ブタとおっちゃん の商品レビュー
人間が笑うように豚も笑うのだなと思った。 山地としてるさんは香川県の役所勤務をしていて上村さん(おっちゃん)と知り合い、その縁で写真を撮り続けた。 おっちゃんは豚と日向ぼっこしたり、ギターを弾いてやったりとまるで孫に接するおじいさんみたい。どこからか現れた日本猿まで手名付けてし...
人間が笑うように豚も笑うのだなと思った。 山地としてるさんは香川県の役所勤務をしていて上村さん(おっちゃん)と知り合い、その縁で写真を撮り続けた。 おっちゃんは豚と日向ぼっこしたり、ギターを弾いてやったりとまるで孫に接するおじいさんみたい。どこからか現れた日本猿まで手名付けてしまっている。 おっちゃんは、いつもニコニコしているように見えるが、続編の絵本によると、豚が出荷されていくときは何も話さなくなるらしい。 こんなに愛情深くほのぼの育てられた豚は、屠殺場で何を思うんだろうか。フランドン農学校の豚が脳裏をよぎる。幸せな命なんだろうか。何も知らず生まれてきて、ひたすらぬくぬくと育つ命。答えは出せない。豚次第。 命のことを考えた。 私はたくさんの命をいただき生かされている。
Posted by
昔、私の家の周りには養豚場がふたつあった。 そのうちひとつは、ちょうど小学校の帰り道に豚舎があり、気が向くとその辺の雑草を手折ってブタに食べさせていた、、、が、良かったのか?いい迷惑じゃなかったのか?と、今になって心配になった。 この写真集の舞台は香川県の小さな町の養豚場。 ...
昔、私の家の周りには養豚場がふたつあった。 そのうちひとつは、ちょうど小学校の帰り道に豚舎があり、気が向くとその辺の雑草を手折ってブタに食べさせていた、、、が、良かったのか?いい迷惑じゃなかったのか?と、今になって心配になった。 この写真集の舞台は香川県の小さな町の養豚場。 おっちゃんは1200頭のブタを育てている。 当たり前だけど、見渡す限りブタ、ブタ、ブタ。 おっちゃんは頭に白タオルを捩り鉢巻きにして、Tシャツ(たまに上半身裸)、に作業ズボンと年季の入った白い長靴。 タバコをくゆらし、缶ビール片手にブタと遊ぶ。寝る。ギターを鳴らす。 ブタだけではなく、犬もいる。猫もいる。鶏もいる。牛もいる。猿もいる。小さくて可愛らしいかあちゃんもいる。 小屋には何故か大量の掛け時計。それらの時間はちょっとずつズレている。 ブタたちの表情は穏やかに見える。笑っているように見えるときもあるくらいに。 カメラマンの山地としてるさんは1997年からの10年間、おっちゃんこと上村さんとブタたちを撮りつづけた。 今はもう閉鎖されたこの養豚場。 機械化されたような大方の養豚場とは違い、ブタにストレスのない環境で育てられていて、その肉は農林水産省の大臣から幾度も表彰されているそうだ。 人間もブタも嫌なストレスのない環境にいると良い顔になるのかもしれない。 おおらかな気分になる写真集でした。
Posted by
写真集で感動するとか無いと思ってました。 内澤旬子さんの「飼い喰い」からのアマゾンお勧めで出てきたのがきっかけでした。 養豚場で働いている友人が養豚に戻るきっかけはこの写真集だったそうです。 この写真で生き生きと駆け回る豚達、笑顔でいっぱいのおっちゃん。愛が溢れて心が温かくなりま...
写真集で感動するとか無いと思ってました。 内澤旬子さんの「飼い喰い」からのアマゾンお勧めで出てきたのがきっかけでした。 養豚場で働いている友人が養豚に戻るきっかけはこの写真集だったそうです。 この写真で生き生きと駆け回る豚達、笑顔でいっぱいのおっちゃん。愛が溢れて心が温かくなります。 失われてしまう命に精いっぱい手を掛けて、美味しい豚を育てていたおっちゃん。偉いとかそういうんじゃなくて、この写真見ると胸いっぱいになるとですよ。 もうこの養豚場は無いそうです。それだけにこの写真集をよくぞ出してくれたという想いでいっぱいです。
Posted by
深い写真集です。 見る度に、気になる写真が変わります。 それほど、一枚一枚に思いが詰まっているからだろうな〜。
Posted by
おっちゃんは、養豚業を営んでいます。 早朝から夜まで、奥さんとほぼふたりで、1200頭のブタの世話をしています。 そんなおっちゃんの休息の時間の一コマがレンズに納められています。 おっちゃんの休息とは? ブタと戯れること、ですね。 たばこを一服しつつ、ビールを片手に、そしてまわり...
