そこへ行くな の商品レビュー
不安から猜疑心へと変わる様子が、読んでいてキリキリしてくる。誰もがそこへ行ってはいけないと知りつつ、真実が知りたいから、自分が納得したいから傷つく結果が見えていても、もしかしたら?と僅かな望みを込めて行く、そんな短編。暗く重たい内容が多かったですが、良い作品だと思いました。
Posted by
図書館にて。 相変わらずどの作品もひりひりと痛い。 一刻も早く世界から立ち去りたい世界ばかりなのに、でもすぐ隣にありそうでぞっとする。 作品名ではない「そこへ行くな」という題名。だれしもそこへなど行きたくないだろう。でも気が付くと飲みこまれているような世界。この人にしか書けないと...
図書館にて。 相変わらずどの作品もひりひりと痛い。 一刻も早く世界から立ち去りたい世界ばかりなのに、でもすぐ隣にありそうでぞっとする。 作品名ではない「そこへ行くな」という題名。だれしもそこへなど行きたくないだろう。でも気が付くと飲みこまれているような世界。この人にしか書けないと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読後もやもやする短編集。 「遊園地」二つの家庭をかけもちする最低男。パラレルワールド? 「ベルモンドハイツ401」数十年ぶりに会った同級生たち。やっちゃだめだよやっぱり。 「サークル」ヨリくん追っかけ三人組。もうヨリくん気持ち悪い。何であんなのの追っかけをって三人ともあとで思うだろうなあ。
Posted by
行くつもりではなかった場所をテーマにした短編集。どの短編も続きが知りたくなる場面で終わる。そこが魅力なのだろうが、ミステリーを読み続けている頭にはちょっと物足りなく感じてしまった。引っ越した団地で起こる怪事件、次々と野球チームのメンバーの前に現れる球場の事務員、そしてやるせないイ...
行くつもりではなかった場所をテーマにした短編集。どの短編も続きが知りたくなる場面で終わる。そこが魅力なのだろうが、ミステリーを読み続けている頭にはちょっと物足りなく感じてしまった。引っ越した団地で起こる怪事件、次々と野球チームのメンバーの前に現れる球場の事務員、そしてやるせないイジメの結果。結果を想像させる伏線もあったが、結末は必ず読者にゆだねられる。
Posted by
こういう破格な構成をストーリーとして成り立たせてしまうのは、見事としかいいようがない。しかし逆にスタイルが確立され、完成度が高すぎて、「いつもの荒野節」という感もなくもない。そういう意味での冒険が欲しい気もする。
Posted by
「そこへ行くな」は立ち入ってはいけない領域のことだけど、人はそこに引き寄せられてしまう。暗い話がほとんどの短編集なのに最後の「病院」で読後感がすっきりしました。
Posted by
角田光代が好きな人におススメ。タイトルの「そこ」というのは、覗いてはいけない、覗きたくない心の場所であったりする・・・。最後の短編「病院」は秀逸。母親の死と同級生のいじめ、という二つの「最も見たくないこと」を見る(見せられる)ことが、じつは主人公の成長へとつながっていく。
Posted by
短編。 『野球場』『病院』が好み。 自分だけの胸にしまっていることってあるだろうけれど、意外とたいしたことでもなくってこともあるよなぁ。 他人に言うべきことではナイという事柄もあると思うけど。
Posted by
何となく時代に流されるように生きてきたけれど、流されたままでいると、思ってはいないところへ行ってしまうことになる… 「そこへ行くな」とわかってはいても、行ってしまいがちな私たちですね(苦笑)
Posted by
行くつもりも、行きたくもなかった場所。 ありふれた情景の隅に動く黒い影。 日常的な場所をタイトルとした、ザラリとした心象風景を切り取ったような短編集の中で 最後の一篇「病院」だけが、きちんと完結されていたので全体が落ち着いた。 【図書館・初読・7/26読了】
Posted by