遠足型消費の時代 の商品レビュー
不景気だからモノが売れないのではなく、それによって変わった生活スタイルや価値観に対応できていないだけだと気付かされる。語り口調気味の文体は好き嫌いが分かれる。新書らしくて好き。 ・バブル時代:ギラギラ消費「海外旅行型消費」 ・ゼロ年代以降:堅実志向なキラキラ消費「遠足型消費」 ...
不景気だからモノが売れないのではなく、それによって変わった生活スタイルや価値観に対応できていないだけだと気付かされる。語り口調気味の文体は好き嫌いが分かれる。新書らしくて好き。 ・バブル時代:ギラギラ消費「海外旅行型消費」 ・ゼロ年代以降:堅実志向なキラキラ消費「遠足型消費」 ⇒日常の延長として消費やレジャーを体験型で楽しむスタイル。日帰り。 ・ルクエ:舶来物のキラキラした非日常性と実用性のリアリティ ・キッチンペーパーバウンティ ・花ふきん、白雪ふきん ・若年層ほど進む「コンサマトリー化(=身近な関係や幸せを大切にする価値観)」 ⇒モノを買う=お金を払ってメンバーシップを得ることに近くなる ・総務省「国民生活に関する世論調査」 ⇒日頃の生活で充実感を感じる(1989⇒2010) 「家族団らんの時(40.7%⇒49.5%)」 「友人や知人と会合、雑談をしている時(25.2%⇒41.6%) ・信頼される雑誌リー ・ルミネ ・情報が一瞬で消費されてしまう時代において絶えず変化を表現しつづける「キラキラ」した場所が今後ますます求められる ・低賃金労働の最後の担い手=囚人(アメリカ) ⇒福利厚生なし、組合なし、勤務態度○ ・遠足型消費の優等生「埼玉」 ・繰り返される「男性の女性化」現象 ⇒1964年サザエさんで「男性の女性化」という台詞が登場している ⇒「みゆき族」の服装 ・データの積み重ねが正解に繋がらない時代 ⇒知識を持つことよりも知識を調整して統合する力が重要
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言いたいことはわかるが、やや散漫な印象。この表現や書きぶりだとターゲット読者のひとり「お父さん」は分からないだろう。
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最近、週刊誌の記事のようなレベルの低い新書が多いだけに、この本もその一つだろうと思って無視していたが、意外にも使える内容だった。今現在、消費財のマーケティングに関わる者にとっては大いに参考になる。 異色のコンビによる共著で書かれた本書は、女性雑誌ライターがキャッチーで読みやすい...
最近、週刊誌の記事のようなレベルの低い新書が多いだけに、この本もその一つだろうと思って無視していたが、意外にも使える内容だった。今現在、消費財のマーケティングに関わる者にとっては大いに参考になる。 異色のコンビによる共著で書かれた本書は、女性雑誌ライターがキャッチーで読みやすい文章を担当し、男性の東大大学院生が様々な現象について適格で理論的な背景分析を行うといった分担になっているのであろう。そのため、分かりやすくかつ説得力がある内容でとても参考になった。 若者が自動車に感心を持たず、CDのミリオンセターが出ないなど、モノが売れない時代と言われている現代の消費市場について、やんわりとそれは売り手の言い訳だという。デフレによって消費者は賢くなり、本当に必要なものだけをを品質を見極めて消費する。だから、そうした安くて比較的品質の良い商品を提供しているユニクロやニトリが勝ち組となっているというよくある論調には意義を唱える。 コストコやIKEA、H&Mで買い物をし、キッチンにはルクエ、愛読書はMart といった消費者は、決して必要ではないものでも躊躇なく購入し消費するという現象は説明できない。本書では、こうした商品や店には「キラキラ」があるという。それは今現在特有の現象ではなく、80年代のセゾングループや、都会でRV車が売れた90年代、遡れば19世紀のフランスに初めてボン・マルシェという名で初めてデパートが出来たときにパリ市民が熱狂したことなどを引き合いに、それはいつの時代も常にそうしたキラキラを輝く存在があるという。変化する市場に対して、どう向き合うかということが売り手には常に求められているということである。ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドも敏感にそうした変化に対応して自らのポジションを変化させているのである。
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「マーケティングの嘘」ではコストコが流行った理由を「3世代消費」としていたが、本書は「遠足型消費」にあるとする。こちらの主張の方が、一般論としては受け入れられている気がする。 「『遠足型消費』とは、小学校の遠足のように、日常の延長として消費やレジャーを体験型で楽しむスタイル。行く...