おっちゃんは、養豚業を営んでいます。 早朝から夜まで、奥さんとほぼふたりで、1200頭のブタの世話をしています。 そんなおっちゃんの休息の時間の一コマがレンズに納められています。 おっちゃんの休息とは? ブタと戯れること、ですね。 たばこを一服しつつ、ビールを片手に、そしてまわりにはブタがひしめいている、というのがおっちゃんの休息のスタイルです。 おっちゃんの腕枕で寝るブタとおっちゃんの幸せそうな顔といったら・・・ 養豚を生業にしているのですから、育てて大きくなったら当然売られていくだろうし、病気で死ぬこともあるだろうけど、みじんも感じさせない、いつもひょうひょうとしているおっちゃんはすごい。 売られて、やがて食肉になり私たちの食卓にのる、という生々しさがないのです。 ゆくゆくは食べられてしまう運命であるにしても、おっちゃんに育てられたブタたちは幸せだなぁ。
Posted by
GUEST 043/ルポライター・内澤旬子:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2011/10/post117619.html
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とある養豚場の写真集。 オーナー上村さんの、くわえタバコに ブタたちの笑顔があふれる。 テレビで紹介されていて、心に残っていた。 ブタが好きで、家族で養豚業を営んでいた上村さん。しかし、近くに住宅地が整備され、家が建ち始めると、住宅地から臭いの苦情が寄せられるようになった。市が新しい住宅地計画をすすめたから起きた悲劇。上村さんたちは、養豚場を移転することを余儀なくされた・・・。 そして、その時、市の担当者だった山路としてるさんは、退職後、上村さんたちのもとを訪れ、写真を撮り始めた。 そこには、幸せな光景がひろがっていた。 ・・・ ・・・ ・・・ というような事を言っていました。 (いつ、どの局のなんの番組が忘れてしまいました(^_^;)) 私たちは肉を食べる。 感謝して、いただく。 ブタにも、それに携わる人にも、すべてに感謝だ。
Posted by
ブタとおっちゃんの写真集。 そのまんま。 ブタも可愛いけどおっちゃんも妙に可愛いw 人生の半分程付き合いのある友人いや、戦友から貰った流石ナイスチョイス!と言わんばかりの写真集です。
Posted by
出版されたときは、わぁカッコいい写真集が出たなあ、とぐらいしか思わなかったのですが、「思考する豚」「飼い喰い」の読書を経て改めて見ると、美しさと切なさに泣けてきてしまいます。 おっちゃんは効率優先の養豚業界に倣わず、ずいぶんと手間をかけて豚を育てているといいます。たしかに写真から...
出版されたときは、わぁカッコいい写真集が出たなあ、とぐらいしか思わなかったのですが、「思考する豚」「飼い喰い」の読書を経て改めて見ると、美しさと切なさに泣けてきてしまいます。 おっちゃんは効率優先の養豚業界に倣わず、ずいぶんと手間をかけて豚を育てているといいます。たしかに写真からそれが伝わります。でも、最後のあとがきまで、そういう説明は一切なし。モノクロの、豚とおっちゃん、時々おばちゃんが綿々と出てくるのみ。こんな顔ができるおっちゃんになりたい。僕の豚は何処に。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おいしいぶたに、美しいぶたに育てるために おっちゃんは愛情いっぱいぶたに注ぐ。 ぶたはおっちゃんの生活の一部かの様に・・・。 人間と動物を撮った写真集は多いけど、 こんなにも動物が生活の一部になって 溶け込んでいる写真集はここ最近じゃ2作だけ。 もう一冊はというと、「みさおとふくまる」。 山地さんはおっちゃんとぶたを10年間も撮り続けていたそうだから、それはこれだけすごい写真集ができるんだろな。
Posted by