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誰にも書ける一冊の本 の商品レビュー

3.3

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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2011/11/07

映画「ビッグ・フィッシュ」をすこし髣髴とさせるような。死にゆく父の知らなかった姿と過去の真実を、見送るときに知る、という、いつかだれにでも共感できる時がくるテーマ。でもものすごくよくできているとおもう。万感の拍手を送りたい面白さでした。面白さ、というか“ああ、いい作品にであえた、...

映画「ビッグ・フィッシュ」をすこし髣髴とさせるような。死にゆく父の知らなかった姿と過去の真実を、見送るときに知る、という、いつかだれにでも共感できる時がくるテーマ。でもものすごくよくできているとおもう。万感の拍手を送りたい面白さでした。面白さ、というか“ああ、いい作品にであえた、読んでよかった”感。これはいつか映画化とかされるんじゃないかなぁ。ときに疎ましくも強く自分の幹を流れる家族という絆。男のひとのほうが、よけいに響くんじゃないかな。父と子、父と娘という関係がとくに出ていると思うから。荻原作品のなかでもこれはかなり上位にくるなぁ。。オススメです。みんなに勧めたい、いつか息子たちも、結婚して子どもを持つ父親になったくらいの頃に、読んでみて、といいたい。

Posted byブクログ

2011/10/23

亡くなった父親の残した文章とそれを読む息子の感想が交互に書かれていて、これまた変わった書き方だなぁと思いつつ読み始めましたが、とてもいい1冊でした。

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2011/10/16

とっても自虐的な主人公。 普通の人が書いたっぽい文章で読ませようとするのは、 さすがベテランと思った。

Posted byブクログ

2011/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

語り手はまだ売れない小説家。父親が残した“小説”を息子&小説家の目線で読み進む過程で、父の人生、自分のこれからを静かに見つめ始める彼の思いに、私もあれこれ考えさせられた。 荻原浩さんは、私にとっては凸凹の大きい作家さんで、一応デビュー作から“出れば読む”といった追いかけ方はしているのですけど、御自身の会社勤めの実体験からか、分からんチンというか迷惑キャラの描写があまりにエグく、途中でリタイアしてしまった小説もいくつか・・・。 これまでで一番好きは作品はダントツで「愛しの座敷わらし」。 その他「あの日にドライブ」「四度目の氷河期」「ママの狙撃銃」辺りが好きなものかなぁ。(*^_^*) で、この「誰にも・・」は、死様を競作テーマとして与えられた、ということからなのでしょうが、 これまでのものとはかなり肌合いが違っていて、そんな荻原色の薄さが逆に、そっか、荻原さんはもしかしてこういうものを書きたいと思われていたのでは・・と感じされられたのが面白かったです。 主人公は、「明日の記憶」でメジャーになる前の荻原さんを思わせる売れ始める前の小説家。父危篤の報に田舎に帰り、母から手渡された父の“小説”を父の枕元や死後に読み進める、という進行なのだけれど、読みながら変化していく息子の気持ちが興深く描かれていて、とても静かな気持ちながら私も面白く読めました。 人は誰でも生涯に一冊の本を書ける、とはよく言われていることで、だからこそ定年後の男性(なんでだろ、男の人のイメージが強い。女性だって書いているはずなのだけど)が、自分史なるものを自費出版し、その内容は、戦争の苦労話を導入として、若かった日々のヤンチャ自慢、企業戦士としてのやはり自慢、最後に糟糠の妻への御礼の言葉をほんのちょっぴり(あるいは過大に!)と、つい揶揄してしまいたくなる、はなはだ意地悪なイメージを持ってしまっている私です。 作中のお父さんは、主人公ととりわけ仲がいいわけでも悪いわけでもない、という、日本の普通の父息子関係にある=あまりお互いに突っ込んだ話をしたことがない、という設定で、変わっているのは、息子が小説家デビューした、ということくらい。彼はそんな息子が自慢であると同時に、対抗心も燃やしていたらしく、だから自分も・・と書き始めたのでは、とこれは息子の思ったことだけど。 息子は、そんな父の文章を、始めは恥ずかしく思いながらも読み始めるのですが、(そりゃそうだよね、私だって身うちの生々しい文章は読みたくない気がします。)段々に、これまで父が語らなかった姿を知り、プロの小説家としての無意識の添削も加えながら引き込まれていく様子が、うん、とてもいい感じに書かれていたと思います。 そしてそのことが自分のことを深く考えることにまでつながり、彼の小説家としての姿勢をも変えてしまうような道筋まで示されているんですものね。 荻原さん自身は埼玉県出身で、この小説の主人公は北海道(その土地柄によるエピソードも多かった)と、あくまでもこれは私ではないですよ、全くのフィクションなんですよ、というメッセージとも思えますが、読者としては荻原さんに重ねて読みたくなるのは許されるかな、と。 薄い上に活字の大きい本で、その意味では手にとった時ちょっとがっかりしたのだけど、これがこんなに読み応えのある一冊だったとは、という嬉しいサプライズでもありました。

