災害ユートピア の商品レビュー
本当に日本ではこのような調査報道に基づいた本が少ないよな~と思うこと多数。エリートパニックについては今回の震災で思うことあり。
Posted by
かつての大震災の時、日本人の冷静さや規則正しさ(?)が海外のメディアに絶賛されたらしいけど、災害が起きたときのそういった行動は、別に日本人だけじゃない。 海外でも未曾有の大震災が発生したとき、人々は助け合い、譲り合い、支えあった。 では、震災の時に人は暴徒化すると思われているのは...
かつての大震災の時、日本人の冷静さや規則正しさ(?)が海外のメディアに絶賛されたらしいけど、災害が起きたときのそういった行動は、別に日本人だけじゃない。 海外でも未曾有の大震災が発生したとき、人々は助け合い、譲り合い、支えあった。 では、震災の時に人は暴徒化すると思われているのは何故なのか。 誰がそういった情報を刷り込ませたのか。 読むとわかります。
Posted by
東日本大震災より前に出版されていた本。 震災時に、日本人の礼儀正しさが世界で礼賛された、というような報道を見かけたし、それは誇らしいことだと思ったものです。本書で紹介されているものは、アメリカがメインなのだけど、なんとアメリカでも、人々は励まし合い、助け合うという、「災害ユートピ...
東日本大震災より前に出版されていた本。 震災時に、日本人の礼儀正しさが世界で礼賛された、というような報道を見かけたし、それは誇らしいことだと思ったものです。本書で紹介されているものは、アメリカがメインなのだけど、なんとアメリカでも、人々は励まし合い、助け合うという、「災害ユートピア」を形成していた。 もちろん、火事場泥棒的に悪いことをするヤツも出てくるのだけど、一番悪いのは、エリートの方々。 有事の際は、地域のコミュニティに権限が移ってしまうために、そのことを恐れたエリートが、情報を公表せずにコントロールしようとする、という記述。これ、最近僕らも味わったよね…。 災害ユートピアは、もちろん望まずに出来てしまうものなのですが、その相互扶助、利他の精神は、もう今の行政は作り出せないものになっている、ということの裏返しです。災害に強い地域コミュニティをどうつくるか、まで踏み込めればもっと面白いのだけど。
Posted by
【震災後の「絆」がなぜ生まれたのか?】 災害が起きた後、人々は無秩序のように見える世界に秩序を見出そうとする。そこには、政府や警察といった秩序だった社会を、秩序立てている存在はない。それにもかかわらず、なぜ人が秩序を見出すことが出来るのか。そんな問いを明らかにする本である。ケース...
【震災後の「絆」がなぜ生まれたのか?】 災害が起きた後、人々は無秩序のように見える世界に秩序を見出そうとする。そこには、政府や警察といった秩序だった社会を、秩序立てている存在はない。それにもかかわらず、なぜ人が秩序を見出すことが出来るのか。そんな問いを明らかにする本である。ケーススタディが豊富にあり、予期される混乱ではなく、どのように秩序が維持されるのかが理解出来る。 ただ、最後までケーススタディで終わってしまい、理論に纏め上げなかったことが残念であった。一つ上のレベルの本になるために、是非頑張ってほしい。
Posted by
東日本大震災の前(2010年12月)にこの本は発売されていました。 そしてはからずも、発売3カ月後の大震災に、本の内容を試されることになりました。 歴史による検証に耐えられる本だと思います。
Posted by
副題は「なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか」。災害時にパニックを起こすのは住民ではなくエリート、という指摘は重要。アナーキズムの今日的可能性が主題だが、そう気張らなくても読み物として旬で面白い。推薦。
Posted by
雑誌の書評を見て、市立図書館で予約。 忘れたころに、図書館から取り置きの連絡が来たけれど、、、。分厚い本を見ただけで心が折れました。 プロローグとエピローグだけ読もう、と気を取り直したものの、結局、プロローグだけで、分かったつもりになったつもり。
Posted by
災害にあった人達はパニックになり犯罪を犯し、利己的になると思われてるけど、実際はみんなで助け合い、利他的になるよ。という事を書いた本。 ノンフィクションはあまり読まないのだけどもの凄く、書いてあることに感動したり落ち込んだりした。特に911とカトリーナのところが。 ちょくちょく...
