天頂より少し下って の商品レビュー
エイコちゃんのしっぽ、面白くて好きだなぁ。こういうのいいと思う。 壁を登る も、へぇと。こんな女の人がいるんだ、面白いな。ほんとにいそうだ。 夜のドライブは、切なかったなぁ。泣いてしまったよ。 でも川上さんの本領は、天頂より少し下って かな。この女のひとの感覚と共感してしまうし、...
エイコちゃんのしっぽ、面白くて好きだなぁ。こういうのいいと思う。 壁を登る も、へぇと。こんな女の人がいるんだ、面白いな。ほんとにいそうだ。 夜のドライブは、切なかったなぁ。泣いてしまったよ。 でも川上さんの本領は、天頂より少し下って かな。この女のひとの感覚と共感してしまうし、人生って刹那の積み重ねの部分があるから。面白かったなぁ。
Posted by
7つの短編集で1冊もサクッと読めるくらいとても短いのだけど、年末年始でダラダラ読了。 表紙はパウル・クレーの「人形劇場」という絵だそう。かわいい絵だけど、この本とのつながりがちょっとわからない。 「一実ちゃんのこと」 予備校で知り合ったクローンだという美人の一実ちゃん。牛を盗む...
7つの短編集で1冊もサクッと読めるくらいとても短いのだけど、年末年始でダラダラ読了。 表紙はパウル・クレーの「人形劇場」という絵だそう。かわいい絵だけど、この本とのつながりがちょっとわからない。 「一実ちゃんのこと」 予備校で知り合ったクローンだという美人の一実ちゃん。牛を盗む変な話。 「ユモレスク」 喫茶店の常連、イイダアユムを好きになった高校生のハナの話。そう書いてあったかわからないけど、吉祥寺の街だと思って読んでいた。彼女がいるイイダアユムに、キスをしようとして瓦全=玉砕。イイダアユムは格好よくタバコを吸うので、わたしも好きだなぁ・・・と思った。 「金と銀」 はとこの治樹さん11歳下の瑛子ちゃんのふんわりとした恋物語。治樹さんは絵を描いていて、結婚もして、離婚もする。親戚からは「ハル」と呼ばれている。絵に息詰まって失踪する。治樹さん、わたしも好きだなぁ・・・と読んでいた。 「エイコちゃんのしっぽ」 しっぽがあるというエイコちゃんの告白に驚かないまどかの変な友情のお話。まどかが派遣先の会社の長尾さんとデートするくだり、噛み合わなさがとてもリアルで面白かった。 「壁を登る」 自分の母親を綾子さんと呼ぶ主人公のまゆ。妙な人を連れてきて、自宅の四畳半に泊める綾子さんが連れてきた3人目が五朗。五朗がいい感じで、わたしも好きだなぁ・・・と思いながら読んだ。 「笑い顔と泣き顔が、ほんとはものすごく近いものだということを、そのときあたしは、はじめて知った。」という部分にとても共感しました。泣いていると笑いたくなったり、笑っていると泣きたくなったり、たまにするので。 「夜のドライブ」 一人暮らしのお母さんを誘って車で旅館に行くお話。お母さんが作ったお弁当を食べるひまがなかったり、夜ごはんお腹がいっぱいになりすぎたり、不意にお母さんと呼びかけたり、老いたお母さんを見て泣きたくなったり。中年の人なら、ものすごく共感する母子物語。 「天頂より少し下って」 主人公は川上さん?という感じの物語。 離婚してひとりで真幸を育てる45歳の真琴には、10歳以上年下の恋人、涼がいる。息子と恋人の間を、母親と女を行ったり来たりする感じ。ちょっと罪悪感。 涼が真琴を「あなた」と呼ぶのが、妙に緊張感があって、色っぽい。 現在の恋を過去形で考えるのが、切なかった。 最初の話以外は、全部面白かった。「一実ちゃん〜」もつまらなくはないけれど、よくわからなかった。
Posted by
読んでいて胸がきゅって締められることもあるけど、読みながら心が癒やされる短編集。 文体が柔らかいので物語の内容もスッと沁みこむように入ってくる。その感覚が心地よい。 本のタイトルどおり「天頂より少し下って」がいちばんよかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
*奇妙な味とユーモア、そしてやわらかな幸福感―川上マジックが冴えわたる、極上の恋愛小説全7篇* ゆるゆるふわふわと優しく、まったりと不思議な、大人の童話的な短編集。 中でも、「夜のドライブ」が微笑ましくて愛しくて哀しくて心に響く。夫を亡くしてひっそりと一人暮らしをする母。昔より優しく、かわいらしく、頬やまぶたが薄くて、くぐもった声を出すようになった母との夜のドライブ。お母さん。お母さん。私もいっしょに泣きそうな気持ちでそう呼んだ。
Posted by
川上弘美さん、相変わらずユニークです。 クローン技術で誕生した女の子の話、しっぽのある女の子の話、奇妙な詩を作る女の子の話等々、共感とかのめり込むとかの前に唖然、です。 私としては、母娘がドライブ旅行する話と題名にもある、天頂より少し下って、こういう話ならちょっとついていけるかな...
