中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇 の商品レビュー
中野京子氏の著書はすべからく面白い。 名画に対する気負いめいたものが払拭され、作品の魅力がより一層よくわかる。 加えて、ギリシャ神話の面白さときたら、現代の物語よりも理不尽で、恐ろしく甘美である。 そのふたつが合わさったこの本が面白い事はいうまでもないことです。
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著者は『怖い絵』で有名な中野京子。 帯に「面白すぎる神々のドラマ」とあるが、本当にそう。 人間らしいギリシャの神々にちょうど興味を持っていたところだったので、購入。 ギリシャの神々は、ゼウスやヴィーナスなど名前こそ聞いたことがあるものの、各神の関係性はよく知らなかった。 本書の...
著者は『怖い絵』で有名な中野京子。 帯に「面白すぎる神々のドラマ」とあるが、本当にそう。 人間らしいギリシャの神々にちょうど興味を持っていたところだったので、購入。 ギリシャの神々は、ゼウスやヴィーナスなど名前こそ聞いたことがあるものの、各神の関係性はよく知らなかった。 本書の巻頭には「神々の系譜」として、(誰が誰の子供など)家系図のような分かりやすい図が載っている。 これを参照しつつ、本文を読みつつ、アトリビュート(人物を特定する持ち物)を覚えていく。美術館で、今までより有意義な時間を過ごすことが出来そうだ。 それまで世界史の一知識として覚えていただけの絵が、その物語を知ることによって新鮮な感動を呼び起こす。 とっつきやすい文章で初心者にも分かりやすい。 そしてやっぱり、ギリシャ神話面白いなぁ。
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中野京子さんの名画絵解きシリーズ、ギリシャ神話編。 ギリシャの女神について、ちっと調べ中でもあるので、面白かったと共に、大変興味深かったです。 ギリシャ神話って、割とドロドロなのよねw しかし中野さんのツッコミ、好きだ。
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ギリシャ編、という事で、神話の絵画なので その絵にまつわる話もあって、面白かったです。 その時代、何を思って描かれたのかも分かりましたし。 絵の良し悪しは、色がきれいぐらいしか分かりませんが 題材になっている神々は…馬鹿ですか? と 突っ込みたいものが山ほどあります。 が、彼ら...
ギリシャ編、という事で、神話の絵画なので その絵にまつわる話もあって、面白かったです。 その時代、何を思って描かれたのかも分かりましたし。 絵の良し悪しは、色がきれいぐらいしか分かりませんが 題材になっている神々は…馬鹿ですか? と 突っ込みたいものが山ほどあります。 が、彼らもまた運命からは逃れられない存在。 因果応報というか、何というか…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
名画解説でお馴染中野京子さんの本。今回はギリシャ神話編。ギリシャ神話が大好きなので、お話の復習もできる楽しい内容だった。 一番気に入ったのはブリューゲルの「イカロス墜落のある風景」。『赤く燃えたつ太陽に蝋で固めた鳥の羽根、みるみるとけて舞い散った、翼奪われイカロスは墜ちて生命を 失った…』の悲しい場面が描かれている。のだが、墜落してる港の横で、羊飼いが何も気づかずに仕事をしているという切ない名画。父親の助言を軽く見ると、こんなありさまだぞ、と物語っているようだ。これでは『だけど僕らはイカロスの鉄の勇気を受けついで明日へ向かい飛び立った』人なんて一人もいなさそうだ。 確かに「昨日、ここで事件がありました!」なんて時は、「え?!そうなの!!」いう人が大半だと思う。そんな現実的な場面と非現実的な神話とのオリジナルミックスが、ますます絵に惹き込まれる要因かもしれない。 今回もシュールな筆で、飽きることなく読み進められる作品だった。
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ギリシャ神話を題材に描かれた絵画について、著者がその描かれた時代背景、画家、なども交えて解説してくれています。アトリビュートについての知識が西洋文化を味わうためにはとても大事だということがわかります。
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[図書館] 読了:2011/6/2 相変わらず面白いなー。1日で一気に読んだ。 神々の人間(?)関係はおぞましいほどに複雑で、一回読んだだけで頭に入り切るものではなかったが、やはり文章が魅力的なので何度でも読んで理解してやろうじゃないか、という気になる。 好きな絵は、 ・レ...
[図書館] 読了:2011/6/2 相変わらず面白いなー。1日で一気に読んだ。 神々の人間(?)関係はおぞましいほどに複雑で、一回読んだだけで頭に入り切るものではなかったが、やはり文章が魅力的なので何度でも読んで理解してやろうじゃないか、という気になる。 好きな絵は、 ・レンブラント『ダナエ』 (恥ずかしながら初見) ・クリムト『ダナエ』 (これは前から) ・クーザン『エヴァ・プリマ・パンドラ』 ・ティントレット『ウルカヌスに見つかったヴィーナスとマルス』(当時の人は、衿を正して絵画を見ていたとは限らない、ということがよおく分かる) ・コロー『冥界からエウリディケを連れ出すオルフェウス』(森の神秘的な風景がすごい) ・ベラスケス『織り女たち』(言わずもがなの名画) ・ブーシェ『水浴のディアナ』(美しいなー) ・ティツィアーノ『バッカスとアリアドネ』(どっちかっていうと絵にまつわる物語が好き) 付加効果として、色々な外来語の語源が分かるのがおもしろかった。 ・プロメテウスの弟はエピメテウス。先に考える兄と、後悔する弟 ・Januaryの語源は門の守護者ヤヌス ・半人半獣のパンは鋭い笛の音で人々を驚かせた → パニック ・アラクネはギリシャ語で蜘蛛 ・ナルコレプシー(睡眠発作)とナルキッソスは同語源.「眠らせる」「麻痺させる」という意味を含む。 ・「運命」は古代ギリシャ人に「モイラ」と呼ばれた。「割り当て」という意味である。
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オリンポス12神の関係と人間像が分かって良かったなぁ。 わたし、表紙にもなってるピグマリオンのお話が好きだな。
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この著者の本は今まで全くそそられなかった絵画にも興味を持たせてくれるところがまた好き。 ちょっと心理学的な話も出てきて、ナルキッソスの話など「成る程なぁ」という感じ。 自分が主に使っている神々の名前と、一般に通りのいい名前が違ったのにちょっと驚き。 アテナよりミネルヴァ...
この著者の本は今まで全くそそられなかった絵画にも興味を持たせてくれるところがまた好き。 ちょっと心理学的な話も出てきて、ナルキッソスの話など「成る程なぁ」という感じ。 自分が主に使っている神々の名前と、一般に通りのいい名前が違ったのにちょっと驚き。 アテナよりミネルヴァ、ヘパイストスよりウルカヌス、アルテミスよりダイアナよりディアナなのかー。
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