旅する力 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
香港からロンドンまで行った著者が執筆した深夜特急の総集編みたいなものである。読んでみるのはいいと思うが、先に深夜特急を読んでからでないと話の内容が判りにくいと思うので、そちらを読んでから、本書を読んだ方が良いと思う。 ◇購入
Posted by
メイキング・オブ・深夜特急といった感じの本。 なぜ旅に出たのか、なぜあのルートなのか、なぜロンドンなのか、いくつかの問いに答えながら、旅とは何か、という根源的な疑問を突き詰めていきます。 「旅の適齢期」のくだりは、30代後半の私には首肯できるとともに、淡い切なさを残しました。 4...
メイキング・オブ・深夜特急といった感じの本。 なぜ旅に出たのか、なぜあのルートなのか、なぜロンドンなのか、いくつかの問いに答えながら、旅とは何か、という根源的な疑問を突き詰めていきます。 「旅の適齢期」のくだりは、30代後半の私には首肯できるとともに、淡い切なさを残しました。 40代には40代の、50代には50代の旅があると言いますが、果たしてそれは「旅」で有り得るのでしょうか。 自分にとっての「旅」をも考えさせられる一冊でした。
Posted by
筆者の代表作「深夜特急」を中心にして、旅にまつわる出来事や筆者の考えをまとめた本。「深夜特急」は、筆者が26歳のときに香港からロンドンまで乗り合いバスで移動した1年間を綴っています。本書を読むと、「深夜特急」を呼んでみたくなりました。また、自分にとって「旅」とはどのような位置づけ...
筆者の代表作「深夜特急」を中心にして、旅にまつわる出来事や筆者の考えをまとめた本。「深夜特急」は、筆者が26歳のときに香港からロンドンまで乗り合いバスで移動した1年間を綴っています。本書を読むと、「深夜特急」を呼んでみたくなりました。また、自分にとって「旅」とはどのような位置づけなのか、考えるきっかけにもなります。(2011.5.29)
Posted by
再読了。 沢木耕太郎さんの【深夜特急】を、二十歳前後の頃に読んで、ご多分に漏れず『どこかへ…』などと訳の分からない焦燥感に苛まれました 学生という身分、学業を放り出してまでは旅に出られない 金銭的にそのような身分ではない そんな小っぽけな大義名分の下、それでも読み返す頁...
再読了。 沢木耕太郎さんの【深夜特急】を、二十歳前後の頃に読んで、ご多分に漏れず『どこかへ…』などと訳の分からない焦燥感に苛まれました 学生という身分、学業を放り出してまでは旅に出られない 金銭的にそのような身分ではない そんな小っぽけな大義名分の下、それでも読み返す頁を繰る手を止められずにいました 【深夜特急】と椎名誠さんの【東ケト会】ものは、若いあの頃の宗岳たちにとって一種の麻薬のようなものでした そんな麻薬に侵された友人たちが、学校を卒えてから、或いは学校や会社を辞めて、でかいバックパックを背負って旅立っていくのを、涎の滴るような羨望の念をもって見送ったものでした あの時に『どこかへ…』旅に出ていたら、現在の宗岳、もう少し人並みな人間になれていたのかも知れませぬ 或いは、途上のインドという不可思議な国に嵌りこみ、どうにもその国の魅力から動けなくなってしまった一人の友人のように―― 或いは、途上で知り合った南米の旅行者に唆されて、ペルーだかボリビアだかで二十年近く経つ今もなお、一獲千金を夢見てダイアモンドか何かを掘っている一人の友人のように―― 【旅する力】の中で、沢木さんが書かれているように「旅に出る適齢期」というものがあって、宗岳は正にその適齢期を逸してしまったのでせう 小っぽけな大義名分の下、根性もなく、一般的な安定のようなものを知らずして求めてしまっていた当時の自身に腹立たしささえ感じます そして――、自分の何かに背を向けてまで得た、一般的な安定というもののなんと小さく、粗末であったことか… 更に――、そこまでして得た安定というもののつまらなさに辟易し、あっという間に蹴散らしてしまったその後の自分… 古(いにしえ)の人は、本当に素晴らしい言葉を残していてくれました かわいい子には、旅をさせろ この言葉の意味に、かわいい子であった時季に気付けなかった自分が、なんと未熟であったことか、それを悔しく思いながら読ませていただいた一冊でした 追 ◇ かわいい子 ←当然ビジュアル、心根、人間性、そういった意味では、 宗岳には当てはまりません ただ単に年齢的なことです ええ、子供の頃からミテクレも性格もブサイクにできてましたから・・ フンッ!!
Posted by
「旅する力」とはいうものの、単に「旅」についてではなく、生きていく中で出会う、様々なことを、旅に置き換えて考えさせてくれる一冊です。
Posted by
後半まで読んで、なんだかやたら既読感があるなあと思ったら、どうやら2008年に単行本が出た時点で買って読んでいたようだ。 しかし、ほとんど覚えておらず(笑) 新たに興味深く読むことができた。 さらに、文庫には大沢たかおさんとの対談も収録されていたので、よしとしよう。 「深夜特急...
