これからの誕生日 の商品レビュー
心が痛いほど共感した。 そして、それだけに終わらず、周りの人々の気持ちや事情が描かれていて、 すごくよく練られていると思う。
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バス事故で友人や教師を失った千春。一人生き残った罪悪感から引きこもる彼女の姿は、同情を呼び、一方では複雑な思いで受け止められる。弟、担任教師、友人の遺族である母親、新聞記者など、千春と関わる6人の視点で綴る連作短編集。 残された千春への周りの反応がリアル。優しく寄り添う家族もいれ...
バス事故で友人や教師を失った千春。一人生き残った罪悪感から引きこもる彼女の姿は、同情を呼び、一方では複雑な思いで受け止められる。弟、担任教師、友人の遺族である母親、新聞記者など、千春と関わる6人の視点で綴る連作短編集。 残された千春への周りの反応がリアル。優しく寄り添う家族もいれば、その反対に… こんなにも悪意のある言葉が投げかけられるんだと思う一方で匿名だと何でもありなのかもと。 性善説と性悪説のくだり印象に残りました。(誰もが細々とした悪意を持っているんですよね。p199) 伯母さんの悪意を人間なんてそう言うものと割りきることができてケーキ屋での伯母さんへの声かけ凄い。背負っている傷を分かっているんだと思うと涙が。新聞記者への取材には、何を答えたんだろう。読みたかったな。
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高校の演劇部の合宿に向かう途中で事故に遭い、たった1人生き残ってしまった千春と周囲の人たちの連作短編集でした。 自分だけ生き残ったことを、「よかったね、亡くなった友達や先生の分も一生懸命に生きなきゃね」と言って励ます残酷さや、慰めの言葉は簡単に言っていいものじゃないなと思いまし...
高校の演劇部の合宿に向かう途中で事故に遭い、たった1人生き残ってしまった千春と周囲の人たちの連作短編集でした。 自分だけ生き残ったことを、「よかったね、亡くなった友達や先生の分も一生懸命に生きなきゃね」と言って励ます残酷さや、慰めの言葉は簡単に言っていいものじゃないなと思いました。本人にしかわからない悲しみを癒すために必要なものは、時間と寄り添うことだけなのかなと思いつつの読書でした。いつものように元気になってほしいという気持ちが空回りしたり、ついいらだちをぶつけてしまうのも家族だからかなとも思いました。人の不幸は蜜の味という感じの悪意や、好奇心もありがちなことで、人って残酷だとも思いました。身内でも嫉妬したり、つい自分本意の考え方になるのは仕方がないのかもしれません。それでも千春の周りに、本気で心配する弟や、そっと見守るかんじの同級生がいるのが救いでした。そして、ケーキやさんと記者の小泉さんのような人がいることも、ほっとできることでした。 千春の周囲の人の気持ちが次々に語られるのに引き込まれて、一気に読んでしまいました。傷ついたこころを癒すのは、時間と本気でその人を思う気持ち、そして同じように傷を抱えている人なのかなと思いました。優しさと人を許すことを持ち合わせた千春のこれからにいいことがありますようにと、願わずにはいられませんでした。読んでよかったと思える一冊でした。
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交通事故のたった一人の生存者となった17歳の千春。 日々事故のニュースはあるけど、例えば加害者のみ助かったら、子どもを亡くして親だけ助かったら、恋人を亡くしたら、若者の暴走事故、どれも助かった!と心から喜べないのだなと改めて感じた。 ましてや重症で生死をさまよい、体の一部や機能、...