川上弘美さん、相変わらずユニークです。 クローン技術で誕生した女の子の話、しっぽのある女の子の話、奇妙な詩を作る女の子の話等々、共感とかのめり込むとかの前に唖然、です。 私としては、母娘がドライブ旅行する話と題名にもある、天頂より少し下って、こういう話ならちょっとついていけるかな。 共感や感情移入はおいといて・・・
Posted by
【読了メモ】(150104 10:00) 川上弘美『天頂より少し下って』/小学館/2011 May 28th/表紙はパウル・クレー「人形劇場」/治樹(ハルキ)さんが出てくる「金と銀」、「夜のドライブ」と表題作が好きだな。ああ、私、川上弘美さんの文章好きだな。と再認識。
Posted by
「一実ちゃんのこと」 一実ちゃんが突然、「私クローンだからと」言う、一実ちゃんの 父親がクローン研究に携わっていて、19年前、亡くなった母を 母株にして一実ちゃんは誕生した。 このお父さん、お母さんにベタ惚れだったためスペアとして 二実ちゃん、三実ちゃんと誕生させてしまう ...
「一実ちゃんのこと」 一実ちゃんが突然、「私クローンだからと」言う、一実ちゃんの 父親がクローン研究に携わっていて、19年前、亡くなった母を 母株にして一実ちゃんは誕生した。 このお父さん、お母さんにベタ惚れだったためスペアとして 二実ちゃん、三実ちゃんと誕生させてしまう クローンとして生まれてきた一実ちゃんの思いは 17歳のハナのがイイダアユムに抱く恋心を綴った「コモレスク」 エイコちゃんは、私短いしっぽがあるんだと言って 私にさわらせてくれた。「エイコちゃんのしっぽ」 「壁を登る」 母は時々、妙なものを連れてくる、最初はおばさんとその息子 次はおじさん、3番目にやってきた五郎の事を母に聞くと 「私の弟」と言う。みんな何日か滞在して出て行く 何とも不思議な母だ。 「金と銀」 親戚の春樹さんと最初に出会ったのは私がまだ幼い頃 泣き虫でのんびり屋さんの彼の事を不思議な人として見ていた 大学生になって偶然再会した時、春樹さんは絵描きさんに なっていた。 「夜のドライブ」 40歳の私はある日、母を誘って車で温泉に出かけた 寝ていると母が突然「ねぇ、夜のドライブに行きたいの」と 言い出した。母と娘の真夜中のドライブ・・ちょっと好きな 話でした。 「天頂より少し下って」 45歳の真琴は何人かの男と恋をしてきた 今付き合っている10歳年下の涼は柔らげな子 涼は真琴の事を猛々しいと言う どの話にも変な人がたくさん登場します 恋愛短編集なのですが、何とも不思議な世界観が広がっていました 共感というよりは別の世界を覗いたという感じです 気にもとめないようなことに、こだわる登場人物たちは 本当は強くて心優しいのかな。
Posted by
揺るぎなき揺らぎ…とでも表現したら良いのだろうか、「何も足さない何も引かない、ありのまま、そのまま、その単純の複雑なこと」ひと昔の前の高級ウヰスキーのキャッチコピーを思い出した。 川上さんの最近の小説に言えることはまさにこれではないか、グラスのなかに漂う芳醇な言葉のから香り立つ熟...
揺るぎなき揺らぎ…とでも表現したら良いのだろうか、「何も足さない何も引かない、ありのまま、そのまま、その単純の複雑なこと」ひと昔の前の高級ウヰスキーのキャッチコピーを思い出した。 川上さんの最近の小説に言えることはまさにこれではないか、グラスのなかに漂う芳醇な言葉のから香り立つ熟成の揺らぎ…この信頼のブランドは間違いなく至福の酔いへと誘ってくれる。 芳紀妙齢から姥桜(失礼じゃない意味の)までの女性たちの七つの物語、もちろん私は男でその深い気持ちまでは多分理解出来ていないのだろうが川上さんが描くとやはり女性は魅力いっぱいに輝きを放つのである
Posted by
短編集。帯に「恋愛小説」とかいてあったけど、 「恋する」というより、「愛する」という感じ。 「欲しい」よりは、「大切にしたい」。 「自分と一緒にいてほしい」より、「自分がいなくなっても元気で生きてほしい」。 そういう風に思える相手を、何もかもがすぐに変わってしまう時間の流れの中で...
短編集。帯に「恋愛小説」とかいてあったけど、 「恋する」というより、「愛する」という感じ。 「欲しい」よりは、「大切にしたい」。 「自分と一緒にいてほしい」より、「自分がいなくなっても元気で生きてほしい」。 そういう風に思える相手を、何もかもがすぐに変わってしまう時間の流れの中で、見つめ続けていることが愛で、だから幸せと悲しみが介在するのかな、と思う。
Posted by
もりあがりがない?短編集。少し苦手だな。 2014.7.15
Posted by