国道沿いのファミレス の商品レビュー
ファミレスの社員として働く社会人三年目の佐藤善幸の視点で語られる、首都圏からやや離れた小さな町を舞台にしたライトノベル。平凡ながらも少し特殊な事情を抱えた家族や友人、職場の人達との関わりで少し成長していく姿が描かれる。 どんな作品か予備知識無しに読みはじめて、よくも悪くも「最近...
ファミレスの社員として働く社会人三年目の佐藤善幸の視点で語られる、首都圏からやや離れた小さな町を舞台にしたライトノベル。平凡ながらも少し特殊な事情を抱えた家族や友人、職場の人達との関わりで少し成長していく姿が描かれる。 どんな作品か予備知識無しに読みはじめて、よくも悪くも「最近の日本映画の典型みたいな描き方」という印象だった。小さな町、というより昔の「村」を彷彿とさせるようなプライバシーのない地域でそれぞれの私生活は丸見えになっていて、それによる軋轢がたくさん生まれる。感情移入しづらい登場人物が多くはあるが、後半は続きが気になって一気に読んだ。そこそこ楽しんで読めた。
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小説すばる新人賞受賞作 人の心の機微が、するすると描かれて読みやすい作品だった。 ほとんど愛人のもとにいて、帰宅しない父親 あれ?って思う設定だが、読みゆくうちにその父親像はするっとはいってくる どの人物設定もなかなかあり得ないが、作者の手にかかると、あらそうなのねと納得してしま...
小説すばる新人賞受賞作 人の心の機微が、するすると描かれて読みやすい作品だった。 ほとんど愛人のもとにいて、帰宅しない父親 あれ?って思う設定だが、読みゆくうちにその父親像はするっとはいってくる どの人物設定もなかなかあり得ないが、作者の手にかかると、あらそうなのねと納得してしまう。 不思議な作家だ。 欲を言えば、粧子との距離感がなくなっていく過程を、もっと書き込んで欲しかった。 小説の最終話に近づくにつれて、時間を急ぎすぎた感が否めない。
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本当に一筋縄ではいかない人間模様。 読んでいてなんか辛いのは、煮詰まった人間関係?閉塞感? 大黒柱であるはずの父親の開き直ったふらふら感かな、最後まで心落ち着かない話でした。
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SNS上で誹謗中傷されて順調にいけばあと半年で本社勤務になれる予定だったのに左遷された主人公。左遷先は自分の地元で自分もよく行っていたファミレス。 ゆがんだ家庭、ハーフ顔の明るい友人、ナンパされて付き合い始めた新しい彼女、職場での人間関係・・・を通して自分の人生を受け入れていく様...
SNS上で誹謗中傷されて順調にいけばあと半年で本社勤務になれる予定だったのに左遷された主人公。左遷先は自分の地元で自分もよく行っていたファミレス。 ゆがんだ家庭、ハーフ顔の明るい友人、ナンパされて付き合い始めた新しい彼女、職場での人間関係・・・を通して自分の人生を受け入れていく様が描かれているように感じます。 読みながら「この作者の方絶対にチェーン系の飲食(ファミレスとは限らないけど多分ファミレスとかファーストフードとかそういう)の経験あるだろ」と思ってたけどやっぱりファミレス勤務されていた方だったのね。 描写が結構リアルでした。
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日常のいくつかの人間関係(バイト先、家族、恋人、幼なじみ)をこんなにも長くかけてるのはすごいと思った。
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いやー。 ちょっと、いや、かなりビックリの展開だわ。 そして今の若い子ってこんなに簡単にヤるの?って。 ある程度生きてれば、人には言えないコトってあるもので、それは家族関係に関するコトってかなり高いと思うのね。 触れてほしくないコト。 で、ここの佐藤くんが住んでる地域って、日...
いやー。 ちょっと、いや、かなりビックリの展開だわ。 そして今の若い子ってこんなに簡単にヤるの?って。 ある程度生きてれば、人には言えないコトってあるもので、それは家族関係に関するコトってかなり高いと思うのね。 触れてほしくないコト。 で、ここの佐藤くんが住んでる地域って、日本のちょっと街から離れたとこ、ってこんなもんだと思うの。 噂話に溢れてて、まさか知られていないだろう、ってコトをフツーにみんな知ってる、みたいな。 あるある、だよね。 それを粘っこくなくてサラッと書いてる。いや、中身はエグいんだけどさ。 友達は数じゃなく、一人でも信頼できる大好きな人がいれば充分、っていうのは真実だと思う。 シンゴが居てくれて良かったね!
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仕事と恋と…なんてテーマの作品はたくさんあるだろうけど、この作品のように場所が‘ファミレス’だったりすると、親近感が湧く。ラストは丸く納まり何だかいい感じ♫
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複雑な家族関係のユキと、これまた複雑な家族関係の幼なじみのシンゴ。 複雑過ぎるけど結局丸く収まる。 なんかがとにかくすごかった(笑) 2018.2.15 読了
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
地元のファミレスに飛ばされたユキ。 立派な社会人を目指していたはずが、 田舎町のファミレスでくすぶる日々。 女癖の直らない父ちゃんと 一家を支える母ちゃんとじいちゃん。 繊細な幼馴染のシンゴと いつの間にかシンゴの恋人になっていた高校の同級生の吉田さん。 逆ナンから彼女になった綾ちゃんの 昔の恋人の正体。 ファミレスの人たち 派閥とツンデレの粧子さんとバイトの星野君。 綾ちゃんが父ちゃんとできてたとか 星野君やらかすなとか、粧子さんと最後に付き合うなとか 展開が読めてしまったが 最後の妊娠はきついけど 面白かったよ。
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+++ 第23回小説すばる新人賞受賞作 仕事上のトラブルで左遷され、6年半ぶりに帰郷した善幸。一見静かな町では、親友、家族、恋人、そして勤務先のファミレスでも、一筋縄ではいかない人間関係が・・・。現代をリアルにすくう青春小説。 +++ これが現代をリアルにすくっているとしたら、...
+++ 第23回小説すばる新人賞受賞作 仕事上のトラブルで左遷され、6年半ぶりに帰郷した善幸。一見静かな町では、親友、家族、恋人、そして勤務先のファミレスでも、一筋縄ではいかない人間関係が・・・。現代をリアルにすくう青春小説。 +++ これが現代をリアルにすくっているとしたら、現代って一体なんなのだ、と思わなくもないが、現代に生きる人間も多様なのだから、こんな現代もあるかもしれないということで一応納得する。主人公のチェーン店のファミレス社員・佐藤善幸も、その父も、善幸の恋人の綾も、その他の登場人物たちも、ほとんどが、なにに対しても行き当たりばったりの「なんとなく」な印象なのが、ものすごくもやもやしてしまう。シンゴ(とその恋人の吉田さん)が辛うじて、総崩れになるのを食い止めているように思われる。ラスト近くになってようやく、善幸の芯にわずかな力を感じられるようになったのがせめてもである。何気ない日常が興味深く読めるのは、やはり人物ありきなのかもしれないと思わされた一冊でもある。
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