かかわり方のまなび方 の商品レビュー
ファシリテーターへのインタビュー本です。 その中の、伊勢達郎さんの言葉が、私のchangeのきっかけで、とても大好きな考え方です。「引き出す」より「あふれだす」 きりちゃん
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西村さんの書籍は面白い。仕事について考えさせられる。自分の仕事は本当に自分を活かして働けているだろうか。そんな思いが沸いてくる。
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聞いたことは忘れる。見たことは憶える。体験したことは理解する。発見したことは活用できる。 Iがないとメッセージは一般論になる。
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ある日とても沈黙の長い電話がありました。「覚悟を決めたので、最後にどなたかとお話しをして・・」という言葉から始まった。真夜中ですよ。私は、座りなおして、「ああそうですか」と。「もう死ぬことを覚悟して、最後にお電話をくださったんですね」と言ったんです。 歳は幾つぐらいだろう、結婚し...
ある日とても沈黙の長い電話がありました。「覚悟を決めたので、最後にどなたかとお話しをして・・」という言葉から始まった。真夜中ですよ。私は、座りなおして、「ああそうですか」と。「もう死ぬことを覚悟して、最後にお電話をくださったんですね」と言ったんです。 歳は幾つぐらいだろう、結婚しているんだろうか、子どもはいるんだろうか、仕事をしているんだろうかとかいろいろ質問したくなる。でも質問したいのはいったい何かというと、知って自分が落ちつきたいだけ。そんなこと、この人には関係ない。 電話の向こうの彼女は、しばらくして、「・・はい」とおっしゃいました。こちらはすごく葛藤が大きかったけれど、質問はせずに「本当に、もう、覚悟をお決めになったんですね」と言ったら、しばらくしてまた「・・はい」とおっしゃる。とても重たかった。 「ああ、そうですか。本当に本当に、決心してお電話くださったんですね」と、少しずつ、言い方を変えながら応えていきます。するとまたしばらくして、「・・はい」とおっしゃる。私は「そうですか、なるほど・・」と。 そんなふうに決心してらっしゃる人を、変えるわけにはいかないですよ。受け容れざるを得ない。場合によっては、自殺の方法を訊いてみることもあるんですが、この電話では私はしませんでした。 そうしているうちに「もう決心は固いんですねえ」と言ったら、「ええ・・」と小さな声でおっしゃって。「・・でもね」という言葉がつづいたんです。 しばらく間をおいてから、「先ほど『でもね』とおっしゃいませんでしたか?」と申し上げた。そうしたらまた黙って。「・・ええ、言いました」と。「・・なにか引っ掛かってらっしゃるんでしょうか」と申し上げたんです。そしたら、再び黙って。 ここの沈黙は本当に長かった。心の中を精密にスキャニングなさっていたんじゃないか。そんな沈黙だったと思います。そして小さな声で。大切なことは小さな声でおっしゃるんですよ。「・・裏切りでしょうかね」とおっしゃったの。 「あなたが自殺をなさることが、裏切りかもしれないということが、引っ掛かってらっしゃるんですか?」と尋ねたら、また長いこと黙られて。その後で「・・はい」とおっしゃるのね。こっちもまた黙って、その「・・はい」を噛みしめて。 しばらくして、「どなたに対してですか?」と尋ねてみたんです。そしたらまたお黙りになって。 長い沈黙があってから、「・・子どもにね」とおっしゃった。そこで初めて子どもがいるんだ、とわかった。「ああ、お子さんにですか・・」と申し上げました。彼女の中で、子どもに対する何かが浮き上がってきたんでしょうね。そしてまた、二人とも何も話さない沈黙の時間が過ぎて。彼女が「・・ありがとうございました」って。「ご安心ください。今日は自殺いたしませんから」とおっしゃった。全部で50分ほどの電話でした。 −−西原さんやスタッフのほうから、能動的に動くことはないのですか? 自分を安心させるための質問はしません。たとえば今の話でも子どもがいると知って、「お幾つですか?」なんて訊きません。 言葉は生きていて、それを投げかけられると聴いている私の内面にもいろいろな感じが生まれる。生まれたその「感じ」を一度受け容れて、消化して、言語化する作業を、できるだけ丁寧にしているんです。(p.13) 大事なのは、立場やコミットメントをとれるかどうか、とるかどうかです。”引き受け方”と言ってもいいと思う。 自分に「出来る」から引き受けるんじゃない。結果は後からついてくるもので、まずは器としてその立場をとるかどうか。そこが大事だと思います。 子育ても同じですよね。本当に育てられるかどうかなんて、生まれてくる前は誰もわからない。そこで自信が持てなくて、本やテレビから知識を得ようとする。ところが学べば学ぶほど逆に自信を失っていったり。あれも出来ていないしこでも出来そうにないって。 でも大事なのは「何があってもこの子は育つし、自分は育てるんだ」という立場のとり方、引き受け方です。”あり方”ですね。(p.74)
