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ウェブ×ソーシャル×アメリカ の商品レビュー

3.6

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

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2012/04/02

ヒッピー、ハッカー、構造主義、そしてDeadと言われたWEB、ソーシャルメディア。気になるキーワードが満載ですが、なかなか読み進められません。著者が書いているように、紙とWEBの違いはリニアとノンリニアという点で、しかしこの本はノンリニアな内容をリニアに書いているので、本としては...

ヒッピー、ハッカー、構造主義、そしてDeadと言われたWEB、ソーシャルメディア。気になるキーワードが満載ですが、なかなか読み進められません。著者が書いているように、紙とWEBの違いはリニアとノンリニアという点で、しかしこの本はノンリニアな内容をリニアに書いているので、本としてはなかなか読みづらいのです。中身のパーツは面白いので、受け側の問題かもしれませんが、もったいない。

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2012/03/25

「Web界隈」というのは不思議な言葉だけど、取り敢えずそれに関する本(別にこの本にこの用語がつかわれているわけではない) 網羅的で、後半程よくロマンが入ってくる これ単体で面白いというよりは、いろんなことの入り口や橋渡しをしてくれる本 『評価経済社会』と合わせて読むと面白いとこ...

「Web界隈」というのは不思議な言葉だけど、取り敢えずそれに関する本(別にこの本にこの用語がつかわれているわけではない) 網羅的で、後半程よくロマンが入ってくる これ単体で面白いというよりは、いろんなことの入り口や橋渡しをしてくれる本 『評価経済社会』と合わせて読むと面白いところも結構ある ・ウェブの自由さ、オープンさが減って来ている ・ORの話もちょっと出てきた ・web以前からの流れ ・フォンノイマンのゲーム理論の著作は「ゲーム理論と経済行動」 ・ハーバートサイモン(政治科学者)の話も 組織原理について考えるときに、「組織」への注目が集団の方に振れれば、企業経営や政府運営に向かうし、個人に振れれば「認知工学」のような方に向かう そして個人と組織を架橋するものとしてコンピューターがある ・最適化過程としてのデザイン ・システム設計としてのデザイン サイモンに端を発する人間の持つ限定合理性を前提にした人工物としてのデザインの工学化 ・建築 ・シリコンバレーのハリウッド化 ・利益よりも価値 ・価値を利益に転ずることが「マネタイズ」 ・Facebookはバーチャル国家、Twitterはソーシャルメディア ・社会学におけるルーマンとハーバーマスの対立 ・「ヒューマンタッチ」が重要。 人間を感じさせる要素 ・真善美⇒Google、Facebook、Apple ・企業経営や政府運営の文脈で「ゲームチェンジャー」という言葉が多用されるようになっている ・デモクラタイズ ・漸近すること、計算可能性 ・遊戯性と可塑性

Posted byブクログ

2012/03/23

ウェブXソーシャルという掴みどころの無い広がりを「アメリカ」という切り口できった、と著者の語る試みは成功している。フラーからフォン・ノイマンまで、ジェイムズからブローディガンまで、ヒッピーからザッカーバーグまで、縦横無尽に語られるアメリカの姿は、見事にある焦点を結んでいる。

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2012/03/20

PC/ウェブの来歴について アメリカ建国まで遡って検証した労作 文化全般にわたって幅広く取材し 精緻にしてダイナミックな論考を 展開する本書の中で(なぜだか) いちばん印象的だったのは 次のようなざっくりした話です。 ところで、 いささか言葉遊びになるが、 真善美という三つ...

PC/ウェブの来歴について アメリカ建国まで遡って検証した労作 文化全般にわたって幅広く取材し 精緻にしてダイナミックな論考を 展開する本書の中で(なぜだか) いちばん印象的だったのは 次のようなざっくりした話です。 ところで、 いささか言葉遊びになるが、 真善美という三つの基本的な価値に なぞらえれば、 科学的合理性を追求するGoogleは 「真」、 ユーザーという 人間的なインターフェイスを通じて 共同体の構築を進めるFacebookは 「善」、 触覚を通じた 自在性を売りにすることで、 ヒューマンタッチを 具現化させたAppleは 「美」、 という具合に それぞれ基本的な価値を実現している と見ることもできるだろう。 一見すると 同じウェブやコンピュータのサービス を提供しているようだが、その実、 背後にある価値観は異なる。 その価値観=思想の違いが、彼らの サービスの開発や設計=デザイン の違いとして表出する。 (本書268ページ)

Posted byブクログ

2012/02/22

それこそウェブのように、過去と現在、機械と人間、カルチャーとテクノロジーをリンクしながら、未来を構想するための種を得ようと試みる意欲作。希有な視座から世界を見つめさせてくれたことに感謝。

