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中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇 の商品レビュー

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42件のお客様レビュー

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2016/01/11

金色の雨と交わるダナエを筆頭に、あぶり出される名画のドラマと謎の数々。 著者は「怖い絵」で一躍名を馳せた中野京子氏。氏の筆一本で、馴染みにくいギリシャ神話が愉快な人間喜劇になるから不思議だ。 個人的には「プッサン『人生の踊り』」の終らない感と「レイトン『ペルセポネの帰還』」に...

金色の雨と交わるダナエを筆頭に、あぶり出される名画のドラマと謎の数々。 著者は「怖い絵」で一躍名を馳せた中野京子氏。氏の筆一本で、馴染みにくいギリシャ神話が愉快な人間喜劇になるから不思議だ。 個人的には「プッサン『人生の踊り』」の終らない感と「レイトン『ペルセポネの帰還』」における無自覚共依存感がじわじわくる。 それにしても、ギリシャの神様方って人間臭い。笑

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2015/05/24

2015/5/23記載。 ギリシャ神話の知識を絵画を通して理解できればと思って購入。なにをもって当時の画家人々は絵画を見ていたのか、それがわかれば絵画の楽しみ方に幅が出るかと思っていたが、読んでいるうちに著者の文章の方に興味が出てきてしまった。 『天の川の起源』の絵画を説明して...

2015/5/23記載。 ギリシャ神話の知識を絵画を通して理解できればと思って購入。なにをもって当時の画家人々は絵画を見ていたのか、それがわかれば絵画の楽しみ方に幅が出るかと思っていたが、読んでいるうちに著者の文章の方に興味が出てきてしまった。 『天の川の起源』の絵画を説明している文章を読んでつい笑ってしまった。ゼウス、ヘラ、クピド…お前ら面白すぎ。こういうポップな解説は新鮮だった。

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2015/04/06

クリムトのダナエがまるでポルノな言われようでちょっとショックでしたが、そもそもこれは名画礼賛の姿勢を崩して、気楽に絵柄を楽しもうよという本。 神話の登場人物のアトリビュートの説明がミーハー的熱狂感でなんてゆうか可愛い。そこから導かれる人物相関図や絵画のテーマなどが分かりやすく、...

クリムトのダナエがまるでポルノな言われようでちょっとショックでしたが、そもそもこれは名画礼賛の姿勢を崩して、気楽に絵柄を楽しもうよという本。 神話の登場人物のアトリビュートの説明がミーハー的熱狂感でなんてゆうか可愛い。そこから導かれる人物相関図や絵画のテーマなどが分かりやすく、ときに俗っぽく、そしてときには過去の評価を「これは俗っぽすぎたよね」なんて雰囲気で貶したりしていて、絵画大好きな人が語る絵画のなんて魅力的なことか。 知らなかった絵もいくつかあり、たいへん楽しめました。

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2014/07/22

”太り過ぎ?” こんな直球を名画に投げられるのは、筆者ぐらいだろう。そして、確かに・・とうなずく読者の気持ちを察するかのように、それは我々が「痩せ礼賛」の文化に浸かっているだけだと、筆者は説く。 本書は厳選したギリシャ神話の20の物語からなり、名画たちがそれぞれの話の中に、数点...

