遠足型消費の時代 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<内容> 生活に必要なものは一通り揃い、モノが売れない「嫌消費時代」とも言われる現在において、なお売れているものにはどのような共通点があるのか。女性や子ども(若者)を中心にヒットした商品を分析し、近年の消費の在り方を紹介した一冊。 <感想> 「不況でモノが売れない」というのは、いい加減聞き飽きたフレーズである。若者の車離れで車が売れない、最近の若者は遊びを知らない、だからますます景気が悪くなる。そういう言説を聞くと辟易するのは自分が若者だからかもしれないが、安易にそういう言葉を口走りがちな「お父さん」たちに向けて(ちょっと挑発的に)「今どきの消費」についてレクチャーしてくれるのが本書である。 「キラキラ」が必要性と密接に関係していた時代には、車・洗濯機・冷蔵庫などがバンバン売れた。さらにその後、消費がアイコンとなった時代には「キラキラ」はステイタスと結びつき、ヴィトンなどのブランドや海外旅行などが消費の中心となった。このように、モノを消費するにあたって「キラキラ」したものが必要だというのは昔も今も変わらないのではないかと思う。では現代の女こどもはその「キラキラ」を何に求めているのか。 ハワイで豪遊したり、ヴィトンのバッグを揃えたりするようなバブル期の浮ついた消費を「海外旅行型消費」と呼ぶとすれば、ちょっとした非日常感を味わえる程度の現代の消費志向は「遠足型消費」と名付けられる。日常の延長にちょっとワクワクを見出す消費のあり方について、その最たる例としてコストコやIKEA、さらには郊外型の大型ショッピングモールにときめく主婦たちの姿が示される。 また、第3章では「デフレ」「経済格差」「マス崩壊」など、モノが売れない言い訳にされがちな言説に対する批判がなされる。全体を通してかなり好みが分かれる文章(なんだこのふざけた文章は、と怒る人もいるかも)ではあるが、個人的にはなかなか小気味良いものだった。 高度経済成長の時代をとうに終え、「成熟」のステージに立っている日本において、こういう遠足型消費はますます浸透していくのではないか。非常に興味のある話が網羅されていて、個人的にはかなり参考になる一冊だったように思う。
Posted by
これ、面白い!! 筆者らによると、「ふわふわ・ゆるゆるのマーケット本」 ぷぷっ、まさに! でも分析は興味深い。 必要なものはそろってしまった世界で、 必要じゃないものをいかにして売るのか、 そこで売れているものは何か、について。 非日常(といっても日常のちょっとだけ延長)の...
これ、面白い!! 筆者らによると、「ふわふわ・ゆるゆるのマーケット本」 ぷぷっ、まさに! でも分析は興味深い。 必要なものはそろってしまった世界で、 必要じゃないものをいかにして売るのか、 そこで売れているものは何か、について。 非日常(といっても日常のちょっとだけ延長)のキラキラものがたり それを求めてるんだという内容。 で、日常のちょっとだけ延長の非日常を「遠足」で象徴している。 旧マーケット理論で武装する「お父さん」には見えない 「女こども」が夢中になる流行が消費トレンド たとえば、ディーン&デルーカのトートバッグやルクエ コストコ、イケア、などなど。 流行は興味のある人にしか見えないもの 興味がなければ、ただのトートバッグで素通りするものだから、 というのも、納得。 「お父さん」(象徴語で性別関係なし)の私は、うぅむと唸った。 なるほど~!
Posted by
くだけた文章で「お父さん」に「女こども」消費について解説するという、全方向に挑発的な内容なので、Amazonとかでも評価が別れるのも納得。前著のピースボートはくだけた感じがハマッてたけど、今回のはもう少し抑えたほうが良かったかなと思う。気楽に読めば、知らなかったことやなるほど納得...
くだけた文章で「お父さん」に「女こども」消費について解説するという、全方向に挑発的な内容なので、Amazonとかでも評価が別れるのも納得。前著のピースボートはくだけた感じがハマッてたけど、今回のはもう少し抑えたほうが良かったかなと思う。気楽に読めば、知らなかったことやなるほど納得という話も多くて面白い。
Posted by
パソコンの世帯普及率2011年3月 29歳以下・・・67.7% 30歳~59歳・・・83% 60歳以上・・・52.1%
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「モノが売れない」という嘆きはもう耳にタコができるほど聞いたが、ちょっと周りを見渡せばブランドのロゴ入りバックばかり目に付きませんか? あの子たちが何を買っているのか気になりませんか? そんな「お父さん」の疑問に答えてくれるこの一冊。 女・こどもが憧れる「キラキラ」はよくわかりました。 P.52の相関図でもわかるように「価格が安く記号的な」商品のことなんですね。 「ぷちセレブ」「ぷちゴージャス」ともいえるかと。 もちろん質実剛健な良品もあるようですが、大抵はワンシーズンだけ楽しめれば上々な品々のようです。 長い時間をかけて良品をエイジングしていく魅力にとりつかれた、30代男性の私にはさっぱりです。 あと読者を「女・こどもの嗜好がわからないお父さん」と想定して書かれているようですが、ときおり出てくる妙にくだけた文体がしらけさせます。 共著のせいでしょうか?
Posted by
DEAN & DELUCAを知らない「お父さん」の為に、といたずらっぽく始まったが、いたずらでも冗談でもなく、本当に「お父さん」向けの本でした。紹介される事例は広く知られているものが多いので、「お父さん」以外には退屈な部分もあるかも。「遠足型消費」というテーマは面白いと思...
DEAN & DELUCAを知らない「お父さん」の為に、といたずらっぽく始まったが、いたずらでも冗談でもなく、本当に「お父さん」向けの本でした。紹介される事例は広く知られているものが多いので、「お父さん」以外には退屈な部分もあるかも。「遠足型消費」というテーマは面白いと思いました。
Posted by
「資本主義を真っ向から批判する人たちは、よれよれのシャツを着ている率が高くて、(略)、ショッピングの楽しさをおしえてあげたいなあといつも思ってしまいます。」(p.80)ここを読んで、余計な御世話だと感じた。私買い物大好きだけど。その他の内容も他で言われていることをつぎはぎした感じ...
「資本主義を真っ向から批判する人たちは、よれよれのシャツを着ている率が高くて、(略)、ショッピングの楽しさをおしえてあげたいなあといつも思ってしまいます。」(p.80)ここを読んで、余計な御世話だと感じた。私買い物大好きだけど。その他の内容も他で言われていることをつぎはぎした感じを受けた。読むには面白いけどそれまでという印象。 というか多分筆者の書き方が好みでないのだと思う。好きな方にはごめんなさい。
Posted by
ディーン&デルーカ、ルクエ、コストコなどを知らない「お父さん」向けマーケティング解説本。前述のようなヒット商品を売り場の非日常感と日常を彩る"キラキラ"感を論拠にしリストアップしていくといった構成。 章の終わりにまとめ行ってくれるのも親切で分かりやすい...
ディーン&デルーカ、ルクエ、コストコなどを知らない「お父さん」向けマーケティング解説本。前述のようなヒット商品を売り場の非日常感と日常を彩る"キラキラ"感を論拠にしリストアップしていくといった構成。 章の終わりにまとめ行ってくれるのも親切で分かりやすい。 論拠は変わらず、一貫しているとも言えるが、各章取り上げる物自体は違うものの論が全て似たような帰結に収まるので新発見は最初のみで後半に飽きがきてしまうかもしれない。
Posted by