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カルトローレ の商品レビュー

4.2

41件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

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2022/09/19

好きな世界です。遥か昔のような、ずっと先の未来のような。 全体像がいつまでも掴めないのも良いです。こうかな?と思う何もかもが舞台に拡がる砂漠の砂みたいに掴んだそばから零れ落ちていくけれど、それが全くストレスにならず、揺蕩っていられました。 どこからでも読めるし、どこで読み終えても...

好きな世界です。遥か昔のような、ずっと先の未来のような。 全体像がいつまでも掴めないのも良いです。こうかな?と思う何もかもが舞台に拡がる砂漠の砂みたいに掴んだそばから零れ落ちていくけれど、それが全くストレスにならず、揺蕩っていられました。 どこからでも読めるし、どこで読み終えても違和感ない気がします。そんな小説は終わらないんじゃないかと思うけど…不思議。 長野作品は相変わらず食べもの飲みもの美味しそうでなりません。この組み合わせ?って思うのもあるけどそれでも美味しそう。

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2021/08/25

文学というか小説の魅力にあふれた作品なのだと思う。言葉だけで、これだけの世界観を表現するのは作者の力量に他ならない。ファンタジー小説なんだろうけど、読み手である自分がよくない。不思議な世界、提示される謎に対して「答え」を期待しながら読み進めている。とてもこの作品に相応しくない態度...

文学というか小説の魅力にあふれた作品なのだと思う。言葉だけで、これだけの世界観を表現するのは作者の力量に他ならない。ファンタジー小説なんだろうけど、読み手である自分がよくない。不思議な世界、提示される謎に対して「答え」を期待しながら読み進めている。とてもこの作品に相応しくない態度だ。ほとぼりを冷ましてから、もう一回繙く必要があるよね。言葉によって広げられた世界を楽しまなくちゃ。

Posted byブクログ

2020/10/15

「レモンタルト」がすごく面白かったので読んでみたが、残り4分の1が読み終わらなかった。 貸し出し期限はまだ残ってたけど、「……まあいいか…」って返却してしまった。 異世界ファンタジーというテーマが、長野まゆみさんの詳細に書き尽くさない、行間で語るような文体に全然合ってないような...

「レモンタルト」がすごく面白かったので読んでみたが、残り4分の1が読み終わらなかった。 貸し出し期限はまだ残ってたけど、「……まあいいか…」って返却してしまった。 異世界ファンタジーというテーマが、長野まゆみさんの詳細に書き尽くさない、行間で語るような文体に全然合ってないような気がした。 現代日本が舞台であれば、言われなくてもわかる合意が読者との間に形成できてそれが面白いが、 異世界となるとまじで説明されないと何もわからない。 ひたすら出来事を書き連ねていくだけのような感じが単調で、まあそこから想像を膨らませれば良いんだろうけど…なんかね…。

Posted byブクログ

2019/03/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

単行本の読了日は2008年6月12日で登録してあったんやけど、内容忘れてたので文庫買って読み直しました。単行本の方は消しとく。 登場人物の名前なんかは覚えてたんだけど、内容はまっったく覚えてなかったなー。普通に楽しんで読めた。こんなにゴリゴリにファンタジーだったかー。わしも適応化プログラム受けたんかいって思うくらい読んだ記憶がない。 ファンタジーってきいて連想するようなのではなく、長野まゆみっぽい夢の中のような幻想的なやつ、ていうのでもなく、どこかの架空の場所での日常て感じ。 長野まゆみだから謎はいっぱい残るし、はっきり言わないし、もやもやするところもあって、いやいやあと数ページで終わらんでくれえもうちょっと語ってくれえコリドーーーーーと思いながら読み終わってしまった。 解説の人が一種の貴種流離譚を含むのかもと書いてたけどそれがしっくりきたかな。いやわからんけど。何せ色々なことが明らかにならない。タフィはこれからなにごともなく日常を過ごすんだろうな。 とにかく料理や食べ物がおいしそうです。なんで外出先でも火起こして調理してるんやこのひとら。

Posted byブクログ

2017/09/10

しまった、読み終わった日付けを忘れてしまいました。 架空の乾燥したキビ色の砂漠(?)を舞台にしたお話。 適用化計画の一環で、109冊の日誌調査の為にその他を訪れたタフィの生活をベースにお話が進みます。 適用化計画やタフィの出自、エルジンが何者であるか、最後までハッキリとした事は分...

しまった、読み終わった日付けを忘れてしまいました。 架空の乾燥したキビ色の砂漠(?)を舞台にしたお話。 適用化計画の一環で、109冊の日誌調査の為にその他を訪れたタフィの生活をベースにお話が進みます。 適用化計画やタフィの出自、エルジンが何者であるか、最後までハッキリとした事は分かりません。 また、大きな事件も起こりません。 しかし、ゆっくりと進む時間と、随所に出てくる美味しそうな料理や飲み物、どんな街並みなのかなど、架空の都市を想像するのが楽しい小説です。

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2017/04/29

もっと壮大な話をイメージしてたんだけど、そうでもなかったというか、思ったより穏やかだった。でかい事件が起きてドーン!とか、果たして彼らはそれを見つけることができるのか!?みたいな目的地があるわけでもなく、「これオチはあるんだろうか…」と思いつつでも退屈するわけでもない。のんびり心...