災害にあった人達はパニックになり犯罪を犯し、利己的になると思われてるけど、実際はみんなで助け合い、利他的になるよ。という事を書いた本。 ノンフィクションはあまり読まないのだけどもの凄く、書いてあることに感動したり落ち込んだりした。特に911とカトリーナのところが。 ちょくちょく電車で泣きそうになった。 読み進めると311ではどうだったのか知りたくなったし、災害が起こると誰かがどうにかしてくれるものだと漠然と思ってた。 たまに退屈な部分があったけど読んで損はないかな。 あと、ユートピアもいいけどそこばかりに気をかけすぎちゃいけないね。 そこは地獄には変わらないから。
Posted by
この本もアマゾンのお勧め本に何度もでてくるので購入。 ながいが、事例紹介が多い。 あんまり、論理的な文章ではないが、つきつめると以下の三つの点がわかる。 (1)災害時にパニックは意外と起きない。しかし、エリート(警察、軍隊)は、これを過大にみつもっており、それが、むし...
この本もアマゾンのお勧め本に何度もでてくるので購入。 ながいが、事例紹介が多い。 あんまり、論理的な文章ではないが、つきつめると以下の三つの点がわかる。 (1)災害時にパニックは意外と起きない。しかし、エリート(警察、軍隊)は、これを過大にみつもっており、それが、むしろ危害を生じるケースがある。(ニューオーリンズのカトリーナ) (2)むしろ市民同士の助け合い、利他主義、地域コミュニティが復活することが多い。(9.11のあとのマンハッタン、ヒットラーによるロンドン大空襲) (3)これは著者はいっていないが、まず、当初の災害ユートピア的な地域活動をうまく行政が支援すること、それが時とともに、薄らいでいくときに、今度は、復興のユートピア的な人的ネットワークに結びつけていくことが大事。 今回の、東日本大震災においても、地域住民の被災者の冷静な対応と助け合い、それと自衛隊などの丁寧な活動、その後の、復興に向けた様々な大学の先生、プランナーの支援活動など、大切なステップが実施されていると思う。 自分も、被災者の立場にたって、できることを全力でやりたい。
Posted by
2010年12月に出たこの本に、東日本大震災後の日本の動きを言い当てる言葉がたくさん詰まっている、という点で、ホントに目から鱗でした。 災害が起こると、普段は他の世界の秩序に押しつぶされてしまっている、相互扶助と利他主義のユートピアが姿を現す、というのが著者の主張。 その肉付けの...
2010年12月に出たこの本に、東日本大震災後の日本の動きを言い当てる言葉がたくさん詰まっている、という点で、ホントに目から鱗でした。 災害が起こると、普段は他の世界の秩序に押しつぶされてしまっている、相互扶助と利他主義のユートピアが姿を現す、というのが著者の主張。 その肉付けの為のたくさんの災害例が出てきますが、そのどれもが主張に違わない動きを見せた、というのが分かります。 「パニックというのが、人々が大変な恐怖に駆られていることを意味するなら、おそらくそれは、災害発生時に起きることとしては、きわめて正しい理解だろう。一方で、怖がっていると正しい行動がとれない、とは言い切れないのだ。残忍な争いが起きることはなく、社会秩序も崩壊しない。利己的な行動より、協力的なそれのほうが圧倒的に多い。」 「パニックになっていたのは、エリートのほうだった。エリートたちは住民がパニックになるのを恐れて、原子炉がどんなに危険な状態にあるかを公表しなかった。自分達が管理しない限り、民衆は収拾がつかない状態に陥ると信じていて、その恐怖感から弾圧的な手を打ち、それが二次的な災害を呼ぶケースもある。」 何が本当か分からず、現在進行形でウソをついてるようなこの国が、本作から得られるものは大きいと思います。 とりあえず、日本のエリートたちよ読んでくれ!笑
Posted by