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これからの誕生日 の商品レビュー

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30件のお客様レビュー

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2012/03/23

遺族とその周りの人のお話。 想像しにくいけど、遺族と生き残った人と、地震でもこんな体験している人はたくさんいると思う。時間が解決とはいうけど、しこりはずっと残るものだと思う。

Posted byブクログ

2012/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私立高校演劇部の合宿に向かう途中、顧問教諭の運転するワゴン車と 東京の私立高バレー部員を乗せたバスが正面衝突事故を起こした。 その事故でたったひとり助かった高校2年の橋本千春。 しかし、千春はひとりだけ助かったことに罪を感じていて、 部屋に引きこもり、学校に通えなくなっている。 それを軸に、千春本人・千春の弟と両親・叔母・同じ事故で亡くなった友人の母親・ クラスメイト・担任・地元新聞の記者が、それぞれの視点で語っている。 突然の事故によってもたらせた不幸に傷つき、 それでも生きていかなければならない人たちが、 自分と向き合い、生きていくことの意味を見出していくお話。 生き残った千春の心に入ってくる数々の出来事・・・それは善意もあれば、悪意もある。 人間は決して良い心ばかりで生きているわけではない。 性善説or性悪説、私にはどちらが正しいのかわからない。 この世に生まれてきた日が誕生日。 何かを見つけ、また生きていこうと踏み出した日も誕生日。 新しい誕生日を持つことは、辛いことを乗り越えることになる・・・ 私は生まれてきた日以外の誕生日を持っていないと思う。 幸か不幸かと考えたら・・・人間としては未熟だけど、幸せなことだ思う。 その幸せを当たり前と思わず、感謝して生きなくては・・・・

Posted byブクログ

2011/12/13

一つの事故にかかわる人達のそれぞれの目線からの物語。 こういう話を読むと、人と人とのつながりって…。てなことを思います。 それぞれにそれぞれな想いがあって絡みあっていく感じが良い感じで読めました。

Posted byブクログ

2011/11/24

心傷ついた千春を取り巻く人々の姿がリアルに描かれる。ハッピーエンドで終わらせるだけでは無く、本来、人間が持ち合わせる妬み痛みが書かれストーリーに真実味を持たせる。第4章「にんじん」が秀逸。

Posted byブクログ

2011/10/19

演劇部の合宿の道中で交通事故に遭い、たった一人生き残ってしまったことに罪を感じ、学校に行けずにひきこもるようになる千春…。悲しみ、罪の意識はこれからも一生消えない。でもその気持ちをを抱えながらも、生き残った者として、精一杯前向きに生きていくことが大切。この本に出会えてよかったと久...

演劇部の合宿の道中で交通事故に遭い、たった一人生き残ってしまったことに罪を感じ、学校に行けずにひきこもるようになる千春…。悲しみ、罪の意識はこれからも一生消えない。でもその気持ちをを抱えながらも、生き残った者として、精一杯前向きに生きていくことが大切。この本に出会えてよかったと久しぶりに思えた1冊です。

Posted byブクログ

2011/10/16

主人公は裕福な家庭に生まれ、何不自由なく育った高校二年生の女の子。彼女は、演劇部の合宿に向かうワゴン車が事故に遭い、一人だけ生き残こる。 一気に読み終えたあと、この本に出会えて本当に良かったと思った。 人間の心の機微について、改めて考えさせられる作品でした。特に、ピアノ講師で...