もっと壮大な話をイメージしてたんだけど、そうでもなかったというか、思ったより穏やかだった。でかい事件が起きてドーン!とか、果たして彼らはそれを見つけることができるのか!?みたいな目的地があるわけでもなく、「これオチはあるんだろうか…」と思いつつでも退屈するわけでもない。のんびり心地いいテンポで進んでくファンタジーって感じ。 けっこう構えて読み始めたんだけど、構える必要全くなかった。永遠に読んでいたいタイプの小説。なので、どんな話か説明もできない。長野先生の小説って大体そうだと思ってるけど、雰囲気がいいんだよなあ~

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2023/06/30

謎めいているものの、その答えは明確にされることなくこの物語は終わる。人々の記憶や時間が入り混じるが、それを”正す”ことを目的としていない。そのままの良さというものがある。この物語に漂う、ゆったりかつ淡々とした時間が好きだ。それまでにある、長い長い時間をかけた人々の記憶、歴史を思う...

謎めいているものの、その答えは明確にされることなくこの物語は終わる。人々の記憶や時間が入り混じるが、それを”正す”ことを目的としていない。そのままの良さというものがある。この物語に漂う、ゆったりかつ淡々とした時間が好きだ。それまでにある、長い長い時間をかけた人々の記憶、歴史を思う。それは雄大である。

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2014/07/01

久しぶりに読む長野まゆみ作品。 宇宙の舟で生活をしていた主人公が地上の、砂漠で新たに生活を始める。 昔のように登場人物に絡み取られて胸が痛くなるような、読み終わった後に喪失感を覚えるようなそんな読了感ではなかったけれど、相変わらずの描写の美しさと、世界の閉塞感が良かった。 レー...

久しぶりに読む長野まゆみ作品。 宇宙の舟で生活をしていた主人公が地上の、砂漠で新たに生活を始める。 昔のように登場人物に絡み取られて胸が痛くなるような、読み終わった後に喪失感を覚えるようなそんな読了感ではなかったけれど、相変わらずの描写の美しさと、世界の閉塞感が良かった。 レースのような繊細な模様が今も目に浮かぶ。 都心の小さな手芸屋で見つけた図案、図案の本がある地下の生活空間のあたりが一番好きだった。 不確かなことが不確かなままあるという不思議な世界。 やっぱりいいなー

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2014/05/08

難解でなかなか読み進められなかったけれど、作中に散りばめられた要素のひとつひとつが魅力的で堪能しました。 大空を航行する<船>で悠久の時間を過ごす人々、ページを糊付けされた航海日誌を解析することになった<船>から降りた青年、航海日誌から芽吹いたつる草、沙漠の民の暮らし、魅惑的な食...

難解でなかなか読み進められなかったけれど、作中に散りばめられた要素のひとつひとつが魅力的で堪能しました。 大空を航行する<船>で悠久の時間を過ごす人々、ページを糊付けされた航海日誌を解析することになった<船>から降りた青年、航海日誌から芽吹いたつる草、沙漠の民の暮らし、魅惑的な食べ物、織り込まれた刺繍模様、幾重にも折り重なる記憶、などなど。文章で紡がれる綾模様に酩酊されるようでいて、絵画的に思えるのが面白いです。美しい映像が頭の中に広がるのに、いざ映像化しようとすると何も思い浮かばないような読後感でした。

Posted byブクログ

2013/08/20

裏表紙の紹介文、盛りすぎです(笑)   冒険小説か何かかと思ってしまった   物語は静かに始まり、淡々と進み、そっと・なんとなく終わる   登場人物たちの感情表現はとても穏やかに語られる   大きな・激しい起伏は無いが、個性はきらきら光っている   読んでいるこちらの気持ちも穏...

裏表紙の紹介文、盛りすぎです(笑)   冒険小説か何かかと思ってしまった   物語は静かに始まり、淡々と進み、そっと・なんとなく終わる   登場人物たちの感情表現はとても穏やかに語られる   大きな・激しい起伏は無いが、個性はきらきら光っている   読んでいるこちらの気持ちも穏やかになった   解説にも書かれていたけど、歴史の真実を提示するお話ではない   主人公の過去を明らかにすることが目的でもない   誰か黒幕がいて、操っていることもない   砂漠の情景や刺繍の模様、日誌から生えた蔓草に思いを馳せながら静かに楽しむお話だと思った   ミステリばっか読んで殺伐とした心にとても優しい   西の谷の人々はシルクロードの遊牧民のようだなあ   不思議で美しい静かなお話   あいかわらず食物描写がとても美味しそう

Posted byブクログ