誰にも書ける一冊の本 の商品レビュー
何故、「誰にも書ける一冊の本」という題名だろうと思うが、じわじわ良かったな。 昔売れたが今はうだつの上がらない、作家と、その父の話。介護の末亡くなるが、遺品の中から父の書いた小説が見つかり、息子がそれを編集し世に出す話。 世間ではどのくらい多くのこの年代の父子が良い関係を築けてい...
何故、「誰にも書ける一冊の本」という題名だろうと思うが、じわじわ良かったな。 昔売れたが今はうだつの上がらない、作家と、その父の話。介護の末亡くなるが、遺品の中から父の書いた小説が見つかり、息子がそれを編集し世に出す話。 世間ではどのくらい多くのこの年代の父子が良い関係を築けているだろうか、父の書いた小説を通して伝わる親子愛。じーんと良かった。 小説を書くためのマニュアル本では無い。
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「誰にも書ける一冊の本」荻原浩◆父危篤の知らせを受けて帰省した主人公に渡されたのは、父が書いていたらしい自伝的小説の原稿。そこには彼の知らない父がいた。荻原浩らしいとぼけた温かさがお話によく合っていました。小説を書くのって本当に難しくてことなのだろうと思う。読めることに感謝感謝。
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「死様」というテーマ競作小説もこれで全部読んだことになる。本書は、意識のないままに死の床についている父が書いた自伝的小説の原稿を読む元小説家の話。その原稿の中に、父の意外な側面を発見し、自分と似通っていることに気付くことを通じて、改めて父子のつながりを実感するという内容。その父の...
「死様」というテーマ競作小説もこれで全部読んだことになる。本書は、意識のないままに死の床についている父が書いた自伝的小説の原稿を読む元小説家の話。その原稿の中に、父の意外な側面を発見し、自分と似通っていることに気付くことを通じて、改めて父子のつながりを実感するという内容。その父の清廉な生き方に「死様」の潔さを感じさせる。
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父の臨終に際し、父が残した未完の文章を読むことになった息子。父の原稿を自費出版してみようかと思った息子だったが、残された原稿が家族にあてた私信であることに気づく。原稿を読み、父の青春時代に接した息子は・・・ 父の死を通じ、淡々と父の人生を思い描く息子。切なくてやるせない気持ちにな...
父の臨終に際し、父が残した未完の文章を読むことになった息子。父の原稿を自費出版してみようかと思った息子だったが、残された原稿が家族にあてた私信であることに気づく。原稿を読み、父の青春時代に接した息子は・・・ 父の死を通じ、淡々と父の人生を思い描く息子。切なくてやるせない気持ちになる作品。
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★★★☆☆ 何のためだろうと人生 【内容】 2冊の小説を出版している主人公。そんな彼の父が危篤となった。母親から「父親が書いた」という自伝を渡された。 【感想】 父親の本の内容と、それを読んでいる息子の感想が交互に書かれている。 自分の描いた人生とは違う人生でも、家族を守る為...
★★★☆☆ 何のためだろうと人生 【内容】 2冊の小説を出版している主人公。そんな彼の父が危篤となった。母親から「父親が書いた」という自伝を渡された。 【感想】 父親の本の内容と、それを読んでいる息子の感想が交互に書かれている。 自分の描いた人生とは違う人生でも、家族を守る為に頑張った父親。一方で、 自分の描いた人生を送る為に、家族を犠牲にした息子。 どちらが正しくて、どちらが誤っているかということではなく、それが自分の人生なのだ。 【引用】 ・親とは常に子へ、見返りのない片思いをするものだ。 ・行動のともなわない夢は、夢想でしかない。 ・激流の中で船を漕いでいる人間には、激流の先の滝が見えないものだ。 ・人生は、何をしたかではない。何をなそうとしたかだ。 ・世の中には二種類の人間がいる。 尻尾を振ってでも、生活や家庭を守ろうとする人間。 尻尾を振らずに、目に見えないものを守ろうとする人間。 ・人は人生を一炊の夢にたとえるが、私には、ひとひらの雪に感じられる。てのひらの雪は、たちまちのうちに溶け、ひと滴の露となる。指間から消すまいと、拳を握り続けるうちが人生だ。
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主人公であるわたしが、亡くなったわたしの父の創作文章を辿りながら、自分の人生を振り返る。 亡くなった人って偉大に感じるものなのか、それとも亡くなってからその偉大さにきづくのか。
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タイトルが気になって借りました。 こういう話だとは思っていなかったけれど、ぐいぐい引き込まれて、あっという間に読んでしまった。
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荻原浩の作品としてはいまいち。 「死様」をテーマに6人の作家が競作していて、それに沿って書かれたもの。 父親の、これまでの生き方が父の書いた一冊のノートによって知らされる。 死にゆく父への思い。 昨年末に父を亡くした私には感銘するところの大きい一冊ではあった。
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はじめは「長く短い物語」の部分が退屈で目が滑っていたが、流石は荻原浩、いつのまにか引き込まれていた。 薄い、字が大きい、紙が厚い。 本来なら短編集の内の一編の分量だが、競作であるし、このタイトルなら一冊の本であらねばなるまい。
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#読了。父の危篤の知らせを受け病院に向かうと、母から原稿用紙を渡される。広告会社の傍ら小説を書いている主人公は、父の自伝?を読み始める。父と子の微妙な距離感がさすが。元は競作の作品ということで、短かったのが残念。
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