主人公は裕福な家庭に生まれ、何不自由なく育った高校二年生の女の子。彼女は、演劇部の合宿に向かうワゴン車が事故に遭い、一人だけ生き残こる。 一気に読み終えたあと、この本に出会えて本当に良かったと思った。 人間の心の機微について、改めて考えさせられる作品でした。特に、ピアノ講師である主人公の伯母の心情は、察するに余り有る。。。

Posted byブクログ

2011/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「どうして生き残ってしまったの」 バス事故で、ひとり生き残った少女・千春。深い心の痛み・葛藤を抱えて生きる日々の先に見えるものは―――。 「月のうた」の著者ということで、今後注目したい期待の作家。 今作は千春を取り巻く人々の目線を通してストーリーが進んでいく。そのせいもあるのか、主人公である千春の心の動きがダイレクトに伝わってこず、ラストでは「あれ、いつのまに?」と感じてしまう。個人的な勝手な予想では、千春の記事がラストになるのだと思っていたので意外な終わり方。小泉が千春をどう記事にしたのか、読んでみたかった。

Posted byブクログ

2011/07/29

なかなか真面目な書き手だなというのが読後の印象。 著者になじみのある東北の地方都市(仙台市と思われる)を舞台に、多くの人が亡くなる交通事故に遭遇し、ただ一人生き残ってしまった女子高生のトラウマが回復していくまでを、周囲の人々の視点から描く連作短編集。 傷ついた他の人間の心の中は...

なかなか真面目な書き手だなというのが読後の印象。 著者になじみのある東北の地方都市(仙台市と思われる)を舞台に、多くの人が亡くなる交通事故に遭遇し、ただ一人生き残ってしまった女子高生のトラウマが回復していくまでを、周囲の人々の視点から描く連作短編集。 傷ついた他の人間の心の中はなかなか理解できないものだが、自分自身が何かの拍子で同じように心の痛みを感じたとき、初めて共有できるようになるようだ。そして、他人にその傷を理解してもらえたと感じたとき、かたくなな心が溶けていく、、、 そんな人間の強さを感じ取れるヒューマンタッチな物語だ。ていねいな描写と、各編にひそませた仕掛けのゆるやかなつながりが最終章で花開く。

Posted byブクログ

2011/07/27

ワゴン車で移動中の演劇部員が事故に巻き込まれ、1人だけ生き残った少女のその後を彼女に関わる6人の視点で描いた再生の物語。前2作と共通する「再生」がどうやら著者のキーワードらしく、今作も前作に勝るとも劣らない傑作に仕上がっています。

Posted byブクログ

2011/07/06

「私にとって美香は宝物です。たとえ自分の前から消えてしまったとしても、宝物はずっといつまでも宝物のままなんです。美香が私の娘で私が美香の母親だということは、生き死にとは関係ありません。それを超えた永遠の繫がりですから」(本文より) 娘を亡くした母親が答えた新聞のインタビュー。こ...

「私にとって美香は宝物です。たとえ自分の前から消えてしまったとしても、宝物はずっといつまでも宝物のままなんです。美香が私の娘で私が美香の母親だということは、生き死にとは関係ありません。それを超えた永遠の繫がりですから」(本文より) 娘を亡くした母親が答えた新聞のインタビュー。これを読んで思わず嗚咽してしまいました。 仙台出身の穂高さんが書かれた、生き残った人の罪悪感の物語。本屋で「どうして私だけ生き残ってしまったの」という帯を目にしたとき、読む覚悟というか、思わず背筋が伸びました。 あるブログを読んで、穂高さんは仙台の東側沿岸部のご出身で、津波でご親戚や友人を亡くされたと知ったので。 震災前に雑誌で連載していた物語らいしけど、 震災後の今この時期の出版は、なにかのめぐりあわせだと思う。 穂高さんがどれほどおつらい気持ちだったのか、それを思うと、 こうして新作を読ませていただくのがありがたい。 途中で人の嫌な部分もたくさん出てきます。 でもそれが今回の震災後の状況にあてはまるようなこともたくさんあって、胸がちくりとしながら涙。 そしてラストは穂高さんらしい、救いのある終わりかた。 やさしくてあたたかい涙に、顔中ぐしょぐしょになりました。 化学やオペラ、文学など、いつものように教養あふれる内容だけど、それが難しくない、それでいて深い、物語。 読めて良かった。本当に良かった。

Posted byブクログ