1,800円以上の注文で送料無料

絶対貧困 の商品レビュー

3.9

103件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/06/03

タイトルからネガティブな印象があり 読むのをためらっていた しかし、内容は読みやすく 貧困地域に住む人も また人間なのだとおもった 当たり前のことだが 思い込みとか偏った見方だけでなく 広い視点を持つことで 理解が進むことがある ただ可哀想ではなにも理解できない

Posted byブクログ

2019/02/18

貧困問題と言えば犯罪率・セーフネット・ODAなどに目がいきがちだが、本書は実際に著者が世界各国の貧困地域で暮らした経験談を元に述べられていたので、貧困問題を捉える観点が一つ増えた。 貧困層の収入源、家族構成、人間関係などが世界の地域によって全く異なることに驚いた。また、貧困層だ...

貧困問題と言えば犯罪率・セーフネット・ODAなどに目がいきがちだが、本書は実際に著者が世界各国の貧困地域で暮らした経験談を元に述べられていたので、貧困問題を捉える観点が一つ増えた。 貧困層の収入源、家族構成、人間関係などが世界の地域によって全く異なることに驚いた。また、貧困層だからといって一概に不幸でないと本書で感じられた。 今後、貧困問題のニュースに触れる際に暮らしている貧困層の立場になって考察してみたい。

Posted byブクログ

2019/02/14

大学生のときに東南アジアで初めて貧しい子供の生活を見たときは衝撃的だったが、筆者は大学1年の初っぱなでカラチからバスでアフガン入りしてるとは・・ かなりの危険を重ねてきた体験をお持ちだと思った 自分はアジアに四年半いたので馴染みの光景、話題もあったが、実際にそこで寝食を共にする...

大学生のときに東南アジアで初めて貧しい子供の生活を見たときは衝撃的だったが、筆者は大学1年の初っぱなでカラチからバスでアフガン入りしてるとは・・ かなりの危険を重ねてきた体験をお持ちだと思った 自分はアジアに四年半いたので馴染みの光景、話題もあったが、実際にそこで寝食を共にするってのは大胆極まりなく、そんなことできる日本人はそういないはず アジアだけでなく、中東とアフリカまでカバーされてるのはプロの証

Posted byブクログ

2018/11/05

しっかり元手のかかったノンフィクションである。 あんまり途上国で乞食とかにお金をやるべきでないという議論もあるが、困っているのだからやればいいというのはストレート。 社会に溶け込んでいる家族単位のアジアの路上生活者に対して、同性の集団でならず者的なアフリカの路上生活者。

Posted byブクログ

2018/09/08

体験に基づくルポなので、よりリアルに近く、臨場感がある。貧困について、しかし生きることへの逞しさ、または人間の支配における露骨な構図が綴られる。 近代兵器をもってすれば、非文明国を支配するのは容易だ。民間レベルで考えても、国家警察が機能しないなら、暴力や組織が力を振るい、弱者を...

体験に基づくルポなので、よりリアルに近く、臨場感がある。貧困について、しかし生きることへの逞しさ、または人間の支配における露骨な構図が綴られる。 近代兵器をもってすれば、非文明国を支配するのは容易だ。民間レベルで考えても、国家警察が機能しないなら、暴力や組織が力を振るい、弱者を支配する。治安が悪ければ、この原始的な支配体系が成立しやすくなる。回避策は、教育。しかも、個別に四則演算や歴史を学ぶような教育ではなく、価値観を多様化しながら相対化する集団教育だ。軍隊や国家警察を機能させるために、集団教育が必要であり、この機能により、ある程度民間の暴力機構を抑止する効果を生む。この循環を強いてさせなかったのが、白人支配の在り方であったろうか。

Posted byブクログ

2018/03/09

 アフリカ、中東、東南アジアを中心とする貧困の「リアル」を講義形式で紹介する。貧困は、人の命をここまで軽くするのか。  国内に限らず貧困を丹念に紹介していく石井氏の著。単純な「かわいそう」では片付かない現場のリアルは、程度の差こそあれ日本国内の惨状にも通じる部分はある。  スラ...