”太り過ぎ?” こんな直球を名画に投げられるのは、筆者ぐらいだろう。そして、確かに・・とうなずく読者の気持ちを察するかのように、それは我々が「痩せ礼賛」の文化に浸かっているだけだと、筆者は説く。 本書は厳選したギリシャ神話の20の物語からなり、名画たちがそれぞれの話の中に、数点おさめられている。ゼウスにまつわる話が4話、ヴィーナスにまつわる話が6話、アポロンにまつわる話が4話、その他の神にまつわる話が6話で構成されており、一話あたり83円だ。カラーページの絵画も含めてこの値段とは、実に安い買い物ではなかろうか。 筆者は絵画を鑑賞する際、構える必要は決してない、と説く。当時の人達にとって絵画は「娯楽」であったのだから、もっと肩の力を抜いて、気軽に楽しむべきだと力説する。 そうは言っても、現代人にとってギリシャ神話の絵画鑑賞となると、ある程度の基礎知識が必要であるし、物語を知れば知るほど、謎に満ちていて理解に苦しむ。それに加えて、じっくり鑑賞するにはヌードが多すぎて、凝視するのは抵抗がある。そんな我々を最高神のゼウスは天空から俯瞰し、絶対的な余裕でヌーディな美女を次々と口説き、確実に愛を満たしてゆく。羨ましくもあるが、かなり度を超えている。他の神々も負けてはおらず、不倫、近親相姦、ボーイズラブと自らの愛欲を貫く。もう、何でもありなのだ。人々が親しみ連綿と伝えてきた神話を堅苦しい道徳に当てはめるなど、ばかげているのかもしれない。やはり筆者のように、娯楽と思って楽しむべきなのだ。 そんなギリシャ神話を、天才画家たちはそれぞれの想像と筆にまかせて、自由に描く。 繊細で物悲しく、優美でやるせなく、官能的で忘れがたく、名画は語る。その悩ましい作品すべてを、余すことなく解説してゆく筆者はまさしく見巧者だ。日本人にとって縁遠いギリシャ神話は、本書を読んだ者にとっては遠い過去の話となる。心ゆくまで神々のいたずらな人生を堪能しよう。

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2014/03/09

美術はやたらありがたがるのではなく、こうやってツッコミを入れながら鑑賞するのが正しい方法だと思う。でもツッコミを入れるには、深い知識や教養が必要。次の『陰謀の歴史篇』、『旧約・新約聖書篇』も楽しみ。

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2014/01/21

図像学を使って、神話をテーマにした西洋絵画の鑑賞の仕方を手ほどきしてくれます。若桑さんのイコノロジー(図像解釈学)入門よりもずっと敷居が低くて楽しく読めました。

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2013/08/31

女性が書いてるような文だなーと思っていたらその通りだった。 個人的にはこういう文章はあまり好きではないです。 絵画に秘められてる背景を知ることで、もっとよく理解できるのでこういう本は積極的に読んでいこうと思う。 もうちょっと絵が大きく載ってればなー。

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2013/08/24

ギリシャ神話を題材にした名画を,中野京子さんらしい冗談まじり の面白い解釈で解説しています.男女の関係に関しては若干, 偏見が入っているような気がしないでもないですが,それはそれ で面白いです. ギリシャ神話といえば神様(主にゼウス)と人間の恋愛話が原因 で騒動が起きる話と,動...

ギリシャ神話を題材にした名画を,中野京子さんらしい冗談まじり の面白い解釈で解説しています.男女の関係に関しては若干, 偏見が入っているような気がしないでもないですが,それはそれ で面白いです. ギリシャ神話といえば神様(主にゼウス)と人間の恋愛話が原因 で騒動が起きる話と,動植物の形や特徴,自然現象などを神様で 説明しようとする話が多いですが,私はどちらも好きです.

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2013/04/25

怖い絵シリーズを読んでたので、たまたま本屋で見かけて購入。 この手の本はやっぱり読んでて単純に楽しいね。コスモを感じます。 ギリシャ神話はややこしいからいくつ読んでもエピソードが断片的にしか頭に入らなくて、美術館では思い出せずに悶々するけど。

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2013/03/09

「怖い絵」シリーズ。こちらは「絵解き」というより、絵をきっかけにギリシャ神話を紹介してる、お話主体のイメージでした。 ギリシャ神話を知ってる人にも、まったく知らない人でも楽しめる読み物かも。 さて、同じ神話をテーマにしていても、画家によって、全然違う描かれ方になってるので、見...

「怖い絵」シリーズ。こちらは「絵解き」というより、絵をきっかけにギリシャ神話を紹介してる、お話主体のイメージでした。 ギリシャ神話を知ってる人にも、まったく知らない人でも楽しめる読み物かも。 さて、同じ神話をテーマにしていても、画家によって、全然違う描かれ方になってるので、見比べる面白さがありますね。個人的にはモローが好き。 また、時を超えて残っている絵画=偉大な芸術って感覚で絵を見てましたが、昔々、描かれた当時は、また違う楽しみ方だったという話も興味深いところでした。

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