崩れる の商品レビュー

貫井徳郎【著】

2017/12/20

目次
・崩れる
・怯える
・憑かれる
・追われる
・壊れる
・誘われる
・腐れる
・見られる

初期の作品のせいか、全体的に文章が硬い感じがする。
どんでん返しがうまく効いている作品もあれば、予想通りの結末のものもあるが、概して読後感はあまり良くない。

崩れる前にまずどこかが壊れているのだ。
自覚のない損傷が、何かのきっかけで崩壊へと向かう。
怖いのは自覚のない損傷。

表題作はまさしく、それが生んでしまった悲劇が書かれている。
けれど、読みながら終着点はそこだろうと予想がついてしまったのが残念。

「誘われる」は、ちょっとフェアではないような気もするけれど、うまくだまされた。

2017/12/18

サブタイトルの通り、結婚にまつわる八つの短編小説である。

恐れず意見を言わせてもらえるなら、個人的には特に目新しさを感じる話はなく、あまり印象に残らなかった。

決してつまらないわけではなく、可もなく、不可もなくといった感想。

2017/11/14

結婚にまつわる心境、特に女性目線の子育て、家庭内不和、ストーカー、不倫における心情描写か意外や優れてる。
短編も貫井徳郎ステキ。長編の重々しいさらに心理の奥底でもがき苦しむのも好きだけど、一瞬の文章のきらめきが短編では味わえた気がする。

2017/11/06

結婚にまつわる八つの短編集。

どこにでもありそうな崩壊、という身近な恐怖を感じられました。
人間少しずつ狂っていくよね…
一番最後の話がとても身につまされました(´；ω；`)

2017/10/07

短編集なので読みやすい上に、ラストに向かう時のドキドキが止まらずあっという間に読んでしまった。

ストーカーの話や不倫の話は、身近にある話でリアリティがあって怖い。
結婚生活の脆さが伝わる内容で、未婚の自分にとって、さらに結婚が怖くなった…。
怖くて夜読めなかった…。

2017/10/03

貫井さんがこんなにも女性の心理について熟知しているとは…それが1番の恐怖だった。どの題材も, 結末としては「自分には縁のなさそう」なお話なんだけど, その結末に至った発端や過程というのは結構自分の身近にある, 起こりうる題材だったので恐怖感倍増。読了後のぞわぞわ感がしばらく続きました。

2017/08/29

明日はわが身か？な話もあったなぁ。
当時の背景を思うと、かなり時代を先取りしたシーンが結構ありました。貫井作品、これからも読んでみよう。

2017/03/06

まぁ面白いかなぁ。特にこれといった感想はない。
ストーカーのはありそうな話で面白かったかな。
20年も前に書かれた作品だから、今とは感覚が少し違うのかも…。
私は登場人物の誰かに共感しながら読む事が多いけど、この作品は短編集なのに、どの主人公にも共感することはなかった。
作者は、結婚てこんなやな事とかあんな問題とかたくさんあるよね…って視点で書いてるんだと思うけど、その時点で共感ができないのかも。
「結婚」に対してのこういうテーマにあまり共感できないのは幸せなことなのかなとは思う。

2017/01/21

結婚にまつわる8作品の短編集。
色んな味が楽しめる。
だが、全て後味が悪い。
それが良いんだけど…ね。
'17.01.21読書完了

2017/01/05

貫井徳郎著「崩れる」
平凡そうに流れていく日常生活にも爆発はしないけれどくすぶっている問題を抱えているという事は誰でも知っている。
不倫、親子関係、近隣住民との問題等々。
ただ、そういった問題が実際に爆発することは、少なくとも大爆発して生活が一変してしまうことは稀なので、私たちはなんとか平穏を装って生きている。
では、もし大爆発した時に私達の生活は、人生は一体どうなってしまうか、という疑似体験をさせてくれる作品でした。