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中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇 の商品レビュー

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42件のお客様レビュー

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2022/10/14

本を読む時間が取れなくて、久しぶりのブクログです。 そして、読みかけていた別の本も読み切れなくて…。 「わくわくできない事に使う時間はもったいないかな」と ついに リタイアしました。 そして手に取ったのがこの本。 美しい絵に添えられる中野氏の語り口が軽妙です。 この本でギリシャ...

本を読む時間が取れなくて、久しぶりのブクログです。 そして、読みかけていた別の本も読み切れなくて…。 「わくわくできない事に使う時間はもったいないかな」と ついに リタイアしました。 そして手に取ったのがこの本。 美しい絵に添えられる中野氏の語り口が軽妙です。 この本でギリシャ神話が理解できたわけではないけれど びっくり仰天、そして大いに興味をそそられました。 『我々は古典絵画を崇める傾向がありますが、 テレビや映画のなかった昔、 宗教画ですらエンターテインメント性を帯びていた』と中野氏。 けっこうなドロドロ愛憎劇が渦巻いていて、 昼メロなんか 到底足元にも及ばない世界が広がっていたようです。 例えば、全能の神ゼウスは大変な好色家だったとか。 実の姉である妻(ここでまず、びっくり仰天!)のヘラがいながら、 数多くの女性を孕ませてしまいます。 相手が幽閉されていれば黄金の雨に姿を変えて忍び込み、 拒絶されれば女性の夫に変身して思いを遂げるのです。 なんですかっ! そして、“パンドラの箱” で知られるパンドラって、 ゼウスによって創られた人類最初の女性の名前だそうです。 調子に乗っている人間(男しかいなかったそうで)を懲らしめようと、 ゼウスが泥でこねた人形に命を吹き込んで作ったとか。 これをどう解釈しましょうか? また、大地の女神ガイアが息子に夫を殺害させるエピソードも衝撃的。 その身体を切り刻んで七つの海に投げ入れます。(えっ~!) そして、その海のひとつから生まれ出たのがヴィーナス。 『世界最初の殺人事件、それも息子の父親殺しから生を得たこの美女は…』 と、中野氏の軽快な口調で 物語はさらに混迷を深めます。 ギリシャの神々の、なんと自由でのびやかなこと。 こういった物語と共に掲載されている絵画の写真を見て ちょっと愉快な気分になりました。 今度 美術館に行ったら、絵の前でニンマリしてしまいそう。

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2021/10/25

ギリシャ神話の神々のエピソード満載。 ディアナをカチカチ山の兎に見立てた太宰治の話は、面白かった。「御伽草子」再読しなければ。 太宰治、昔読んだ時は、このくらいの短編はこれから山のように読めるのだろうなと思って、小説の入門くらいなら気軽さで読んでいたけど、太宰治以上の短編の書き手...

ギリシャ神話の神々のエピソード満載。 ディアナをカチカチ山の兎に見立てた太宰治の話は、面白かった。「御伽草子」再読しなければ。 太宰治、昔読んだ時は、このくらいの短編はこれから山のように読めるのだろうなと思って、小説の入門くらいなら気軽さで読んでいたけど、太宰治以上の短編の書き手に未だ出会っていないことに最近気づいた。 恐るべし太宰治。中野京子にも教えられる。

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2021/05/16

ギリシャ神話についての知識が全くなかったのですが、絵画を通してよくわかりました。 また読み返したい一冊です!

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2020/11/28

ギリシャ神話も西洋絵画も多少の知識はあったけど、中野さんの解説にかかると魔法のように新たな知識として頭の中に入ってくる。元々は雑誌や新聞のコラムだったのかな?文章がかなり砕けてる。最初に神々の系譜図があるけど、本文にはそれ以上の登場人物が出てきて自分で相関図を書いていたら読了後は...

ギリシャ神話も西洋絵画も多少の知識はあったけど、中野さんの解説にかかると魔法のように新たな知識として頭の中に入ってくる。元々は雑誌や新聞のコラムだったのかな?文章がかなり砕けてる。最初に神々の系譜図があるけど、本文にはそれ以上の登場人物が出てきて自分で相関図を書いていたら読了後はなんかひとつの研究の成果になった感じ(笑)バルトロメウスの『ヘルマプロディトスとサルキマス』か個人的には面白かった。

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2020/01/06

 大学で西洋美術史の単位を取っているのに、知らないことがまだまだ多い。美術史とギリシャ神話について、よい補習になった。  クロッカスに変身したクロクスや時間の精霊ホラなんて初耳だ。B・エヴスリン「ギリシア神話小事典」にも載っていない。  裸婦モデルの外反母趾を指摘する目は流石。眼...

