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ピエタ の商品レビュー

4

297件のお客様レビュー

  1. 5つ

    78

  2. 4つ

    126

  3. 3つ

    58

  4. 2つ

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2025/01/19

美しい純文学に触れられたという満足感。 本当に美しい作品だった。 文章も描かれるストーリーも情景も、全てが美しい。 300年前のヴェネツィアが舞台というだけで、なんだか重厚感があるし、音楽と教会に関連する人々のドラマっていうのも、品がある。 「荘厳で美しい」というワードがピッ...

美しい純文学に触れられたという満足感。 本当に美しい作品だった。 文章も描かれるストーリーも情景も、全てが美しい。 300年前のヴェネツィアが舞台というだけで、なんだか重厚感があるし、音楽と教会に関連する人々のドラマっていうのも、品がある。 「荘厳で美しい」というワードがピッタリの、うっとりする読書時間を過ごせた。 ヴィヴァルディに関わった人々のお話だから、ヴィヴァルディにも興味が湧いた。 学校の音楽の時間に習っただけの「名前だけ知っている人」だったけど、「へ〜、こんな人だったのか。」と、自分でも調べて知った。 アンナ・マリーアもオペラ歌手のジロー嬢も実在したらしい。 これから、ヴィヴァルディの曲を聴いた時は、ピエタの娘たちを思い出すやろうな〜。 こういう上質な文学って、爽やかで気持ちいいな〜。

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2025/01/16

オーディブルで聴きました。 綺麗なお話。クラウディアさんが男前。なぜ女前と言わないのだろう。。というのは置いておいて、かっこいい。 最初からわりと穏やかなストーリー展開と思っていると、最後の追い込みが怒涛のようにやってくる。 いつかベネチアにじっくり滞在しながら、またこの物語...

オーディブルで聴きました。 綺麗なお話。クラウディアさんが男前。なぜ女前と言わないのだろう。。というのは置いておいて、かっこいい。 最初からわりと穏やかなストーリー展開と思っていると、最後の追い込みが怒涛のようにやってくる。 いつかベネチアにじっくり滞在しながら、またこの物語を読みたい、というか、読書もしてしまうくらい、観光も飽きて、異国でパスタ食べてワイン飲んでのんびりしたい。

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2025/01/08

よりよく生きよ。 よりよく生きよ。   ピエタに捨てられた孤児 司祭であり音楽家 高級娼婦 貴族の未亡人 ゴンドリエーレ それぞれ違う世界で生きているようでも、 少しずつの偶然のような関わりが全て繋がっていくのが心地よい。 ひとつひとつの繋がりがとても美しくてとても強いので...

よりよく生きよ。 よりよく生きよ。   ピエタに捨てられた孤児 司祭であり音楽家 高級娼婦 貴族の未亡人 ゴンドリエーレ それぞれ違う世界で生きているようでも、 少しずつの偶然のような関わりが全て繋がっていくのが心地よい。 ひとつひとつの繋がりがとても美しくてとても強いのです。それぞれにとって人生の宝物のような時間をちょっとずつ見せてもらった感じです。 なんだろう。 ストーリーは決して軽くはないのに。 なぜだろう。 癒されます。

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2024/11/25

18世紀のヴェネツィアにあるピエタ慈善院のお話。 今で言う赤ちゃんポストがこの時代にはもうあったということに驚いた。しかも、その子に合わせてしっかりと教育もされ、社会に出ていけるようにしていた様子。 そこに関わる色々な女性が出てくる物語です。 孤児、貴族、高級娼婦、薬屋、歌手、...

18世紀のヴェネツィアにあるピエタ慈善院のお話。 今で言う赤ちゃんポストがこの時代にはもうあったということに驚いた。しかも、その子に合わせてしっかりと教育もされ、社会に出ていけるようにしていた様子。 そこに関わる色々な女性が出てくる物語です。 孤児、貴族、高級娼婦、薬屋、歌手、演奏家…どの女性もそれぞれに抱えているものがあり、立場は様々だけど気持ちの良い交流がありました。 みなどこか、女性というだけで生きづらい時代だったのだろうなぁと感じました。今の日本もさほど変わらないかもしれないとも思うし、この頃よりはいくらかマシなのかなぁとも思いました。 最後はいろいろ謎もとけて、爽やかな物語でした。

Posted byブクログ

2024/10/14

18世紀、"水の都"ヴェネツィアが舞台。 ピエタ慈善院で育ったエミーリアを語り手に音楽教師のヴィヴァルディとピエタの娘たちの人生が描かれていく。 音楽院でのアントニオ・ヴィヴァルディの姿があり有りと浮かんできた。ピエタの娘アンナ・マリーアをヴァイオリンの名手...