 アフリカ、中東、東南アジアを中心とする貧困の「リアル」を講義形式で紹介する。貧困は、人の命をここまで軽くするのか。  国内に限らず貧困を丹念に紹介していく石井氏の著。単純な「かわいそう」では片付かない現場のリアルは、程度の差こそあれ日本国内の惨状にも通じる部分はある。  スラム編、路上生活編、売春編とあり進むほどヘヴィになっていく。一つ一つ拾い上げてもキリがないので、一番印象に残った部分を売春編から。 P.256 「(日本人買春客の多いタイのバンコクなどでは、日本風のサービスや営業形態が「輸入」されているが)一方、(現地の)庶民が出入りするような置屋や立ちんぼうなどでは、サービスはほとんどないといってもいいでしょう。制限時間は三十分。前戯は一切なし。脱いで、洗って、挿入して、終了。そんなものです」 (カッコ内は引用者が追記)  フィクションのポルノによって性犯罪が減るという説には賛否両論でこれといった結論はないのだろうけれども、少なくとも良質のポルノがあれば、このような無味乾燥の性サービスは不要になるのかもしれない、とは思う。ポルノを用いて一人で処理するのは、わざわざこういった店に行くより手軽だし、病気の心配も、行為の後に強面のおっさんが出てくる心配もない。  ただこれに近い性産業従事者は日本にもいないことはなく、鈴木大介著「最貧困女子」で触れられている「車内で口コキ3000円」みたいな話もある。比較的ポルノの流通が自由な日本においてもそうした「最底辺の性産業」がある以上、ポルノによる抑止効果は完全ではないだろうが、おそらく容易にインターネットなどのポルノ情報にアクセスできる層は、そうした「最底辺の性産業」を利用することはないような気がする。これから先、一人一台スマホを持ち、インターネットにアクセスできる人間の割合が増えていくに連れ、「最底辺の性産業」は今以上に廃れて行くのかも知れない。  それはつまり「最底辺の性産業」がポルノとの市場競争に敗れた結果であるとは言えるのだが、反対側から見ればそうした「最底辺の性産業」でしか生計を立てられない人はこの先どうしたらよいのか、という現実もついてくる(そういう女性は大抵において他にできる仕事がほとんどない)。日本なら生活保護もあるだろうというが、行政の水際作戦などが時折話題になるように、ほとんどの自治体においては認定が難しい。特に若者相手にはなお厳しい。まともに教育を受けていない人だと申請書類もロクに書けないし、生活保護を受けると過去の借金を追及されたり、子供を施設に奪われたりすると思い込んでいて自分から保護を拒絶するなんてこともある。となると売春もできない、福祉も受けられない人はセーフティネットから零れ落ちることになる。  そして貧困国では日本以上に福祉が壊滅状態であり、放っておけば死ぬか殺されるかという世界である。  本書は全編そんな調子であり、窃盗やら詐欺やら人身売買やら薬物やらといったことが違法であることなんて重々承知であるが、それを無理矢理止めたところでそれを生業にしていた人はどうなるのか、国も誰も助けてくれないのに、という所に帰結する。それがすなわち貧困である。

Posted byブクログ

2018/01/31

貧困学 ってとてもとっかかりにくそうな語感だけど、文体はとても読みやすく、授業を聞いているようでした。 レンタルチャイルドを読んでから石井さんの本を読みたいなと思って手に取りましたが、こちらも大変勉強になりました。

Posted byブクログ

2017/12/18

世界の貧困の実態を講義形式で教えてくれる。ユーモアも交えつつ暗いばかりの感じでもなくかといってやはり、無問題ではない。こうして生きているという実態をそこに入り込んで描いているので、かえってリアルな感じがする。いろいろと考えさせられる。

Posted byブクログ

2017/11/05

世界の貧困の凄まじい現実。 日本に生まれたことを感謝せずにはいられない。 途上国には何故か失業者が多い。 産業を作ることが解決策になるのかな? 著者が実際に路上生活者たちと寝起きを共にして取材したというのも凄いと思う。

Posted byブクログ

2017/04/17

出版された時から、ずっと読みたいと思いつつ、今になった。南米旅行に持って行って読む。 いろいろ知ることができて良かった。 特に考えさせられたこと。 海外に行った時に、子供が売り子になっているのに会うたび、ちょっと気分が暗くなっていた。私は買ったことがない。しかし、これを読んで...

出版された時から、ずっと読みたいと思いつつ、今になった。南米旅行に持って行って読む。 いろいろ知ることができて良かった。 特に考えさせられたこと。 海外に行った時に、子供が売り子になっているのに会うたび、ちょっと気分が暗くなっていた。私は買ったことがない。しかし、これを読んで、彼ら彼女らから買うことが、自分にできることの1つであると教えられた。どちらかというと逆の気持ちでいた。買うことによって、子供が働かされることを肯定することになるのではないかと。しかし、そんな考えは綺麗事で何の意味もなさないということに気付かされた。ペルーでも、少年少女が売り子になってお土産物を売っていた。いつも同様、まず売り物自体に興味がない。なので買わなかった。しかし、現地の日本人ガイドさんは買ってあげて欲しそうにしていた。この稼ぎで進学して、ガイドになった子もいるという話もされた。その時、まだこの本を読んでなかった私は、買わなかったが、買うべきだったと今は思う。南米まで旅行に来るだけのお金を持っている日本人が、なぜ5ドルのお土産を買うことをしないのか、と今は思う。でもそれは、この本を読んだから。 海外の貧困を知るにつけ、自分は一体何ができるのか、どうしたら解決に近づけるのかと思っていたが、大きく変えることなんて私には無理。それなら、まず自分のできることから、難しい理屈抜きですることなんだと気付かされた。これは私にとって、新しい発見となった。

Posted byブクログ