 大学で西洋美術史の単位を取っているのに、知らないことがまだまだ多い。美術史とギリシャ神話について、よい補習になった。  クロッカスに変身したクロクスや時間の精霊ホラなんて初耳だ。B・エヴスリン「ギリシア神話小事典」にも載っていない。  裸婦モデルの外反母趾を指摘する目は流石。眼光紙背の絵画版「眼光キャンバス裏に徹す」。  印象派の台頭で、新古典派の画家は美術史に埋もれてしまった。ルドン「キュクロプス」の芸術性は認める私だが、怪獣ファンとしてはハリーハウゼン映画の一つ目巨人に喝采を禁じ得ない。女神やニンフをリアルに描いてくれるジェロームやブーグローの絵は大好物だ。かといって、モローやブレイクの幻想的表現も棄てがたい。

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2019/02/10

有名な絵もあれば、初めて見る絵もあったが、どれについても面白く興味深い解説がついている。イカロスの墜落のある風景は有名だけど、最近は贋作ということになっている。前景の人物の足の向きがおかしいという指摘で納得。確かにピーテル・ブリューゲル(父)だったらありえないわ。

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2017/07/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書記録です。 兵庫県立美術館で「怖い絵」が始まる前に、イッキ読みしました。この手の本のレビューにはいつも書くんですが、美術品を鑑定する美女が出る某漫画を読んでから、美術館で絵を観るようになって、著者の本でさらに観るおもしろさを知りました。 表紙の絵、素敵ですね~「ピグマリオ(ン)」といえば、某漫画のクルト君を思い出す昭和な私。どんだけ読んでたんだと自分でもあきれるくらい漫画漬けだったけど、雑学としてけっこう役に立つことをモチーフにしていたんだな~、漫画ばっかり読んでアホになるって親に言われてたけど、思いがけず人生の役に立ってるじゃん♪って。 ギリシア神話にも興味を持つこともできて、ホント感謝してます。

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2016/08/29

学校の図書室で読んだギリシャ神話に胸をときめかせていた小学生時代。 「なんで牛と人間の間に子供が生まれるんだろ〜神様って何でもできるんだな〜(っ'ヮ'c)←ピュア」 と、ピュアな疑問を覚えたのも今は昔…。 改めてギリシャ神話もの読む度に、今は思うんです。...

学校の図書室で読んだギリシャ神話に胸をときめかせていた小学生時代。 「なんで牛と人間の間に子供が生まれるんだろ〜神様って何でもできるんだな〜(っ'ヮ'c)←ピュア」 と、ピュアな疑問を覚えたのも今は昔…。 改めてギリシャ神話もの読む度に、今は思うんです。 「こいつら、ド変態やな〜(っ'ヮ'c)」 って← 本作では、そんな欲と煩悩溢れる、愛すべき神々が描かれた絵画を、中野京子がわかりやすく面白く解説しています。 ◎天界の支配者ゼウスにまつわるエトセトラ◎ 牡牛や白鳥だけじゃなく雨になっても子供作らせちゃう天界の支配者。 正妻(ヘラ)に愛人の子供にお乳を与えるよう強いる天界の支配者。 ◎愛の女神ヴィーナスにまつわるエトセトラ◎ 夫を横目に数々の浮名を流す愛の女神。 リンゴをめぐってヘラ・アテナと争った結果、戦争勃発させちゃった愛の女神。 美にこだわるあまり、罪のない女達を売春婦にしたり、気に入らない女を近親相姦の業に貶めたりしちゃう愛の女神。 ◎(多分)世界初のBLのモデルになった太陽神アポロン。 ◎娘溺愛しすぎて(共依存)男に嫁いだらスネて外に出なくなっちゃった穀物神デメテル。 ◎処女性甚だしすぎて、間違って裸覗いただけの男を鹿に変えちゃった月の女神アルテミス。 うーん、なんというわがままし放題で性に放埓な神様達! そんな傲岸不遜でエピソードに事欠かない彼等に、画家やそのパトロン達が魅了されたのも当然かもしれません。

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2016/06/17

中野京子さんの本、第二段です。 「ギリシャ神話篇」ということで、旧約・新約聖書篇より知識が乏しい分、ちょっと呑み込みにくい、こんがらがった部分もありますが…多分ギリシャ神話って気合い入れて読む必要は無さそうなので(知識が無くても、中野さんの独特の弄り倒す文章で)、スキャンダラスな...

中野京子さんの本、第二段です。 「ギリシャ神話篇」ということで、旧約・新約聖書篇より知識が乏しい分、ちょっと呑み込みにくい、こんがらがった部分もありますが…多分ギリシャ神話って気合い入れて読む必要は無さそうなので(知識が無くても、中野さんの独特の弄り倒す文章で)、スキャンダラスな雰囲気で楽しめました。 普通、神話上の女神と言えば、聖母マリアにも似た神聖なイメージ(決してエロティックな眼差しではなく、超越した美という存在として鑑賞しなければならないという約束のようなもの)を勝手に持っていましたが、そこを中野さんは「こいつぁ、外反母趾気味だね」やら、「デブすぎる」やらツッコミまくる。 今回もコミカルで素敵な解説書でした!

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2016/01/16

パンからパニック 嫌われるマルス ヴィーナス 人間くさい神々。 あまり有名じゃない画家も紹介。

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