交通事故のたった一人の生存者となった17歳の千春。 日々事故のニュースはあるけど、例えば加害者のみ助かったら、子どもを亡くして親だけ助かったら、恋人を亡くしたら、若者の暴走事故、どれも助かった!と心から喜べないのだなと改めて感じた。 ましてや重症で生死をさまよい、体の一部や機能、記憶を失くしたり様々な辛さがあるだろう。 元には戻れない。 17歳の千春の葛藤がリアルで、辛かった。 そして周りの人たちの悪意も理解できてしまう。 最後、千春が新聞記事にどんなふうに語ったのかはわからないけど、少しでも前を向いて生きてほしい。 事故、気をつけねば。
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楽しい話ではない、むしろ辛ささえ感じましたが、それでも読めて良かった。 性善説で過ごしたいものです。 静かながら芯の太い強さ・優しさを感じられる穂高明作品。いま一番楽しみに手に取れる作家さんの1人です。
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「これからは、みんな一緒にお祝いするんだねえ」(八重子) 最後のケーキ屋さんの話で前半のそれぞれのモヤモヤがスッキリした。
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バス事故で生き残った女子高生・千春とその周囲の人たちの視点から描かれる連作小説。 唯一の生存者に対して清廉な生き方を求めてしまう周囲の身勝手さは今までもずっと繰り返されてきたし、これからもずっと繰り返されていくのだろうと思う。 弟、教師、叔母、新聞記者などの視点で描かれていくけど、一番最後の章が町のケーキ屋の主人なのが素晴らしい構成だった。バースデーケーキは幸せの象徴だし、家族や近しい人物でなくてもずっと見守ってくれていた人がいるということを感じられてとてもよかった。
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高校の部活動での自動車事故で たった一人だけ生きのびた千春や遺族たちの苦悩。 千春はすっかり学校も休みがちになり、裏掲示板では冷たい容赦ない書き込み、 周囲の人たちの無責任な前向きな言葉。 娘を亡くした母親の喪失感、ときどき耳に入る生存者千春の行動と嫉妬と混乱。 大きな悲しみはある日を堺に突然解放されるわけもなく 長い時間をかけて少しずつ受け入れていくまで。 誰にだって、黒い醜い思いはあって それを表に出すか自分の中でうまく折り合いをつけていくかの違い、、、
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バスの事故で、顧問の教師と仲間達を失い、一人生き残った千春。 彼女と彼女を巡る人たちの、連作短編集。 興味深く、夢中で読みました。 多感な年頃の子にとっては、とても辛い経験だっただろうと、親世代として、胸が苦しくなりました。 彼女をみつめる目が、『細々した悪意』に満ちている事実...
バスの事故で、顧問の教師と仲間達を失い、一人生き残った千春。 彼女と彼女を巡る人たちの、連作短編集。 興味深く、夢中で読みました。 多感な年頃の子にとっては、とても辛い経験だっただろうと、親世代として、胸が苦しくなりました。 彼女をみつめる目が、『細々した悪意』に満ちている事実が、妙にリアルな気がしました。 時間の経過とともに、同級生久住くんの話などから、立ち直り、前を向き始めた千春を、強くあれと応援したい気持ちでいっぱいです。 久江叔母さんの小さな悪意、 これが一番応えたのではないかと、正直かなり心配してます。 叔母さんの心理を理解することは、千春には出来ないのでは?と思うのですが。
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穂高明さん「これからの誕生日」読了。演劇部の突然の事故で、生き残った生徒と家族の悩み、希望を綴った物語。読む前は楽しい話かと思ってたら全然違う内容でした。生と死の考え方も、これまでの考えと違ってて、ハッとさせられました。千春、拓真の関係、周りを取り巻く人々の想いが素晴らしく、やっ...
穂高明さん「これからの誕生日」読了。演劇部の突然の事故で、生き残った生徒と家族の悩み、希望を綴った物語。読む前は楽しい話かと思ってたら全然違う内容でした。生と死の考え方も、これまでの考えと違ってて、ハッとさせられました。千春、拓真の関係、周りを取り巻く人々の想いが素晴らしく、やっぱり優しい穂高さんの作品だなと感じました。物語のラストは感涙もの。是非、たくさんの人に読んでもらいたい作品♪
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