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2012/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメリカウェブ哲学の話し。 多分拾いきれてないので、評価は本当に気持ち程度。 あの東海岸の時代/ヒッピーの/水瓶座の世紀、縛るものからの究極の自由を探すあの価値観にシンパシーを覚える人ならば、本当に興味深く読めたんじゃないかな。 スティーブ・ジョブズの有名な講演の最後のセリフ 「stay hangriy,stay hoolish」はHole earth catalogの最終号の背表紙のセリフだったのだね。 僕が関心を持ったのはこのくだり。 ・20世紀を通じて材料工学が進歩し、機械的な制御も半導体チップのように極小化されるに従い、形状は機能から解き放たれ、むしろ自由なものになった。バウハウスの頃とは主従が逆転し、デザインそのものが使用価値を決定する事態も現れた。つまり、デザインが主体で形状がそれに従い、機能の良し悪しもデザインの良し悪しを通じて評価されてしまうような時代となった。それが20世紀後半のデザインの役割だった。 今、問題となっているのは、それがさらに進み、むしろ、デザインがより広く問題解決のための方法論として捉えられるようになったことだ。そこでは、事実上、デザインは設計と同義だ。その反面、単なる意匠としてのデザインは後景化する。少なくともG20時代に、世界商品を前提にした時代では、設計≒問題解決としてのデザインが前景化する。 さて、組織論では未だ機能が形状を決定すると言われている。作りたい物は組織の形に現れるのだ。これから何かが革命を起こすとしたら、産業革命が工業の効率化をもたらしたように、生産の大きなウェートを占めるようになった、サービスに変化が現れるだろう。それが今の日本から生まれないだろうな、とどうしても感じてしまうのは、stay hungriyが難しい社会だからなのだろう。高度経済成長は、政府が力を失ったから起きたんだろうね。

Posted byブクログ

2012/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

* ウェブの死:クリス・アンダーセン  * スマートフォンやタブレットの登場で、インターネットの中に世界中にオープンなWWWとは異なるクローズドな世界が作られている  * その帰結として、ウェブの細断化/断片化が進んでしまう  * iPhoneやFacebookのようなモバイルウェブやソーシャルウェブの動きがそれで、そうしたクローズドな世界を提供するアプリケーションによって、自由なアクセスが担保されたWWWは死んだ * ウェブの死は、逆に言うと新しい何かが生まれようとしてるとも言える  * 個別に作りこまれるIFが乱立すると、ウェブが持つリンク可能性がもたらす相互参照性が薄れる  * ウェブは本来、水平的な網目構造は相互に行き来が可能、参照が可能な世界 * ネットワーク外部性  * 初期の優位性が短期間で最終的な優位性につながってしまう   * 繋がりがつながりを呼び、そのつなげてしまった結果うまれる「皆が使うから使う」という選択圧力の効果 * ソーシャルグラフ  * 人間の交友関係を捉える視点  * 人はグラフ構造のノードとなり、人と人との交友のありなしが、そのノード間のブランチで表現される * オライリーのWeb2.0のコンセプト  * 今後のウェブ活動を支えるのは、ブラウザやアプリのような目に見えるフロントエンドのIFではなく、表向きは見えないバックエンドに蓄積されるデータであるという認識  * ウェブの死はあまり気にかけていない * Googleが革新的だったのは、リアルワールドからのマネーの補填に頼らずに、ウェブの活動そのものでマネーが回る仕組みを作ったこと * カウンターカルチャー  * アメリカで主に60年代に起こった若者による運動の総称  * ヒッピー、ドラッグ、ビートニク、コミューン運動、フリースピーチ運動、公民権運動、女性運動、ゲイ開放、ベトナム反戦 * ARPANETは冷戦下の核攻撃による通信網の破壊=連邦政府機能の停止による恐怖から生み出された  * 2点間を結ぶ電話網の脆弱性の克服が開発当初からの目的  * 採用されたのは効率性よりも冗長性を重視する分散型のネットワーク  * 当初からパケット方式が利用できるデジタルネットワークとして設定 * Comprehensive Design :バックミンスター・フラー  * デザイン=設計の際には、全体(Comprehensive)を見渡した上で、最小限で最大の効果を得るのが最良のデザイン * ソーシャルネットワーク  * 端的に社交関係のこと(社会全体とか共同体とかのイメージではない)  * 社交デビューすることで社会化(socialize)が完成する(アメリカ特有のパーティ(ボール)に男女で参加するような)というアメリカの慣習に基づく * オプトイン/オプトアウト  * オプトイン:ユーザが利用する(in)という意思を示さなければ使えない  * オプトアウト:ユーザが利用しない(out)という意思を示さない限り利用できてしまう * ビズストーン(Twitterの創業者の一人)  * Value Before Profit:人々が日々使ってくれるなにか価値があるものを作ることが最優先事項 * GoogleとFacebookは対極的な発想を持つ  * Googleの方向性   * 人工知能研究の成果を取り入れ、徹底的に機械化/アルゴリズム化をして、ウェブの利用の具体的プロセスで極力人の介在を排除する   * それによって人間の恣意性を排した客観性=公平性を担保する  * FaceBookの方向性   * あくまでネットワークを操るのは人間。   * 人間の側が自らの意思で「シェアする精神」に寄することでウェブを豊かにするのが大切 * 現在のウェブは三層構造  * 場=プラットフォームを作る人(アーキテクト)  * その場の上でサービス/アプリを作る人(クリエイター)  * そのサービスを消費する人(プレイヤー)

