が…
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前半の砂の本は話としては幻想小説ジャンル。日本で言うなら安部公房みたいな。 でもちょっと退屈だったかな~。 タイトルの砂の本が教訓話めいていてちょっと好き。 後半の『汚辱の世界史』にまさかの忠臣蔵が出てくるとは。 あと女海賊のメアリ・リードとアン・ボニーは絞首刑にはなってない説も...
前半の砂の本は話としては幻想小説ジャンル。日本で言うなら安部公房みたいな。 でもちょっと退屈だったかな~。 タイトルの砂の本が教訓話めいていてちょっと好き。 後半の『汚辱の世界史』にまさかの忠臣蔵が出てくるとは。 あと女海賊のメアリ・リードとアン・ボニーは絞首刑にはなってない説もあるようです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%8B%E3%83%BC
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ボルヘスの短編集『砂の本』、『汚辱の世界史』を収録。 久しぶりに病院に定期検診に行ったら2時間待ちで、10ページほどの短編をひとつ読んでは自分の番号が表示されていないか確認し、スマホをチェックし、次の短編を読む、を繰り返していたら2時間のうちに『砂の本』部分を読み終わってし...
ボルヘスの短編集『砂の本』、『汚辱の世界史』を収録。 久しぶりに病院に定期検診に行ったら2時間待ちで、10ページほどの短編をひとつ読んでは自分の番号が表示されていないか確認し、スマホをチェックし、次の短編を読む、を繰り返していたら2時間のうちに『砂の本』部分を読み終わってしまいました。 そんな感じで読んでしまったので正直、ひとつひとつがあまり頭に残っていない。なんか漠然とした、夢の中で聞いた物語のような。それもまたボルヘス的なのでしょうか。 (ちなみに、専用アプリがあればスマホでも自分の番号を確認できること、病院にはカフェも併設されていることを後から知る。この今さら感もちょっとボルヘス。) 悪役列伝である『汚辱の世界史』には女海賊やビリー・ザ・キッドと並んで吉良上野介が登場。ラテンアメリカで『忠臣蔵』がどのくらい知られているのか不明ですが、討ち入り前に隣近所に断りを入れた話とか、大石内蔵助をなじった人物が墓に詫びにくるエピソードなんかが嬉々として書かれている。 以下、引用。 「お前の最初の女は、なにをくれた?」と彼はきいた。 「なにもかも」と答える。 「わしにも、人生はすべてをくれた。生はすべての者にすべてを与える。だが、多くの者がそれに気づかぬ。」 彼はそれを「ユートピア」と名づけた。「そんな場所は存在しない」という意味のギリシア語である。 ケベード 「二千冊もの本を読める者はいません。わたしも、今まで生きてきた四世紀のあいだに、半ダースの本も読んではいません。それに、大事なのは、ただ読むことではなく、繰り返し読むことです。今ではもうなくなったが、印刷は、人間の最大の悪のひとつでした。なぜなら、それは、いりもしない本をどんどん増やし、あげくのはてに、目をくらませるだけだからです」 画や活字の方が、それらが写しだす物よりもリアルでしたね。発表されたものだけが真実だった。『存在スルトハ、認識サレルコト』つまり、『存在することは、写真にとられることだ』というのが、われわれ独自の世界認識の、はじめであり、真中であり、終りだった。 朦朧とした冒頭は、カフカの小説を真似ようとしたもので、終結部は、チェスタトンかジョン・バニヤンの法悦境に到ることをめざしたが、あきらかに失敗した。 読むことは、さしあたり、書くことの後に来る行為である。それは、より慎み深く、より洗練された、より知的な行為なのである。
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【由来】 ・図書館のマイライブラリの「テーマ一覧」の「変化する知と図書館」で。 【期待したもの】 ・ 【要約】 ・ 【ノート】 ・
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短編集であり,どうやら「砂の本」と「汚辱の世界史」が合冊されているようである.「砂の本」は前者の中の一編のタイトルでもあるが,本書の前半はいずれも砂でできた本のように捕らえどころがなく,何度も読み返した方が良さそうだ.後半の「汚辱の世界史」では吉良上野介と赤穂浪士のお話しも掲載さ...
