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これからの誕生日 の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2014/05/15

書帯のキョンキョンに惹かれて・・の初読み著者…納得の著書。時の流れだけではなく、きっかけとなる誰かの後押しも絶対に必要なんだろうけど、結局は自分で見つける"真実の答え"。"生還者の罪悪感"に気づく者・気づかぬ者、誰もがもつ"細かい...

書帯のキョンキョンに惹かれて・・の初読み著者…納得の著書。時の流れだけではなく、きっかけとなる誰かの後押しも絶対に必要なんだろうけど、結局は自分で見つける"真実の答え"。"生還者の罪悪感"に気づく者・気づかぬ者、誰もがもつ"細かい悪意と妬み"…身につまされる。吹っ切れた明るさの終章で良かった♪。

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2014/05/01
  • ネタバレ

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交通事故。一人生き残ってしまった千春を皮切りに 千春の一番身近な家族、同じ事故で反対に娘を失ってしまった母親。 その事故を丁寧に追っていく新聞記者。 千春の伯母。 千春と、亡くなった生徒双方の受け持ちの先生。 千春が生まれた時からバースデーケーキを作り届けてきたお菓子屋さんの主人(「ケーキ屋のオヤジ」とルビを振りたい)。 事故を軸に、時間軸に添って、立場の違う人の思いが書き表されていく。 冒頭から中盤は事故の当事者の苦しみや周りの人の妬み嫉みの描写で苦しく悲しい場面が続くのだけど、 ラストの本当に数ページでパーッと明るくなる。救われる。 いい話だった。 単行本が出て間もなくから、ずっと心の中で積読状態でした。もっと早く読めばよかった。

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2014/03/17

とある事故から生還した少女を取り巻くお話。 いろいろな立場の人からの視点で描かれていて、 この立場だとこの考え、という風が読み取れた。

Posted byブクログ

2013/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

バス事故で唯一の生存者となった高校生の少女、遺族、ローカル紙の記者、担任教師等のそれぞれの立場で章毎に視点を変えながら綴られる物語。 不幸な出来事を前に上っ面だけの綺麗事で塗り固めるのではなく、個々の胸の内に宿る様々な思いや善意の押し売り、匿名の悪意や静かな暴力等をしっかりと描いています。 それぞれの複雑な思いが細い糸で絡まり、明るい光に向かって抜け出していく様がとても良かったです。 人は誰しも綺麗事だけでは生きて行けないけれど、もがき苦しんだ最後には前を向ける強さを持てる人でありたいと思う。 良い作品でした。