18世紀、"水の都"ヴェネツィアが舞台。 ピエタ慈善院で育ったエミーリアを語り手に音楽教師のヴィヴァルディとピエタの娘たちの人生が描かれていく。 音楽院でのアントニオ・ヴィヴァルディの姿があり有りと浮かんできた。ピエタの娘アンナ・マリーアをヴァイオリンの名手に育て上げた話や、オペラ歌手のアンナ・ジローを指導していたことが史実だと知りわくわくしながら読んだ。 冬のカーニバルの日、エミーリアがピエタを抜け出し親を探しに行くところが印象に残った。保護されている小さな世界から外に一歩踏み出すことは、怖くても慈善院のスカフェータに捨てられた彼女にとって通らなければならなかった道のように思う。 貴族の娘ヴェロニカに頼まれ楽譜を探すうちに、ヴィヴァルディに関わる人たちと次々に繋がってゆく。コルティジャーナのクラウディアからヴィヴァルディの違う一面も知った。貴族社会を憂うクラウディアと孤独なヴェロニカが繋がる場面がとても良かった。 終盤、楽譜に書かれた詩の謎が思いがけない形で明かされた時には思わず声を上げてしまった。   むすめたち、よりよく生きよ。  むすめたち、よりよく生きよ。 重なり合った歌声が遠いヴェネツィアの海を越えて聞こえてくるように思えた。   ☆4.5          

Posted byブクログ

2024/03/30

浸った。 本を開けば別の世界へゆける感覚。 語られないことや余白が、深みへとつながる。 聞く勇気がなかったのではなく、聞く必要がなかったと気づく衝撃。 終わらせることは話すこと、手放すこと。 独りよがりであったと気付かされると、見方が変わり、他者も自分も受け入れはじめる。

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2024/04/28

ピエタ慈善院で孤児として育ったエミーリア。 共に育ったピエタの〈合奏・合唱の娘たち〉でヴァイオリンの才能を発揮したアンナ・マリーア。 音楽院でもあるピエタ慈善院で長期に渡り音楽の指導をしていた作曲家のアントニオ・ヴィヴァルディ。 教養の一つとしてピエタに楽器を習いに通っていた、裕...

ピエタ慈善院で孤児として育ったエミーリア。 共に育ったピエタの〈合奏・合唱の娘たち〉でヴァイオリンの才能を発揮したアンナ・マリーア。 音楽院でもあるピエタ慈善院で長期に渡り音楽の指導をしていた作曲家のアントニオ・ヴィヴァルディ。 教養の一つとしてピエタに楽器を習いに通っていた、裕福な貴族ドゥオド家のヴェロニカ。 ヴェロニカはかつてヴィヴァルディからもらった練習用の譜面の裏に詩を書き、その譜面を見つけ出したら大口の寄付をしても良いと言う。 その譜面探しから様々な人々に出会って行く。 その面々とは、ヴィヴァルディに才能を認められ一躍有名になったアンナ・ジロー、サポートをする20歳離れた姉のパオリーナ。 コルティジャーナ(高級娼婦)のクラウディア。 ゴンドリエーレのロドヴィーゴ。 ヴィヴァルディの姉妹、ザネータとマルゲリータ。 ピエタで育ち、薬屋に嫁いだジーナ。 助け、助けられて生きて行く。 この人とあの人が繋がり、この出来事とあの出来事が繋がり、見つからないと思っていた譜面とも感動的な再会を果たす。 一つ一つのエピソードが濃く、読み応えのある作品だった。 誰にも言えなかったエミーリアの恋。 大きな力によって阻まれた縁談を、静かに受け入れてきたエミーリアだったが、その代わりとでも言う様にヴェロニカが唯1人エミーリアと兄との縁談を今も信じ切ってくれた事に少し心が救われた。 登場人物が皆、知性があり、情に厚く、幸せに満ちた人生という訳ではないが懸命に生きる姿勢で胸を暖かくしてくれた。 時代も国も文化も違うヴェネチアのひと時を味わわせてもらった。

Posted byブクログ

2023/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2012年(第9回)。3位。 18世紀のヴェネチア。時代設定が良い。貴族と元首(ドージェ)が支配するヴェネチア。ピエタは孤児院。ここで捨てられた赤ちゃん。ヴィヴァルディ先生が師事し、合唱合奏。物語はヴィヴァルディ先生の死後。貴族の娘が落書きした先生の楽譜探しに帆走するピエタの娘。助言をするコルティジャーナのクラウディア。結局は思わぬところで見つかるのだけれど。18世紀らしい物語だと思う。

Posted byブクログ

2023/08/22

ヴィヴァルディってこんな人だったんだなぁ。 周りの女の人達の様々な心の動きと嘆きと喜びと信頼が沁みる物語だった。 誰も幸せにならないけれど、運命を受け止める強さ。 人間はどんな境遇にあっても環境にあっても孤独なもの。 クラウディア いつ死んでもいい構わないと思っていたけれど、...

ヴィヴァルディってこんな人だったんだなぁ。 周りの女の人達の様々な心の動きと嘆きと喜びと信頼が沁みる物語だった。 誰も幸せにならないけれど、運命を受け止める強さ。 人間はどんな境遇にあっても環境にあっても孤独なもの。 クラウディア いつ死んでもいい構わないと思っていたけれど、こんなに苦しむことになるなんて元気な頃の私はまるで思ってなかった。死ぬのは簡単ではないんですね。痛みに耐え続けるだけでものを考えることすらできなかった。辛かった。痛みの奴隷でいるのがあんなにも辛いなんて。今私は夢のような気分。 まさかの落書き楽譜の顛末も。 カルロとの顛末はなかったが。

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2023/08/09

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。 『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で 音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。 ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。 一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉...

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。 『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で 音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。 ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。 一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―― 女性同士で支え合って生きる様が優しく書かれていて一気読みだった。

Posted byブクログ