短編集であり,どうやら「砂の本」と「汚辱の世界史」が合冊されているようである.「砂の本」は前者の中の一編のタイトルでもあるが,本書の前半はいずれも砂でできた本のように捕らえどころがなく,何度も読み返した方が良さそうだ.後半の「汚辱の世界史」では吉良上野介と赤穂浪士のお話しも掲載されている.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集20代と70代の自分が出会う話、片側しかない円盤をもつ王の子孫の話、無限のページをもつ本の話、どれも面白いが、短すぎてアイデアが未消化な気がする。 併収の『汚辱の世界史』のほうが、各国の歴史・伝説から、ギャング・詐欺師・悪党の話をまとめていて、面白い。
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ラテンアメリカ文学の巨匠、ホルヘ・ルイス・ボルヘスによる短編集「砂の本」及び「汚辱の世界史」を収めた一冊。後者は淡々と世界各国の所謂悪人を述べた記録というよりも記憶のようなもので、日本の忠臣蔵も(他と並行して扱い得る内容かどうかはさておき)その一つとして挙げられている。読者に情...
ラテンアメリカ文学の巨匠、ホルヘ・ルイス・ボルヘスによる短編集「砂の本」及び「汚辱の世界史」を収めた一冊。後者は淡々と世界各国の所謂悪人を述べた記録というよりも記憶のようなもので、日本の忠臣蔵も(他と並行して扱い得る内容かどうかはさておき)その一つとして挙げられている。読者に情景を沸々と思い起こさせるような体言止めの多い平易な文体で書かれている。 「砂の本」の方はずっと難解で、正直一度読んだだけでは内容が頭に入って来ない。しかし後書きに作者の短い解説があり、読むことである程度分かった気にはなれる。ボルヘスとしても実験的な要素が高かったようで、自然に語られた文ではなく、熟考と技巧の末に組まれた一冊であることを感じさせる。個人的に「他者」「円盤」「砂の本」の三編は特に完成度が高く、彼の持つ独特な世界観が分かり易い形で提示されていると思う。無色というよりは単色で、月の無い夜のように色彩を感じさせず、しかし真っ暗というわけでもない。宮沢賢治の宇宙的な神秘から煌びやかさを除いて泥臭さを加えたような、夢か現実か、はたまた創作か実話か、幻想的で奇怪な世界観である。
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他者 ウルリーケ 会議 陣地の思い及ばぬこと 三十派 恵みの夜 鏡と仮面 ウンドル 疲れた男のユートピア 贈賄 アベリアーノ・アレドンド 円盤 砂の本
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「砂の本」を読むのはこれが初めてではなくて、 前は英訳で読んで、そのときの印象が 強かった。 今回は、「砂の本」よりも、 「他者」「疲れた男のユートピア」のほうが、 よく感じました。 新幹線、品川・新大阪間の行き帰りで読みました。 (2014年10月26日)
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アルゼンチンの作家、ホルへ・ルイス・ボルヘス著。前半の「砂の本」は13話収録の短編集。後半の「汚辱の世界史」は世界中の悪人の紹介、一つの短編、千夜一夜物語などから取ってきたいくつかの物語で構成されている。 「砂の本」:どれも興味深い話だった。一見すると難解、衒学趣味と映る文章...
アルゼンチンの作家、ホルへ・ルイス・ボルヘス著。前半の「砂の本」は13話収録の短編集。後半の「汚辱の世界史」は世界中の悪人の紹介、一つの短編、千夜一夜物語などから取ってきたいくつかの物語で構成されている。 「砂の本」:どれも興味深い話だった。一見すると難解、衒学趣味と映る文章だが、読んでみると不思議とそんな風には感じなかった。それはこの作家の根底を神話や昔話が流れているからだろう。難解さを難解さのまま素直に受け入れられる、そのほんの隙間にうまく入り込んでいる気がする(その隙間とは、単に夢のような話だとか、そういうことではない。あくまで神話・昔話的な味のことだ)。特に好きな話は、未来の自分と遭遇する「他者」、王の命により詩人が詩というものを追究する「鏡と仮面」、謎の御言葉を探求する「ウンドル」、王である証の円盤を手に入れようとする「円盤」、無限にページの湧き出す本「砂の本」。 「汚辱の世界史」:こちらははっきり言って蛇足だろう。ダラダラと悪人を紹介されても困る。ただ、「エトセトラ」として収録されている物語はどれも面白い。この機会に千夜一夜物語を読んでみたくなった。
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