「マーケティングの嘘」ではコストコが流行った理由を「3世代消費」としていたが、本書は「遠足型消費」にあるとする。こちらの主張の方が、一般論としては受け入れられている気がする。 「『遠足型消費』とは、小学校の遠足のように、日常の延長として消費やレジャーを体験型で楽しむスタイル。行く前の日はちょっと楽しみで、日常と少しだけ離れたキラキラした空間で、キラキラしたものを買い、キラキラした時間を過ごすこと。 基本的に日帰りの日常の中で楽しむ、ささやかなオアシス。ハワイのオアフ島ではなく、車で行けるスーパー温泉やショッピングモール。高級レストランのフレンチではなくて、ちょっと素敵なキッチン道具を使っての、おうちご飯。… …未来が見えにくく、退屈になりがちな『終わりなき日常』を、ささやかな幸せとともに生き抜く知恵。」 ポイントは、「キラキラ」。この「キラキラ」と発行するために不可欠となる条件が、「非日常感」であるという。ニトリになくてイケアにあるもの、ユニクロになくてH&Mにあるものがこの「キラキラ」だと言う。品質はニトリやユニクロの方が優れているのにも関わらず、「キラキラ」が選好される。 それにしても驚いたのは女性誌「Mart」の発信力。正直知らなかった。大都市近郊に住む30〜40代ミセスがターゲットの生活情報誌で、食べるラー油、ルクエ、コストコ、イケア、ホームベーカリー、ディーン&デルカ、ル・クルーゼなど特定の商品やショップを強力に特集し、ヒットに結びつけているとのこと。
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キラキラ 消費なる言葉を、古市さんと中沢さんのお二人がつけたらしい。そんな言葉どうでもいいけど。身近な非日常感を感じられる消費。 イオンなどのショッピングモール、アウトレットモール、コストコ、イケアあたりは、この遠足型消費になるよう。 質や価格だけでなくて、購入するまでの流れ...
キラキラ 消費なる言葉を、古市さんと中沢さんのお二人がつけたらしい。そんな言葉どうでもいいけど。身近な非日常感を感じられる消費。 イオンなどのショッピングモール、アウトレットモール、コストコ、イケアあたりは、この遠足型消費になるよう。 質や価格だけでなくて、購入するまでの流れや購入する場所の雰囲気、購入する相手、、、。 買うものに溢れ、価値あるものも溢れているなかで、この視点はこれからもっともっと重要になると思う。 ストーリーを買うなんて言葉も出てきているけど、ものの価値は、単純に価格や性能では測れなくなっている。
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その場所でしか感じることの出来ない感動の価値は逆に高まっている 値段がそこまで高いわけではなく、非日常と日常の間にあるキラキラしたものを買うスタイルを遠足型消費と定義 企業が出来ることは、あらゆる人の共感を得ることではなく、感度がいい人にいかに共感してもらえるか
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最近メディアでよく見る古市さん著書のひとつでタイトルにコストコと書いてあったので読んでみた。ザクッと内容をまとめると成熟した時代に消費を呼び込むのはキラキラしたもの。要は生活の中にいつもと違う特別な感じをもたらすものが売れる。確かになるほどと思う、事実、自分もコストコに行くとちょ...
最近メディアでよく見る古市さん著書のひとつでタイトルにコストコと書いてあったので読んでみた。ザクッと内容をまとめると成熟した時代に消費を呼び込むのはキラキラしたもの。要は生活の中にいつもと違う特別な感じをもたらすものが売れる。確かになるほどと思う、事実、自分もコストコに行くとちょっとウキウキするし、購入するものも自分の生活にちょっとスパイスを入れたいものだったりする。
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お父さんのギラギラ消費から、女こどものキラキラ消費へ。日常と地続きではあるけれども、どこかで気分を浮き立たせてくれる魔法のようなものが、しっかり売れている。 戦士がいない平和な世界は、女こどもの世界。
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古市さんの本を何冊か図書館で借りた中のひとつ。 コストコ、IKEA、ディーンアンドデルーカのトートバッグ、ルクエのシリコンスチーマーなど非日常感をまとった手に届く「キラキラ」なものが売れてますという主旨。 マステもこのキラキラとして本書では紹介、マステのベビーユーザな私として...
古市さんの本を何冊か図書館で借りた中のひとつ。 コストコ、IKEA、ディーンアンドデルーカのトートバッグ、ルクエのシリコンスチーマーなど非日常感をまとった手に届く「キラキラ」なものが売れてますという主旨。 マステもこのキラキラとして本書では紹介、マステのベビーユーザな私としてはそのキラキラにひかれる気持ち、分からなくはないけどどちらかというと実用性重視なもの選びする質なので、ややお父さん(本書によると女こどもの文化の理解に疎いひと)寄りな目線で読ませていただきました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
○中澤氏と古市氏の共作。 ○身近な商品を例に、ビジネスとは違った観点から、消費者の行動を分析した、社会学に関する著作。 ○表現が分かりやすい一方で、緻密な分析で時代を捉えている印象。
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