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とある飛空士への恋歌(5) の商品レビュー

4.3

36件のお客様レビュー

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続編熱望

10年も本を読み続けてきて最高のクライマックスだと思う。恋人との別れ、仲間の大切さ、愛する人への想い、どれをとってもいいものだった。出来ることならカルエルと海猫との共闘や再開のシーンが見たい。 映画版「とある飛行士の追憶」にも期待大。

ラボール航空隊

抒情的かつ壮大なスケールがまさにスカイ・オペラなクライマックス

どの作品でも完結すれば「終わっちゃった……」となるものだが、今回の余韻は最高級に清々しく、そして切なくて悩ましい。物語としては見事の一言に尽きるが、最後の行方をあともう少し読ませて!と願わせる引き際の良さに心地良い憎たらしさをも感じた。夢と希望とロマン溢れる恋歌の終幕である。 ...

どの作品でも完結すれば「終わっちゃった……」となるものだが、今回の余韻は最高級に清々しく、そして切なくて悩ましい。物語としては見事の一言に尽きるが、最後の行方をあともう少し読ませて!と願わせる引き際の良さに心地良い憎たらしさをも感じた。夢と希望とロマン溢れる恋歌の終幕である。 【一章 約束】 前巻からの懸案事項の顛末。アメリア外務長の冷静沈着な策士振りが発揮される空族との交渉をシリーズ最後の“戦い”に位置付けたところに妙味あり。この結果、後に思わぬ助言が予言となる人物の登場を見るが、立ち入る術のない己の無力に肩を落とすカルエルでもある。しかし、最後の最後でお互いの真の想いを重ね合い、新たな目標を見据えたカルエルと、恋する乙女が最大級の忍耐力を発揮できる言葉を貰ったクレアの一時のクライマックスと言えよう。 【二章 空の果て】 『空の果て』に物理的な設定を盛り込んだファンタジー展開には好みが分かれるかもしれないが、「還る場所」でもあるという輪廻転生的な位置付けに希望を見出すメッセージを感じた。何かの終わりは新たな始まりであり、人もまたそれぞれの帰還と次への旅立ちを思い描かせる迫力があった。カルエルを憎悪を取り払い、新たな希望を育んだ“大地”イスラのクライマックスである。 【終章 イスラの帰る場所】 『島流し』が4年もの歳月を経て『凱旋』へと変わる劇的な旅の終焉。カルエルの真の想いが実にこっ恥ずかしくも「よくやった」と喝采の盛り上がりで披露され、「最後の大仕事」へと繋がっていく。大きく変わりながら何も変わらないアルバス家の人々も久し振りに登場して弾けている。新たな希望を携えた別れと1つの切ない恋の終わりを挿んで旅立つカルエルに去来する風の便りが明るい未来を展望させる『恋歌』のクライマックスである。 『追憶』のような別れの悲しみではなく、心温かい人々の成長に涙し、希望を持って生きる尊さに感銘を受ける素晴らしい内容である。独り善がりな憎悪から脱した後は周りへの感謝を繰り返したカルエルだが、その「最後の大仕事」が皮肉にも壮大な独り善がりに見えてくるのはご愛敬として、この真摯な想いと行動を貫こうとする人生最大のロマンチックにエールを贈りたい。

DSK

2022/09/07

期待の方が大きかっただけに、少しばかり残念なところが目立つ。 3巻後半、4巻におよぶ壮大なクライマックスを演じることができた彼らの、その後。 無理に物語を終わらせようとする考えが見え隠れして、駆け足感が否めない。 さらに、物語を盛り上げる一端となった某人物らとの邂逅。 こ...

期待の方が大きかっただけに、少しばかり残念なところが目立つ。 3巻後半、4巻におよぶ壮大なクライマックスを演じることができた彼らの、その後。 無理に物語を終わらせようとする考えが見え隠れして、駆け足感が否めない。 さらに、物語を盛り上げる一端となった某人物らとの邂逅。 これまた素っ気無く描かれているため、既読の方は物足りなさを感じるだろう。 が、一冊丸々とは言わないが力いっぱい完結へと向かい、きちんと描き切った作者の意思。言葉の端々にライトノベル感が漂うが、だからこそ真っ直ぐな言葉が届きやすくなっている。 ライトノベルとしては、一級品である。 作者のこれからに期待したい。 とりあえずは、お疲れ様です。

