サムライブルーの料理人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
南極料理人の本もそうだったけど、限られた状況で料理を工夫する才は近い性格からくるのだろうか。語り口が似ている。 各国で食材の調達できる状況が多種多様で興味深く読んだ。 南アフリカは中国系の進出で意外と調味料があるとか、東南アジア圏は厳しいとか。
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サッカーが、好きですか、帯同シェフがいるとは、この本を読むまで知らなかった。 いろんな裏話が読めて楽しかった。あと、圧力鍋の話が、良かったです。
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サッカー日本代表の舞台裏が垣間見えて興味深い。料理そのものよりも食材調達についてがおもしろかった。イングランドだとさらに大所帯だそうで、多人数競技の遠征や大会はこれは、金がかかるなと変に感心した。
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2011/7/30読了。 サッカー日本代表という表に立って活躍する人の裏には、それ以上に沢山の人が働いているということを実感できる1冊。
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そうなのだ、ウキウキ楽しく旅行に行くわけではない。 おいしいものを見つければラッキー、珍しいものを食べてみたい、とか、はずれてもそれはそれで思い出、とか、楽しく巡る時間や気持ちの余裕があるわけじゃない。 環境のまるで違う土地へ行き、プレッシャーとストレスの中、勝たねばならない試...
そうなのだ、ウキウキ楽しく旅行に行くわけではない。 おいしいものを見つければラッキー、珍しいものを食べてみたい、とか、はずれてもそれはそれで思い出、とか、楽しく巡る時間や気持ちの余裕があるわけじゃない。 環境のまるで違う土地へ行き、プレッシャーとストレスの中、勝たねばならない試合を闘ってくるのだ。 国の代表としてベストのパフォーマンスをするために、コンディションを整えなければならない。 代表が海外遠征でどんな食事をしているのだろう、なんて、そういえば考えてみたことがなかった。ただ漠然と、ちゃんと用意された、何かおいしいものを食べているのかな…と思っていたくらいで。 スポーツ選手として、普段から食事は大事なはずだけれど、ひと月やふた月近くになる長丁場、なおのこと食事はとても大事になってくる。おなかを壊したり体調を崩したりしてはいいプレーは出来ないし、食事でリラックスすることも必要だ。 シェフを帯同するのは当然とも言える。 その帯同シェフ・西さんのエッセイで垣間見る、苦労とやりがい。 そうだよねえ、すべての食材を日本から持っていくにはお金もかかる、現地で調達出来るものは極力して、知恵と工夫でおいしくバランスのとれた食事を用意する。そのためには事前に調べたり、何を持っていくか考え、現場では困難にも対処し。。。 自分の料理で、選手の体重を減らさせない!ベストのパフォーマンスを出させてあげたい!という、24番目のメンバーとしての熱意と誇りが、みしみし伝わってくる。 追記 イングランド代表が試合後のスタッフルームで暖かい料理を食べていたこと、セルティックが試合の終わった帰りのバスのなかで暖かいパスタを出すことなどに、さすがサッカー先進国と感じました。(根性だけでは勝てません、経験と理論に基づいた準備とケアと積み重ね。)
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マレーシアまでの飛行機で読んでいた代表専属シェフを取り上げた一冊。 完全に裏方のスタッフは取り上げられる機会がほとんどないので、このような機会で仕事内容を伝えるのはいいきっかけだと思うのです。 スポーツマンは食にも気を遣ってます。 よし、気を遣おう。
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タイトルからも分かるとおり、サッカー日本代表をこれまで7年間にわたって 支えてきた専属シェフである著者の初めての本。 ドラマティックにするための、事実を誇大に表現するような記述は一切無い。 初めて日本代表の遠征に帯同を依頼されてから、アジアカップやW杯を 選手や監督、サポートス...