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働き方研究家の西村佳哲さんの本。人を相手に仕事をしている人たちとのインタビューを収録している。ワークショップに関する話が多く、とても参考になる。関連・参考文献が興味深いので、これをもとにさらに広がりを持たせることも可能。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わたしは基本、一人の世界にこもって、 ものづくりをするのがとても好きな人間なのですが、 最近、それに没頭するがあまり、 「人とかかわること」の扉を閉ざしかけていました。 でも、そんな自分ではいけないこともわかっていた。 そこで、西村さんの「インタビューの教室」に 参加を申し込んだのですが、 深くて、静かで、生きる力がわいてくる 「かかわり方」を、言葉や技術ではなく、 姿勢というか、存在そのもので教えていただきました。 ファシリテーターの心がちゃんと 「今ここにある」ことで、 そこにいるすべての人がつながり、 安心して、何かを自分でつかんでいく、という 不思議な体験…。 ファシリテートとか、ワークショップとか、 そういった言葉の意味すら、全然知らなかった私なのですが、 人間がだけが可能な「人とかかわること」のすごさ、すばらしさを、 人の話を「きく」という体験を通して初めて知り、 世界が何倍にも広がって見えるようになりました。 教室から帰ってから、 この本をはじめて読んだのですが、 「なるほど、そういうことだったのですね!」 とあらためて頷いてしまうことしきりでした。 「かかわり方」によって、相手や自分や 周りの人までが、本来の自分の力を発揮して よりよく生きることができるようになる…。 これは人間が持つ、素晴らしい魔法のようなものです。 私は人間がとても愛おしくなりました。 このかかわり方を、私もぜひ、現実の世界で 役立てていきたい。 そのためにも、この本、何度も読み返すことに なると思います。
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ここ数年、自分が感じていた場での自分のあり方や場のつくり方に対するもやもや感を説明してくれる本と出会えた。 人とのかかわり方には幾通りもあるが、彼や彼の紹介してる人々の流儀がストンと入ってきた。 存分に意識して(るようじゃだめなのかもしれないけど)将来の生き方や仕事の仕方として取...
ここ数年、自分が感じていた場での自分のあり方や場のつくり方に対するもやもや感を説明してくれる本と出会えた。 人とのかかわり方には幾通りもあるが、彼や彼の紹介してる人々の流儀がストンと入ってきた。 存分に意識して(るようじゃだめなのかもしれないけど)将来の生き方や仕事の仕方として取り込んでていく。 購入してもう一度読もう。
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ずっとずっと読みたかった本の一つ。読めてよかったースッキリ 最初のインタビュー部分はとっても面白かった。この一冊だけで、たくさんの人に会ってお話できた感覚だった。得るものもおおきかった。私がほしい情報がダイレクトに書かれていたりしたなぁ。 でもどんどん章が進むにつれて、なぜこの問...
ずっとずっと読みたかった本の一つ。読めてよかったースッキリ 最初のインタビュー部分はとっても面白かった。この一冊だけで、たくさんの人に会ってお話できた感覚だった。得るものもおおきかった。私がほしい情報がダイレクトに書かれていたりしたなぁ。 でもどんどん章が進むにつれて、なぜこの問題に直面したときにこのように言えるのかが科学的に証明されてなくて、感情で宗教っぽく諭されている印象を受けてしまったなぁと思った。だからなるべくだまされないように、「本当か?」と思いながら疑いの目を忘れずに読んでいました。 参考になる部分は多いけど、書いてあることを信じすぎてしまうと宗教みたいになりそうw
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ワークショップやファシリテーションについて筆者がいろんな人に聞いたあれこれをまとめた本。インタビュー形式で、間に筆者の感じた疑問などが差し挟まれている。 大上段から「ファシリテーターとはこうあるべき」と言っている本じゃない。だから明確な答えを欲している人ではなく、読みながら、筆者...
ワークショップやファシリテーションについて筆者がいろんな人に聞いたあれこれをまとめた本。インタビュー形式で、間に筆者の感じた疑問などが差し挟まれている。 大上段から「ファシリテーターとはこうあるべき」と言っている本じゃない。だから明確な答えを欲している人ではなく、読みながら、筆者と一緒に考えていくような人に向いている。私自身は、自分の仕事のファシリテーション的役割に思いを巡らせながら、楽しく読むことができた。
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場に人はどう関わるべきなのか? ファシリテーターと場の関係とはどのようなものなのか? 関わることの是非と、その背後にある在り方をどうとらえるのか、 ちょっとヒントをくれそうな一冊です。
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