Posted byブクログ

2017/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネタバレ 「とある飛空士への恋歌」シリーズ最終巻。◆恋する2人の想いは政治という現実の壁に阻まれる。それは、クレアがイスラ管区長・風の使い手であるのみならず、カルエルの元第一皇子という境遇にも関わっていよう。カルエル・クレア2人の別れという幕引きは、前巻で感じた恋の成就というカタルシスとは全く異質ではあるが、決して悪いわけではない。「太陽の牙ダグラム」ラストと同様、「現実の前に一旦敗れた若者が、明日への希望を失わずに努力を傾ける」という未来志向を持ち、不幸なそれではないからだ。◆そして、もう一つの物語としての驚き。 それは、カルエル・クレアの別離という物語の終幕後、延々と続いた歴史叙事的物語の意味と理由だ。◇正直、「空の果て」に到達する過程、本国への帰路や帰還後のカルエルの演説、家族との再会を詳細描写しなければならなかったのか(ある程度の描写はエピローグたりうるが…)。エピローグにしては長すぎる。これは読書中に生まれた疑問。まして、書かない意義を知っている著者の作ならば、猶更生まれる疑義であった。◇しかし、である。カルエルのクレア奪還への再出発とそれを母国に残留して見送るアリエル。 一人涙し、「歌えない恋歌」として封印した愛。アリエルの諦めの過程は明確に描かれないが、その重さを理解するには、読者もまた旅する必要があった。こんな読後感が生じた。◆クレアとの別離後、カルエルは飛空士訓練に没頭し、また命令を無視しクレア奪還へ聖泉に赴こうとする。このカルエルとアリエルの関わりは食事を共にする程度で、極めつけはカルエル演説をアリエルが見守る件。◇クレアとの別れに耐えるカルエルは、旅の中、益々魅力的な青年へと変貌するが、彼の魅力を生む要因はクレアへの一途な想いだ。 ◇女としてカルエルを独占し触れ合いたい。なのに、カルエルは決して自分には心を向けない。この自覚から、アリエルは、イスラにいないクレアの存在の重さに苦悩し、女として耐えきれなかった、こう感じるラストだ。◆その想いの積み重ね、重ね合わせを理解する上で必要なのは、旅の途上で何の出来事も起きないことなのだ。◇ダブルヒロインたるアリエルの心情を描く上で、本作は何の出来事も起きないこと、ラストに強い意味を持たせる方法を採った。ゆえに旅の経過は不可欠。◆こんな風に個人的に思えたところ。

Posted byブクログ

2014/10/24

家族との再会も感動的だけど、クレアを奪い返すために世論の全てを味方につけて旅立つカルの凄さとアリーの切なさ。

Posted byブクログ

2014/09/09

クレアが創世神話に登場する「風呼びの少女」であることを知った空族は、彼女の身柄を引き換えに、停戦を持ちかけてきます。イスラを統治するルイス・デ・アラルコンとアメリア・セルバンテスは、空族相手にぎりぎりの交渉を続け、ついにクレアと空族の第二王子を互いに親善大使として送り出すことで合...

クレアが創世神話に登場する「風呼びの少女」であることを知った空族は、彼女の身柄を引き換えに、停戦を持ちかけてきます。イスラを統治するルイス・デ・アラルコンとアメリア・セルバンテスは、空族相手にぎりぎりの交渉を続け、ついにクレアと空族の第二王子を互いに親善大使として送り出すことで合意します。 やがてクレアが出発することになり、イグナシオのとりなしでクレアと再会することになったカルエルは、そこで自分がカール・ラ・イールであることを明かし、彼女を取り戻すことを誓います。 やがてイスラは「空の果て」へと行き着いて崩壊し、カルエルたちはバレステロス共和国へと帰還することになります。そのころ、共和制に倦んでいた市民たちの間に、王制の復活を求める声が沸きあがっていました。そんな彼らの前で、カルエルは元皇子として演説をおこなうことを決めます。彼は大勢の人びとの前で、ニナ・ヴィエントを取り戻したいという思いを語ります。世紀のロマンスに人びとの熱狂はいやが上にも高まり、やがてカルエルはクレアのもとへ向かって旅立つことになります。 クレアへの想いを胸に新たな旅に出るカルエルと、そんな彼を普段と変わらない態度で送り出そうとするアリエルの別れのシーンをラストに持ってくることで、ベタついた感動を避けるのは、ライトノベルではなかなか見られない、きれいな締めくくり方になっています。

Posted byブクログ

2014/08/15

エピローグ巻でした。 プロローグに2冊、更にエピローグにも1冊を費やした人類資金ばりの壮大な構成は大作と呼べるのでしょう。 シリーズにおけるテーマは初めから一本だった様ですが、途中フラフラと彷徨っている印象を与えかねない展開もあり、フラストレーションが溜まったりもしました。 しか...

エピローグ巻でした。 プロローグに2冊、更にエピローグにも1冊を費やした人類資金ばりの壮大な構成は大作と呼べるのでしょう。 シリーズにおけるテーマは初めから一本だった様ですが、途中フラフラと彷徨っている印象を与えかねない展開もあり、フラストレーションが溜まったりもしました。 しかし最後は落ち着く所に落ち着いて大団円という感じです。 本巻の見所は親父さんの格好よさですかね。 "卑しさも尊さも、生まれや身分や職業にあるのではなく、こころの在り方のみにあるのだと、ミハエルはその生き方で教えてくれた" 見習いたいものです。

Posted byブクログ

2014/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋歌シリーズ完結。 うーん…ちょっと消化不良な感じかも。 まぁ、次シリーズ以降に続くのかなとは思うけど。 いろいろ泣き所もありますけど。 空の一族の第2皇子のマニウスも、キャラがたってる割に何となく尻切れな感じだし。 アリーがベラスカスにずっと残っているのなら、再び出会うことも少なそうですし。 アリーには幸せになってほしいんだけどなぁ。 カルは何だかんだ、アリーに対しての態度はずるいと思ってしまう…。 次シリーズも読んでみようと思います。

Posted byブクログ

2013/04/12

まさかこんな感じで終わるとは。追憶もそうだったけど、なんというかなんというか。でも、読者に考えさせるのは悪いことではないと思う。3人に幸せあれ!

Posted byブクログ

2013/01/01
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※このレビューにはネタバレを含みます

最高だった。 ただ、再会のシーンがなかったことが残念。そうなるであろう未来を暗示して終わるのはいい手法だとは思うけど、少し物足りないな。 とは言え、素敵なお話を読ませていただいたという感じ。高水準でアニメ化するといいのにな、と、思う。

Posted byブクログ