タイトルからも分かるとおり、サッカー日本代表をこれまで7年間にわたって 支えてきた専属シェフである著者の初めての本。 ドラマティックにするための、事実を誇大に表現するような記述は一切無い。 初めて日本代表の遠征に帯同を依頼されてから、アジアカップやW杯を 選手や監督、サポートスタッフと共に頑張ってきた日々を淡々と紹介する内容。 サッカー好きには、日本代表の舞台裏を「食」の観点から知ることができて面白い。 料理に関心がある人には、スポーツ選手を相手にすることの大変さや やり甲斐を知ることができてきっとタメになるだろう。 淡々と、と書いたけど、事実には物語を超える力もありまして。 思わず胸が熱くなってジーンと来る部分がある。 南アフリカW杯やカタールでのアジアカップで熱狂の日々を 送った方には特にそうだと思う。 違った角度でサッカーを見ることが出来る上に、 巻末には西流最強レシピまで付いてる嬉しい一冊。 なお、著者は福島の方ということで、この本を書き上げて出版する直前に 震災に遭っている。そんなこともあってか、この本の印税はすべて義援金 として使われるとのことです。ご本人もきっと大変だろうに。 初めてこのように本という形を残したというのに、報酬を受け取らないなんて。 著者(出版社も?)の心意気には、ただただ感心させられるばかり。
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世界最高峰の舞台と言われるサッカーW杯。南アフリカ大会における日本代表ベスト16入りの快挙は記憶に新しいが、その躍進を「食」の面から支えたのが、本書の著者・西 芳照氏である。本書は、ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニの時代まで、七年間にわたってサッカー日本代表の海外遠征シェフを勤...
世界最高峰の舞台と言われるサッカーW杯。南アフリカ大会における日本代表ベスト16入りの快挙は記憶に新しいが、その躍進を「食」の面から支えたのが、本書の著者・西 芳照氏である。本書は、ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニの時代まで、七年間にわたってサッカー日本代表の海外遠征シェフを勤めている男の奮戦記である。 国と国の威信をかけた戦いとなれば、その裏側も壮絶である。衛生管理、食事づくりの手際、現地スタッフとの協力体制、食事会場設定、食材の手配、周到に準備しても想像がつかないことの連続である。例えば、試合のたびにアウェイの洗礼を受けた重慶でのアジアカップの時のこと。厨房がせまく、ホテル内のレストランとの共有だったためスタッフがひしめき合い、裏側でもアウェイ戦を強いられていたそうだ。また、イランのような異文化環境では、イスラム教徒の断食月と試合が重なり、市場が食材の手配が難航したこともあったという。 本書を読んで改めて痛感するのが、食事とコミュニケーションの関わりの深さである。ワールドカップの遠征は事前合宿もふくめると約一カ月。ホテルから外に出られる機会も少なく、緊張感の続く毎日だ。そのため、食事会場での空気は、チームの状態を大きく左右することもある。実際にドイツ大会の時は、スタメン選手とサブ選手は、それぞれが別々のテーブルに固まっており、壁を感じることもあったそうだ。 西氏が食事会場を盛り上げるために編み出したのが「ライブ・クッキング」である。選手たちの目の前で、彼らの注文を聞いてからパスタやうどんをゆでたり、肉を焼いたりするものだ。調理自体をエンタテイメントとして楽しんでもらえるほか、選手との交流の場としても有効に機能したそうである。 直近の南アフリカ大会では、チーム全体として高地順化が大きなテーマであった。もちろん食の面でも同様である。そのため、「鉄分補充」「糖質補給」「抗酸化物質の摂取」ということを念頭に入れて、メニューが考案されたそうだ。その際の具体的なメニューも、本書に掲載されている。しかし、一番の問題は、おいしいごはんが炊けるか?ということであった。標高の高い地域では、気圧が下がるため沸点も低くなり、炊いたごはんの食感が悪くなってしまうのだ。 そこで活躍したのが圧力鍋。圧力鍋は標高で沸点が左右されないため、ふんわり、しっとり、ねっとりした「正しい日本のごはん」を炊くことができたそうだ。日本代表の活躍の要因は、意外にこんなところに潜んでいたのかもしれない。 「世界を驚かすサッカー」、そんな標語を掲げて勝ち進んだ日本代表。その裏側にある「勝つための食事学」には、日本人でも驚かされることが多いだろう。
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