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きみはポラリス の商品レビュー

3.4

1008件のお客様レビュー

  1. 5つ

    142

  2. 4つ

    277

  3. 3つ

    355

  4. 2つ

    107

  5. 1つ

    24

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2024/05/07

読む前は帯に「最強の恋愛小説集」とあったのが引っかかったが、恋愛小説にトキメキと抑えきれない衝動を求める私には畑違いの短編が並んでいたので少し拍子抜けした。共感しないということではない。良かったのは「冬の一等星」と「森を歩く」。前者は車泥棒に盗まれた車の後部座席に偶々ノッていた8...

読む前は帯に「最強の恋愛小説集」とあったのが引っかかったが、恋愛小説にトキメキと抑えきれない衝動を求める私には畑違いの短編が並んでいたので少し拍子抜けした。共感しないということではない。良かったのは「冬の一等星」と「森を歩く」。前者は車泥棒に盗まれた車の後部座席に偶々ノッていた8歳の私と車泥棒の文蔵との間で繋がった感情、信頼。 「そんなとき私は、文蔵と見た夜空を思い起こす。全天の星が掌に収まったかのように、すべてが伝わりあった瞬間を。あのときの感覚が残っているかぎり、信じようと思える。伝わることはたしかにある、と。」 共感する。しかし恋愛ではなく、心の繋がり、絆、という感じだ。 「森を歩く」は世間一般的にはダメ男に区分けされるだろう捨松の魅力を別軸から見る。自分が自分らしくいれる、自分が求めている暮らしへの切符を間違いなく持っているパートナーとの生活。そして他人には理解されなくても自分的には調和の取れた幸福。もちろん恋愛には自分にないものを求める本能はある。とはいえ、こうなると恋愛ではなく自分にとって居心地の良い居場所の話に読める。 恋愛ってなんだ?という問いはいくつかの短編の中でも提起される。同性に対して一緒にいたい、という気持ちと、異性に対して一緒にいたい、セックスしたい、との気持ち。その違いはセックスの有無だけか、と。だから友情なのか同性愛なのかわからない話もある。家族への愛情、同性同士の友情、幼い者への愛情、ペットへの愛情…それと恋愛の狭間を描いて読者に考えさせる意図だろうか。でも、そこには線を引いてほしい。 現代は個人の自由が優先されるようになり社会的偏見や束縛も表面的には無い時代なので、燃え上がる恋愛小説が書けなくなってしまったのだろうとつくづく思う。だから不治の病とか時空の壁に逃げて縛りを作ってきたけれど、パターン化されてしまったので、これも最近飽きてきた。書き手にとっては冬の時代ですね。人それぞれにそれぞれの「恋愛」はあると思うけど、恋愛は恋愛で、やはりいつまでもトキメキを伴っていてほしいものです。 まとめると、この短編集は「最強の恋愛小説集」ではなく私的には「最強の愛情小説集」である。

Posted byブクログ

2024/04/29

森を歩く、と優雅な生活、が好きかなあ。無神経を装って残酷にふるまいたくなることはきっと誰にでもあるなあ。

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2024/04/11

しをんさんの短編集、これともう一つ2つ読みました。 どちらも世にも奇妙な物語に出てきそうな、不思議な気分になるお話しがあって面白かった。

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2024/04/07

恋愛、それも細分化されたテーマごとに書かれた短編集。 春太の毎日という話は、わたしが10代のころに夢中になった少女漫画「まっすぐにいこう。」のマメといくちゃんの関係のようで、読んでて懐かしく感じた。

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2024/04/03

普段あまり恋愛小説は読まないのですが、 短編集ということもあり、 飽きずに読むことができました。 笑えてくる話や少しゾッとする話、 同じ恋愛がテーマなのにこんなにもたくさんのテイストの違う物語が作れるなんて!作者に脱帽です。 ちなみに、この「きみはポラリス」というタイトル。 ...

普段あまり恋愛小説は読まないのですが、 短編集ということもあり、 飽きずに読むことができました。 笑えてくる話や少しゾッとする話、 同じ恋愛がテーマなのにこんなにもたくさんのテイストの違う物語が作れるなんて!作者に脱帽です。 ちなみに、この「きみはポラリス」というタイトル。 普通、短編集のタイトルって数ある短編の中のタイトルのどれか一つが使われることが多いと思いますが、この小説の中に同じタイトルの作品は登場しません。 それについての解釈を解説で、中村うさぎさんが説明しているのですが、それがものすごく説得力があって、かつ素敵でした。 この中村さんの解説含めてこの「きみはポラリス」という作品が完成するのだと思いました。

Posted byブクログ

2024/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋愛小説は苦手ジャンルだと思っていたのでなんとなく避けてきたけれど、なんだか惹かれた。 解説を読んで、「秘密」が共通点というのがしっくりきた。けっして凡庸ではない恋愛が描かれたけれど、秘密があることで生々しく、奥行きがあった。冬の一等星が好き。

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2024/03/28

カタチに囚われない最強の恋愛小説集。 11個もお話あって、ほとんど良きなんだけど 中でも好きなのが#永遠に完成しない二通の手紙 #裏切らないこと#私たちがしたこと #ペーパークラフト#森を歩く#冬の一等星 かなぁ 裏切らないこと、は電車で読んでてちゃっかり泣いた

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2024/03/26

どうして恋に落ちたとき、ひとはそれを恋だとちゃんと把握できるのだろう。 すべての恋愛は、普通じゃない――誰かを強く大切に思うとき放たれる、宇宙にただひとつの特別な光。最強の恋愛小説短編集。 どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、...

どうして恋に落ちたとき、ひとはそれを恋だとちゃんと把握できるのだろう。 すべての恋愛は、普通じゃない――誰かを強く大切に思うとき放たれる、宇宙にただひとつの特別な光。最強の恋愛小説短編集。 どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。 11の短編が収録されており、その全て恋愛小説! 全て王道な感じではなく、少し捻られた内容で良かった。 「冬の一等星」と「春太の毎日」が特に良かった!

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2024/03/09

ハズレのない短編集で、未だに本棚の1番前の列にある本。言葉でいくら定義しても、この地球上にひとつとして同じ関係性はない。ほんとにこの通りで、色んな愛が見えるけれどくどくもなくて、押し付けがましくもなくて、綺麗で好きです。

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2024/03/05

それぞれの愛の形が認められていく様子が心地よかった。現代では、こんな男がモテるとか、こんな女は捨てたらだめだとか言われるけど。。。 そうじゃなくて、この人と人生を歩みたいと私が思ったならそれで良いじゃない。こんなこともあったけど、それでも愛する、それで良いじゃない!と、いろんな愛...

それぞれの愛の形が認められていく様子が心地よかった。現代では、こんな男がモテるとか、こんな女は捨てたらだめだとか言われるけど。。。 そうじゃなくて、この人と人生を歩みたいと私が思ったならそれで良いじゃない。こんなこともあったけど、それでも愛する、それで良いじゃない!と、いろんな愛の形を認めていくところがよかった!

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