連続殺人鬼カエル男 の商品レビュー
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大どんでん返し系のミステリを調べると、ほぼ必ず入っている作品。 購入したのはだいぶ昔で、少し読んではしばらく空き、忘れて、また最初から、の繰り返しで、ようやく今回読了。 途中からはどんどん進み、気付けば一日で読み終えてしまった。 なかなかにグロくて、残酷で、胃がきゅーってなった。 刑法第39条、犯人の責任能力についてがテーマの作品。 大どんでん返しの代表作ということで期待してたので、勝男くんはミスリードだろうと思いつつ、だとするとさゆりさんだろうなと思ったら、そこから更にどんでん返し。 遺族の立場だったら、責任能力と言われても、ふざけるな!って感じなんだろうなといつもニュースで見て思っていたので、色々考えてしまった。(簡単に「遺族の立場に」とか無責任なことを言ってはダメなんだろうけど…) そんなに上手く人って操れるのか??と懐疑的な部分もあったし、暴徒のシーンは中だるんで、少しだらけてしまったけど、自分も「か」なので、家族とか不安になるだろうし、正直全く関係ない「か」の人が先に犠牲になったと知ったら、きっと安心してしまうんだろうなと、思い嫌な気分になった。 それにしても古手川さんが痛々しすぎて…暴徒にやられ、勝男くんにやられ、さゆりさんにやられ…サクッと殺された被害者たちのほうがマシなのでは…?と思ってしまった。。 続編も積んであるので、読んでみよう。
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驚愕の連続猟奇殺人事件。その殺人者はカエル男。 作中では、カエル男は誰なのか、いっこうに警察の捜査線上にあがってこない。 やがて市民はカエル男を恐れ、パニックになり、警察署へ押し寄せる。 作中で事件にあたる刑事の小手川が痛々しい。 市民からは暴力を受け、そして犯人のカエル男と対峙し、半死半生の目に合い、 更に……、思わぬ人物からも半死半生の目に合い、そして……。 どんでん返しのどんでん返し、そして、どんでん返し。 なんだこの作者はーーー(笑) そして、次巻。「連続殺人鬼カエル男ふたたび」へつづく。
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巧み〜、と思った。王道だがとにかくうまい。それがよい。疑り深いわたしには結末は読めてしまったがそれでも楽しめた。 作中の好きな一節「心神喪失、或いは心神耗弱したにしてはそういう人間が手に掛けるのは決まって女子供だけで、間違っても暴力団や相撲部屋に乱入しないのは十分に判断力が備わっ...
巧み〜、と思った。王道だがとにかくうまい。それがよい。疑り深いわたしには結末は読めてしまったがそれでも楽しめた。 作中の好きな一節「心神喪失、或いは心神耗弱したにしてはそういう人間が手に掛けるのは決まって女子供だけで、間違っても暴力団や相撲部屋に乱入しないのは十分に判断力が備わっているからではないか」 連続殺人に対しての世間やマスコミの混乱ぶりも丁寧に描かれていて、それが妙にリアリティがある。そのあたり中村文則の『あなたが消えた夜に』も思い出した。実際こんな事件が自分の住む街で起きたらどんな感じになるだろう? コロナ禍で示されたように、作中とは異なり、自分は大丈夫だろう、と呑気に行動する人たち、権力には噛み付かず憂さ晴らしに弱者を叩く構図になる気がする。
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途中まで読むのがなかなか進まなくて、ダメなんかな、と思ったけど、 どうやらこのナツオが怪しいと思った辺りからサクサク読み進めた。 最初ナツオの性別が「?」で。 一番最初に受けた印象が正解だっのか、という 紛らわしい書き方が、作品の面白さなんだろう。 事件、遺体の姿、が、とにかくえげつなくて。 読んでて気持ち悪くなりそう。 一方、おや?な部分も多く。 冬ならそんなものなのか、と思った冒頭事件の 顔の損傷ありを親や家族に確認させるという描写。 わかるのか?それでうちの娘です、て言えるの? とか。 カルテ順に、てアイダでもアガワてまもなく アラオが前? エガシラとかエガワでなくて、エトウが前? というような、何だかな。 そんな都合よく並べ替え…もしかして、真犯人が並べたのか?カルテ室にあの人入れたっけ。 もし入れたら最後はもう自殺に匹敵するから そこまで読んでのこと? といえ、ちょっとした疑問が起きるわけで。 