Posted byブクログ

2012/04/08

現代のウェブを取り巻く構想力の源を人物や地域風土、社会構造などの側面に着目しつつ、巨視・微視それぞれの視点による包括的な考察がなされている。 著者の豊富な知識に裏付けられた議論は、他のレビューにもある通りウェブのネットワークを彷彿させるつながりをもって広範に行われる。実証的とい...

現代のウェブを取り巻く構想力の源を人物や地域風土、社会構造などの側面に着目しつつ、巨視・微視それぞれの視点による包括的な考察がなされている。 著者の豊富な知識に裏付けられた議論は、他のレビューにもある通りウェブのネットワークを彷彿させるつながりをもって広範に行われる。実証的というよりかは思想的な内容であり、ジョブズやザッカ―バーグに代表されるWeb業界人の精神性の形成や、西海岸・東海岸の気質の違いなど社会構造に関する議論が多くみられた。 結論よりも各論の議論の広がりに着目して読み進めるのが、本書の適した読み方だろう。

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2012/01/01

筆者も言うように、ジャンル分けが非常に難しい本だ。ウェブ、アメリカ、ソーシャルメディアを中心に記述されているが、建築や工学、数学や生態学の内容も入っている。これからは経営だけ、建築だけではダメで、哲学を勉強したり、人間はどういう行動をする動物か、みたいなことも勉強しないとダメかな...

筆者も言うように、ジャンル分けが非常に難しい本だ。ウェブ、アメリカ、ソーシャルメディアを中心に記述されているが、建築や工学、数学や生態学の内容も入っている。これからは経営だけ、建築だけではダメで、哲学を勉強したり、人間はどういう行動をする動物か、みたいなことも勉強しないとダメかなあ。

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2011/11/30

 ソーシャルメディアを含む現在のウェブ(パーソナルコンピューティーングとネットワークコンピューティング)を語りつつ、そのの源流を探るべく、スチュアートブランドのホールアースカタログに代表されるカウンターカルチャーを皮切りに歴史を振り返り、哲学、経済学、工学、社会学などを論じながら...

 ソーシャルメディアを含む現在のウェブ(パーソナルコンピューティーングとネットワークコンピューティング)を語りつつ、そのの源流を探るべく、スチュアートブランドのホールアースカタログに代表されるカウンターカルチャーを皮切りに歴史を振り返り、哲学、経済学、工学、社会学などを論じながらアカデミックに切り込む。  様々な論説を引用しての個々の論考はとても深く入り込み、ともすれば全体の流れを見失い主張がぼやけるのが残念なところだ。  ただし、個々の論考にはとても光るものがとても多く、「価値」とマネタイズに関してもハッとさせられたもののひとつだ。  『マネタイズで大切なのは、「人々がこれは大事だと感じる」何かを生み出すことであり、その何かへの賛同をユーザー登録という形で支持票として得ていくことだ。なんらかの価値=Valueを現出させることが先決で、そのvalueを経済的に支え、かつ、再生産可能にするための方法に頭を捻るところがポイントだ。』  ともすればどのように売り上げを上げて儲けを出すか、どのようにビジネスモデルを作るのかに腐心しがちです。「どのような価値=Valueを提供できるのか?」まさに「いいね!」ですね。  仮説的な問いであった「カウンターカルチャーがウェブを作ったのか」に対しては否とし、宇宙開発が発端と結論付けている。カウンターカルチャー(の演出が巧みだと私は思う)を繋いでいたのはきっとジョブズ氏だけだったのだろう。  文中にも書きましたがとても難解、読了に通常の3倍程時間が掛かりました^^;

Posted byブクログ