Posted byブクログ

2013/06/09

「月のうた」がよかったので読んでみた。 こちらはちょっと重かった。 事故で1人生き残った女子高校生と、家族。 遺族や周りの人々の話。

Posted byブクログ

2013/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お気に入り書評家・藤田さんの2011年12月某日のお薦めから、 思い出したように借りたのが2月13日。 折りしもワイドショーではグアムで起きた無差別殺傷事件を報道中。 このタイミングでこの作品を選んだのも、なにかの縁かと。 久々に秀作に出逢ったと唸るばかり。 この方の作品はじめて読んだんだけど、すごいな。 感想を自分の中に落とし込むまでややしばらく時間がかかってしまった。 1つの悲劇をきっかけに、きれいごとではない本心がむくむくと頭をもたげ、きれいごとではないリアルな感情が湧き上がり、葛藤が芽生え、 それでも、誰かの言葉や行動をきっかけに乗り越える機会をもらったり。 結局は人に支えられ、助けられ、生かされ、前に進む。 なるほど。それを「絆」系と表現するのも、わからないではない。 先の殺傷事件もそうだし、つい先日起こってしまった、日本人も巻き込まれたテロもそうだし、悲劇は予告なしに、突然起こるもので、 当事者の気持ちなど、報道されたものを観ているだけのこちら側の人間などには到底理解できるものではない。 だからこそ、報道等でこちらが望む望まないに関わらず、継続的にあれこれと情報を与えられる「こちら側」の中から、当事者の状況も心境もなにも知らないのに、勝手なことを言う世界観(作品の中では例えばネットだったり、噂話だったり)がやけにリアルに感じた。 とふと、だとすれば、もしかしたら世の中には案外、本当の痛みを知る人間なんて、実は案外少ないのかもしれない、と悲観的になってみたりする。 もし本当に、私たちが痛みを知る世代なら、これほど裏で人のことについてあれこれいうスレッドが立ったり、ましてや賑わったりしないだろう。 所詮私たちのしていることは「冷やかし」以外の、なにものでもないのだ。 私たち世代は、本当にいろんな意味で時期が悪くて、比較的苦労が多いし、人の痛みには敏感だと自負していたけど、実はそうでもないのかも、とちょっと思い知らされたり。 話が前後するが一方で、本当の痛みを知るものは、敢えてそれを胸の奥に秘め、それを大切に生きていくものなのだろう。相手が理解するようには伝えないから、誤解が生まれたり、全く違った風に捉えられたり。でも同じ痛みを持ってるからこそ、相手が今まさに心身ともに瀕死の状態のときに、ここぞとばかりに助けることができるのは、痛みを追った相手も、わが身をもって相手を助けようとするからなのかもしれない。 千春と久住の件に救われたのは、私だけかな。 あと、小泉先生の件にも、彼が成長できるきっかけが与えられて救われた感があった。 このまま痛みの分からない教師になってしまう方向へ進んだって、おかしくないところだったのだから。 個人的には叔母の件も妙に現実的で、 実はここがいちばん印象に残っていたりする。 どうしても女性としての生き方が絡んでくる件には弱い。 これまたリアルすぎる。 それでもラストに、タイトルでもある誕生日を皆でお祝いするところまでそれぞれが時を経て成長する。 悲しみを乗り越えて、と言う意味では、一筋の光をきちんと見出して結んでいて読了後の後味もいい。うまいな、と思う。 形は違うけど、年末に観た映画「その夜の侍」をふと思い出した。 悲しみの乗り越え方は、その人それぞれ。 かかる時間も違う。方法も違う。でも乗り越えることが大切なのだ。

Posted byブクログ

2013/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 演劇部が乗っていたバスが交通事故に逢う。生き残ったのは主人公の女の子だけ。  他の子のお葬式にも出られず、学校にも行ったり行かなかったりになる。  まわりは「助かってよかったね」「他の子の分まで生きないとね」と言うけれど、 それが苦しい。助からなくてもよかった。助からない方がよかった。そんなふうに思う。  そんな本音を誰も知らず、口に出されてはじめて気がつき、弟はショックを受ける。何もわかっていなかったのだと。弟はそんな姉をよく支えていて、リアルに描かれている。  事故から半年後の職員室での会話が痛い。「もう半年も経つんだから乗り越えてもらわないとな」みたいな。  「もう半年も」。  本人の半年と第三者の半年は同じものではないのだ。  叔母の心理も興味深い。主人公とのやりとりはぞわりとするところもあった。  バースデーケーキでの仲直りのくだりがよかった。  地味にすごい一冊だった。

Posted byブクログ

2013/01/01

人は、ドロドロしている部分を必ず持っているということを思い出させてくれた。 今、読みたい本ではなかったかな~。

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2012/11/11

少女の繊細さが痛々しい。 図太い精神をもっている人間や大人との対比がはっきりとしていて個人的にとても好きなお話だった。

Posted byブクログ

2012/08/25

交通事故で一人生き残った女子高生と彼女の周囲の各々の想いで綴られた6つの連作短編。事故で子供を亡くした親や同級生の妬みや中傷とか負の感情がリアルだった。生き残った少女と伯母の心情がなんともやるせない。生きる希望が見えるラストに救われる。

Posted byブクログ