Posted byブクログ

2011/10/14

2011年10月14日、読了。 何かどんでん返しの結末があるわけでもない。 しかし、惹き付けられる何かがある。若干の軽蔑をもって接してきた父親の自伝を、父親が危篤になってから読み始め、そこで主人公は父親がどのような人生を歩んできたか、知ることになる。 死ぬ直前になって、父親...

2011年10月14日、読了。 何かどんでん返しの結末があるわけでもない。 しかし、惹き付けられる何かがある。若干の軽蔑をもって接してきた父親の自伝を、父親が危篤になってから読み始め、そこで主人公は父親がどのような人生を歩んできたか、知ることになる。 死ぬ直前になって、父親が体験した苦悩や噛み締めてきた感情、隠してきた事実を知る事になる。そこにねちっこい悲壮感は無い。爽やかな、父親とこんな事を話しておけば良かったという感情。 ラストの葬式の描写は素晴らしい。 人との巡り合わせを大事にしつつ、もっと両親と色々話してみようと思った。 何を言われようが私は自分の心の声に従ったのみ。 人生は、何をなしたかではない。何をなそうとしたかだ。 星五つ!

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2012/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【誰にも書ける一冊の本】 荻原浩さん 入院している父はここ数年、悪化と多少の持ち直しを 繰り返していた。 母から危篤の知らせが届いた時、信じられない思いと 信じたくない思いをないまぜになった。 病院で見る父は生体モニターに縛られていた。 もう意識は戻らないらしい。 父が生きているコトを知らせてくれるのは生体 モニターに映し出される数字だけだ。 母から数年前から父が書いていたという原稿を 見せられて驚いた。 昔気質の仕事第一の父がモノを書いていた姿は 殆ど見たことがないからだ。 そういうコトをしない人だとも思っていた。 広告業の傍らに小説を書いていた自分に、父は 意見が聞きたかったんじゃないだろうかと母は 言っていた。 父の書いていた原稿は自伝だった。 死を意識した父が最後に書き残したモノは事実だったのか 創作だったのか・・・ ☆ 「死に様」がテーマに書かれた本。 「愛しの座敷わらし」以来の荻原さん。 前作は面白かったけど、この本はイマイチ作者の 意図が読みきれませんでした。 コレと言った特別な感想もなかったなぁ。。 残念。。  

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2011/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

テーマ「死様」にしては? 親の気持ちは親に成ったときにしかわからず、もっと深い部分は語り合えなければ分からないのであろう。 父親が書いた寂しくて切ない気持ちは分かるような気がする。

Posted byブクログ

2011/09/24

荻原さんの新刊ってことだけで図書館予約だったので、手渡された瞬間に「薄っ!」「字、でかっ!」…、エッセイなのかと思った。誰にも書けるって、そういう(薄っぺらい)こと?ウケ狙いか?帯もなかったので、読了後こちらの感想を見てテーマ競作小説「死様」だと知る。知ってもなお納得はできない。

Posted byブクログ

2011/09/22

父が書き遺したものは、事実か創作か。「何を言われようが、私は自分の心の声に従った」―代表作『明日の記憶』で記憶の死に挑んだ著者が、平凡に思えた男の人生を、その死を通して描く。子は親の背中を見て育つと言うが、言葉でしか伝えられないことは多い。

Posted byブクログ

2011/09/21

親との年齢差が34歳くらい・・ という発言を考えさせられてしまった。 いずれは死んでいく事を遠い未来だと考えているけれど きっとすぐにやってくるものだと思い知らされてしまった。 実感は無いけど、きっとすぐに。

Posted byブクログ