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ピエタ の商品レビュー

4

292件のお客様レビュー

  1. 5つ

    78

  2. 4つ

    123

  3. 3つ

    57

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2024/03/30

浸った。 本を開けば別の世界へゆける感覚。 語られないことや余白が、深みへとつながる。 聞く勇気がなかったのではなく、聞く必要がなかったと気づく衝撃。 終わらせることは話すこと、手放すこと。 独りよがりであったと気付かされると、見方が変わり、他者も自分も受け入れはじめる。

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2024/04/28

ピエタ慈善院で孤児として育ったエミーリア。 共に育ったピエタの〈合奏・合唱の娘たち〉でヴァイオリンの才能を発揮したアンナ・マリーア。 音楽院でもあるピエタ慈善院で長期に渡り音楽の指導をしていた作曲家のアントニオ・ヴィヴァルディ。 教養の一つとしてピエタに楽器を習いに通っていた、裕...

ピエタ慈善院で孤児として育ったエミーリア。 共に育ったピエタの〈合奏・合唱の娘たち〉でヴァイオリンの才能を発揮したアンナ・マリーア。 音楽院でもあるピエタ慈善院で長期に渡り音楽の指導をしていた作曲家のアントニオ・ヴィヴァルディ。 教養の一つとしてピエタに楽器を習いに通っていた、裕福な貴族ドゥオド家のヴェロニカ。 ヴェロニカはかつてヴィヴァルディからもらった練習用の譜面の裏に詩を書き、その譜面を見つけ出したら大口の寄付をしても良いと言う。 その譜面探しから様々な人々に出会って行く。 その面々とは、ヴィヴァルディに才能を認められ一躍有名になったアンナ・ジロー、サポートをする20歳離れた姉のパオリーナ。 コルティジャーナ(高級娼婦)のクラウディア。 ゴンドリエーレのロドヴィーゴ。 ヴィヴァルディの姉妹、ザネータとマルゲリータ。 ピエタで育ち、薬屋に嫁いだジーナ。 助け、助けられて生きて行く。 この人とあの人が繋がり、この出来事とあの出来事が繋がり、見つからないと思っていた譜面とも感動的な再会を果たす。 一つ一つのエピソードが濃く、読み応えのある作品だった。 誰にも言えなかったエミーリアの恋。 大きな力によって阻まれた縁談を、静かに受け入れてきたエミーリアだったが、その代わりとでも言う様にヴェロニカが唯1人エミーリアと兄との縁談を今も信じ切ってくれた事に少し心が救われた。 登場人物が皆、知性があり、情に厚く、幸せに満ちた人生という訳ではないが懸命に生きる姿勢で胸を暖かくしてくれた。 時代も国も文化も違うヴェネチアのひと時を味わわせてもらった。

Posted byブクログ

2023/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2012年(第9回)。3位。 18世紀のヴェネチア。時代設定が良い。貴族と元首(ドージェ)が支配するヴェネチア。ピエタは孤児院。ここで捨てられた赤ちゃん。ヴィヴァルディ先生が師事し、合唱合奏。物語はヴィヴァルディ先生の死後。貴族の娘が落書きした先生の楽譜探しに帆走するピエタの娘。助言をするコルティジャーナのクラウディア。結局は思わぬところで見つかるのだけれど。18世紀らしい物語だと思う。

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2023/08/22

ヴィヴァルディってこんな人だったんだなぁ。 周りの女の人達の様々な心の動きと嘆きと喜びと信頼が沁みる物語だった。 誰も幸せにならないけれど、運命を受け止める強さ。 人間はどんな境遇にあっても環境にあっても孤独なもの。 クラウディア いつ死んでもいい構わないと思っていたけれど、...

ヴィヴァルディってこんな人だったんだなぁ。 周りの女の人達の様々な心の動きと嘆きと喜びと信頼が沁みる物語だった。 誰も幸せにならないけれど、運命を受け止める強さ。 人間はどんな境遇にあっても環境にあっても孤独なもの。 クラウディア いつ死んでもいい構わないと思っていたけれど、こんなに苦しむことになるなんて元気な頃の私はまるで思ってなかった。死ぬのは簡単ではないんですね。痛みに耐え続けるだけでものを考えることすらできなかった。辛かった。痛みの奴隷でいるのがあんなにも辛いなんて。今私は夢のような気分。 まさかの落書き楽譜の顛末も。 カルロとの顛末はなかったが。

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2023/08/09

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。 『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で 音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。 ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。 一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉...

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。 『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で 音楽的な才能に秀でた女性だけで構成される〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。 ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。 一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―― 女性同士で支え合って生きる様が優しく書かれていて一気読みだった。

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2023/06/30

色々な立場の女たちの人生が詰まった作品。音楽の才能がある者、頭脳明晰な者、資産家の家に生まれた者、一世を風靡した娼婦、魅力的な歌手、その歌手の裏方として支え続ける者…「女は結婚し、子供を産み育て、夫を支える」とゆう典型的な幸せとは違う、それぞれの人生の寂しさやささやかな喜びが胸に...

色々な立場の女たちの人生が詰まった作品。音楽の才能がある者、頭脳明晰な者、資産家の家に生まれた者、一世を風靡した娼婦、魅力的な歌手、その歌手の裏方として支え続ける者…「女は結婚し、子供を産み育て、夫を支える」とゆう典型的な幸せとは違う、それぞれの人生の寂しさやささやかな喜びが胸に響いた。よりよく生きよ。自分の人生に胸を張って、よりよく生きようと思えた。

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2023/06/06

ピエタって実在するのかな?ヴィヴァルディは実在するぽい。みんなそれぞれ歴史があるんやなあ。ベネチア行ってゴンドラ乗りたいなあ。

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2023/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルが『ピエタ』であるものの、ピエタと言うよりもヴェネツィアの話だなーと思った。 この少ない登場人物の中で、限られた空間を表しながら、その時代の雰囲気、ヴェネツィアの雰囲気を感じさせる筆力は素晴らしいと思う。 わたし自身、ヨーロッパとその歴史に疎く、なかなか想像できないのが…

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2023/02/22

アントニオ・ヴィヴァルディの死。彼から貰った楽譜に詩を書いてしまった、その楽譜を探して欲しいと貴族の娘ヴェロニカから依頼を受けるピエタ慈善院に務めるエミーリア。楽譜を追ううちに見えてくるヴィヴァルディ先生の素顔と、人間の絆があった。 楽譜の見つかり方が想像を超えていた。 音楽と...

アントニオ・ヴィヴァルディの死。彼から貰った楽譜に詩を書いてしまった、その楽譜を探して欲しいと貴族の娘ヴェロニカから依頼を受けるピエタ慈善院に務めるエミーリア。楽譜を追ううちに見えてくるヴィヴァルディ先生の素顔と、人間の絆があった。 楽譜の見つかり方が想像を超えていた。 音楽というのは、本当に人の心に輝きと潤いを与えてくれるのだと思った。 ヴェネツィアが舞台だけど、常にスモーキーな曇り空だった印象。ゆえに、ミステリアスで憂いを帯びた「舟歌」というのがわかった気がした。 (頭の中で流れてたのはメンデルスゾーンの舟歌)

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2023/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み始めて2〜3分くらいで世界観に惹かれて、大好きになった。緩いミステリ要素もあって、続きを読みたくて一息で読んでしまいました。 全部が幸せに終わってるわけじゃないけど、死ぬ時には諦めながらも幸せに死ねる人達だろうと思う。 魅力的な心の弱さと、憧れるような心の強さを全員が持っていて、現実的な硝子細工みたい。とっても好きな物語です。

Posted byブクログ