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これからの誕生日 の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2022/09/30

交通事故のたった一人の生存者となった17歳の千春。 日々事故のニュースはあるけど、例えば加害者のみ助かったら、子どもを亡くして親だけ助かったら、恋人を亡くしたら、若者の暴走事故、どれも助かった!と心から喜べないのだなと改めて感じた。 ましてや重症で生死をさまよい、体の一部や機能、...

交通事故のたった一人の生存者となった17歳の千春。 日々事故のニュースはあるけど、例えば加害者のみ助かったら、子どもを亡くして親だけ助かったら、恋人を亡くしたら、若者の暴走事故、どれも助かった!と心から喜べないのだなと改めて感じた。 ましてや重症で生死をさまよい、体の一部や機能、記憶を失くしたり様々な辛さがあるだろう。 元には戻れない。 17歳の千春の葛藤がリアルで、辛かった。 そして周りの人たちの悪意も理解できてしまう。 最後、千春が新聞記事にどんなふうに語ったのかはわからないけど、少しでも前を向いて生きてほしい。 事故、気をつけねば。

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2020/07/08

楽しい話ではない、むしろ辛ささえ感じましたが、それでも読めて良かった。 性善説で過ごしたいものです。 静かながら芯の太い強さ・優しさを感じられる穂高明作品。いま一番楽しみに手に取れる作家さんの1人です。

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2018/07/07

「これからは、みんな一緒にお祝いするんだねえ」(八重子) 最後のケーキ屋さんの話で前半のそれぞれのモヤモヤがスッキリした。

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2017/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

バス事故で生き残った女子高生・千春とその周囲の人たちの視点から描かれる連作小説。 唯一の生存者に対して清廉な生き方を求めてしまう周囲の身勝手さは今までもずっと繰り返されてきたし、これからもずっと繰り返されていくのだろうと思う。 弟、教師、叔母、新聞記者などの視点で描かれていくけど、一番最後の章が町のケーキ屋の主人なのが素晴らしい構成だった。バースデーケーキは幸せの象徴だし、家族や近しい人物でなくてもずっと見守ってくれていた人がいるということを感じられてとてもよかった。

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2017/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校の部活動での自動車事故で たった一人だけ生きのびた千春や遺族たちの苦悩。 千春はすっかり学校も休みがちになり、裏掲示板では冷たい容赦ない書き込み、 周囲の人たちの無責任な前向きな言葉。 娘を亡くした母親の喪失感、ときどき耳に入る生存者千春の行動と嫉妬と混乱。 大きな悲しみはある日を堺に突然解放されるわけもなく 長い時間をかけて少しずつ受け入れていくまで。 誰にだって、黒い醜い思いはあって それを表に出すか自分の中でうまく折り合いをつけていくかの違い、、、

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2015/11/19

バスの事故で、顧問の教師と仲間達を失い、一人生き残った千春。 彼女と彼女を巡る人たちの、連作短編集。 興味深く、夢中で読みました。 多感な年頃の子にとっては、とても辛い経験だっただろうと、親世代として、胸が苦しくなりました。 彼女をみつめる目が、『細々した悪意』に満ちている事実...

バスの事故で、顧問の教師と仲間達を失い、一人生き残った千春。 彼女と彼女を巡る人たちの、連作短編集。 興味深く、夢中で読みました。 多感な年頃の子にとっては、とても辛い経験だっただろうと、親世代として、胸が苦しくなりました。 彼女をみつめる目が、『細々した悪意』に満ちている事実が、妙にリアルな気がしました。 時間の経過とともに、同級生久住くんの話などから、立ち直り、前を向き始めた千春を、強くあれと応援したい気持ちでいっぱいです。 久江叔母さんの小さな悪意、 これが一番応えたのではないかと、正直かなり心配してます。 叔母さんの心理を理解することは、千春には出来ないのでは?と思うのですが。

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2015/08/09

穂高明さん「これからの誕生日」読了。演劇部の突然の事故で、生き残った生徒と家族の悩み、希望を綴った物語。読む前は楽しい話かと思ってたら全然違う内容でした。生と死の考え方も、これまでの考えと違ってて、ハッとさせられました。千春、拓真の関係、周りを取り巻く人々の想いが素晴らしく、やっ...

穂高明さん「これからの誕生日」読了。演劇部の突然の事故で、生き残った生徒と家族の悩み、希望を綴った物語。読む前は楽しい話かと思ってたら全然違う内容でした。生と死の考え方も、これまでの考えと違ってて、ハッとさせられました。千春、拓真の関係、周りを取り巻く人々の想いが素晴らしく、やっぱり優しい穂高さんの作品だなと感じました。物語のラストは感涙もの。是非、たくさんの人に読んでもらいたい作品♪

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2015/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読メでどなたかの感想を読んで興味を持ったので図書館へ。 コレは中々心をえぐってくる良い本。 バスの転落事故でたった一人生き残ってしまった少女と、彼女を取り巻く人々のそれぞれの心の葛藤。 登場人物たちの気持ちがわかるしわからない。 ここまでの原因はないにせよ、人間みんなこういう気持ちになることは多々あるよね。 「なんで自分だけが」「なんであいつだけが」「自分の気持ちは他人には分からない」 みたいなことを考えるのは日常的にあるよね。 物語としてはハッピーエンドな感じで終っているが、実際はそう簡単ではないな。

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2015/01/22

千春はバス事故で友人や教師を失い、一人生き残った罪悪感に打ちのめされる。そんな千春を取り巻く弟、伯母、担任教師、亡くなった友人の母親、新聞記者、ケーキ店店主という6人の視点で、人間が新たな一歩を踏み出してゆくまでの道のりを丹念に見つめる。明日を生きるための強さを優しく描きだした連...

千春はバス事故で友人や教師を失い、一人生き残った罪悪感に打ちのめされる。そんな千春を取り巻く弟、伯母、担任教師、亡くなった友人の母親、新聞記者、ケーキ店店主という6人の視点で、人間が新たな一歩を踏み出してゆくまでの道のりを丹念に見つめる。明日を生きるための強さを優しく描きだした連作短編集。 -------------- タイトル借りした1冊。 これがなかなか良かった。事故で一人生き残った女生徒は被害者のようだが、 まわりは単純にかわいそうがっているわけではない。 「かわいそう」という感情だけでないところが 現実身があり、生き残ったからこそ言われる噂や悪口がリアルで、それがそれぞれの立場から連作になっており、面白かった。

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2014/10/18

部活動の顧問の先生、仲間と車で移動中に事故に合い自分だけ助かってしまった千春と、事故に関係する人々の物語。 人の善と悪、両方描かれているから善の優しさが読んでて余計に染みてくる。 自分に対して善で接してくれる人は必ずいる。そのことに気づき、その人を大切にしたいなと思った。

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