カルテ、てどう並べるかわかんないけど そんな都合よくではないから 意図的に誰かが並べたんでしょうよ。 あと、ポケットに入れっぱにしてた手作り風車が あんだけボコボコにされてて無事に 軽やかに風を受けて回られても(笑) という、ささやかなモヤモヤ。 そして、ああ39条。 そこなのか。思う人もいるだろうなぁ。 心神耗弱という理由で罪を贖わなくてもいいという 理由にしちゃダメて。 ちょっとソコは考えさせられる部分ではあったけど 結局真犯人は自分を苦しめた理由を使って 復讐したってわけなのね、 で、因果応報は 自分で仕組んだのかな、という 何とも正解のわからない結末でした。 面白かったけど、スッキリはしなかった。
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カエル男という連続猟奇殺人鬼を古手川刑事、渡瀬刑事が追う物語。殺害現場の描写がグロいので読む人を選ぶかなと思う。 犯人が後半にかけて2転3転していくので、最後まで犯人が分からなくて面白かった。刑法39条のあり方について考えさせらせる作品でもあり、犯罪を犯してしまった精神喪失者はどうやっても更生させられないのか、一生更生施設から出さなければいいのかなど現実社会でも起こっている問題を突きつけられた気がする。 古手川は不死身なんじゃないかレベルで凄すぎる。 勝雄もさゆりも結局は変われないのかと思うと悲しく、それを利用し自分の手を汚さずに復讐を果たした御前崎は精神鑑定の医者としても人しても失格だと思う。
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暴力描写、とくに子供に対しての性暴力の描写がしんどかった…けど内容は中山七里!多数作品を読んでいるのでどんでん返し待ちでした。やっぱりなーと、おいおいおい!という感じだったので一気読みでした
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事件の結末が二転三転。ハラハラする展開で、後半は勢いよく読めた。なかなか、描写もグロいし、気持ち悪くなる箇所が多々あるけど、刑法39条の存在と被害者家族のその苦悩など、考え出すと深い内容が散りばめられていた。
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カエル男、再読! 内容まるっきり覚えていなかったため初心に帰って楽しめました^ ^ にしても、殺され方がエグすぎるのと古手川さんがボロボロになってまで闘うシーンは読むのが少し辛かった>_
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どんでん返しだけれど伏線もきっちり回収していてさすが中山七里さん! どんでん返しものによくある無理矢理感がなく、満足な気持ちで読了。 情景描写がいつも目の前で起きてるかのように鮮明で、物語に入り込める。 主人公の感情描写も、読者が寄り添える・感情移入できるようになっていて、そこ...
どんでん返しだけれど伏線もきっちり回収していてさすが中山七里さん! どんでん返しものによくある無理矢理感がなく、満足な気持ちで読了。 情景描写がいつも目の前で起きてるかのように鮮明で、物語に入り込める。 主人公の感情描写も、読者が寄り添える・感情移入できるようになっていて、そこも良。 メインテーマは刑法第37条だと思うけれど 個人的には、作中の警察組織の平和惚けがこの国の安保意識の低さを体現しているように描かれている気がして、警鐘を鳴らされた気持ちになった。
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切り裂きジャックの告白に続いて中山七里さんの作品を読了。 単純なストーリーの面白さで比べると、切り裂きジャックよりこちらの方が好み。 グロテスクな描写、責任能力や精神疾患に関する問題提起、スピード感溢れる純粋なストーリーの面白さ、と同時には満たすのは困難な気がする要素が見事に全て...
切り裂きジャックの告白に続いて中山七里さんの作品を読了。 単純なストーリーの面白さで比べると、切り裂きジャックよりこちらの方が好み。 グロテスクな描写、責任能力や精神疾患に関する問題提起、スピード感溢れる純粋なストーリーの面白さ、と同時には満たすのは困難な気がする要素が見事に全て活きている。
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