後半まで読んで、なんだかやたら既読感があるなあと思ったら、どうやら2008年に単行本が出た時点で買って読んでいたようだ。 しかし、ほとんど覚えておらず(笑) 新たに興味深く読むことができた。 さらに、文庫には大沢たかおさんとの対談も収録されていたので、よしとしよう。 「深夜特急」シリーズはとても好きなのだが、読むたびに思うのは「男はいいなあ」ということ。あんなふうに気軽にふらっと旅を続けられるのはやっぱり男であるという要素が大きいような気がする。 女はいろいろメンドクサイのです。 私がもし男で若かったらあんなふうに旅に出ただろうか。 ありきたりの人生のレールから、自分の意志でおりるという決断ができるかどうかが運命の分かれ目なのかもしれない。
Posted by
若干嫌味に感じないでもないけど、まぁそこまでは気にならない。「深夜特急」のトリビア。あ~わかるわかる~と思えることも多い、参考になる一冊。
Posted by
沢木さんの文章は本当に素敵だな~と思う。言葉にならない私の感情を、適切な言葉で表現してくれる感じがたまらない。「あ~、あの時は私はこう感じていたんだ」って他人によって知ることの不思議を感じる。「貧困な語彙力」を少しでも克服したいな。。。 この本をカフェで読んでいるとき、私の隣に...
沢木さんの文章は本当に素敵だな~と思う。言葉にならない私の感情を、適切な言葉で表現してくれる感じがたまらない。「あ~、あの時は私はこう感じていたんだ」って他人によって知ることの不思議を感じる。「貧困な語彙力」を少しでも克服したいな。。。 この本をカフェで読んでいるとき、私の隣に座った男性二人の会話が聞こえてきた。聞こうとしたのではなく声が大きくて隣に座っていた私は聞かざるを得なかったのだ。その二人は「恋愛講座」をしていた模様。”講師”が「女の子はね」をすべての文章の冒頭に付けて饒舌に話し、もう一方の”生徒”が「なるほど~」と真剣にメモをとっていた。そのときちょうどこのフレーズを読んで思わず笑ってしまった。 「できるだけ素のままの自分を放ちたいんです」 「女の子はね」、学歴を偽ったり、事実を誇張したりするあなたではなくて、真摯で誠実な人間に惹かれるんだと思いますよ、きっと。 「すべてがわかり、完璧に安全だとわかっているならクライミングなどしなくてもいい。わかならい中で、自分の力を全開にして立ち向かうところに面白さがあるのだ。」 「知らないことによる悪戦苦闘によって、よりよく知ることができることもあるのだ。その土地を、そして自分自身を。」 「わかっていることは、わからないということだけ。」
Posted by
沢木耕太郎の旅論ともいうべき内容をまとめた一冊。 あのユーラシアへの旅そのものというよりも、旅の前、旅の後で筆者が何を思い、何を書いてきたかが詳しい。 それ故に、もう一度『深夜特急』を読み返したくなり、旅に出たくなってくる。 /************************ ...
沢木耕太郎の旅論ともいうべき内容をまとめた一冊。 あのユーラシアへの旅そのものというよりも、旅の前、旅の後で筆者が何を思い、何を書いてきたかが詳しい。 それ故に、もう一度『深夜特急』を読み返したくなり、旅に出たくなってくる。 /************************ 序章 旅を作る 第一章 旅という病 第二章 旅の始まり 第三章 旅を生きる 第四章 旅の行方 第五章 旅の記憶 終章 旅する力 あとがき [対談]あの旅の記憶 大沢たかお 沢木耕太郎 ************************/
Posted by
ボクの旅する力は。 多くの旅人のバイブル本とも言える『深夜特急』の解説本。 作者である沢木氏がなぜ、旅をして深夜特急という名作が生まれたのか等々、筆者自らのエッセイとして綴られている。 実は、ボクは『深夜特急』を読んだことがない。 ただ、存在は知っていたし、今まで読んできた旅...
ボクの旅する力は。 多くの旅人のバイブル本とも言える『深夜特急』の解説本。 作者である沢木氏がなぜ、旅をして深夜特急という名作が生まれたのか等々、筆者自らのエッセイとして綴られている。 実は、ボクは『深夜特急』を読んだことがない。 ただ、存在は知っていたし、今まで読んできた旅関連の本は、 この深夜特急に影響されて書かれていたのかもしれない。 と考えると、間接的に深夜特急にボクの旅も影響されていたのかも知れない。 この、『旅する力』で、印象的な言葉が出てくる。 それは、「旅の適齢期」という言葉。 筆者が旅に出たまさに26歳前後が旅の適齢期というのだ。 ボクはまさにその適齢期を過ぎ去ろうとしている・・・。 筆者は、大学卒業後、大手都市銀行に入行し、初出社の日に退社している。(Wikipedia情報) ボクは銀行に入行し、なんとか休暇を作り出して短いタビを楽しんでいる。 それが、ボクの旅する力なのかもしれない。
Posted by