オレンジ・アンド・タール の商品レビュー
カズキ、コミ、モリヤ、キョウだけでなく、トモロウも、私には思春期真っ只中の子どものように感じられた。カズキたちは、自分たちの行為に対する責任や償いは果たせないにも関わらず、アウトローを気取ったように私には映った。しかしそういう思考は、思春期の頃には誰もが抱えるものなのかもしれな...
カズキ、コミ、モリヤ、キョウだけでなく、トモロウも、私には思春期真っ只中の子どものように感じられた。カズキたちは、自分たちの行為に対する責任や償いは果たせないにも関わらず、アウトローを気取ったように私には映った。しかしそういう思考は、思春期の頃には誰もが抱えるものなのかもしれない。死も生も恐い。自分の正体も分からない。しかし、そんな厭世感たっぷりのカズキたちに私が確かに感じるのは、けれども生きたい、という気持ちだった。
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目の前で宙を舞ってなくなった友人とその場にいた3人の、残像との闘いのような話。伝説のスケーターが出てきて、哲学的なことを指南。結果的に救われるというような内容。期待しすぎたのか、中身が入ってこない。大きな盛り上がりも、印象に残る言葉もなく読後感もあれっ?といった感じ。解説の若林さ...
目の前で宙を舞ってなくなった友人とその場にいた3人の、残像との闘いのような話。伝説のスケーターが出てきて、哲学的なことを指南。結果的に救われるというような内容。期待しすぎたのか、中身が入ってこない。大きな盛り上がりも、印象に残る言葉もなく読後感もあれっ?といった感じ。解説の若林さんがうまいっ!と思った。すっと入ってきてもっと読みたくなる解説、そこが一番面白かった。
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NHK『週刊ブックレビュー』の司会業でそのお姿は度々拝見していたけれど、作品を拝読するのは初めてのこと。 オードリー・若林さんの推薦文を目にして、気になって手に取ってみた。 (余談だけれど、この数日後にV6森田剛さん主演で舞台化されている『ブエノスアイレス午前零時』を、写真付き帯...
NHK『週刊ブックレビュー』の司会業でそのお姿は度々拝見していたけれど、作品を拝読するのは初めてのこと。 オードリー・若林さんの推薦文を目にして、気になって手に取ってみた。 (余談だけれど、この数日後にV6森田剛さん主演で舞台化されている『ブエノスアイレス午前零時』を、写真付き帯に惹かれて購入したところ、こちらも藤沢さんの作品であった) 表題作『オレンジ・アンド・タール』と、その中に登場するトモロウさんの視点で描かれた『シルバー・ビーンズ』の2作が収録されている。 『オレンジ・~』は、高校生の自分の感情を上手く言葉にできない感じや抽象的な概念を(恐らく意図的に)平易な言葉やくだけた表現(固有名詞も多用されている)で書かれているにも関わらず、正直、何故か読むのにとても時間がかかってしまった。 なかなか読み進められず、これは肌に合わない作品なのかも…と挫折しかけた。 恐らく主に男性が共感できる作品なのであろうと。 けれど、『シルバー・~』に移ると、“これは何か大事なことが書かれている小説なんじゃないか”と、読み進めるうちに、自分の内に訴えかけてくる何かを感じるようになる。 結局、具体的にそれが何かをよく掴めなかったのだけれども。 そこに描かれている、生とか死とか、根源的なものにもがいている登場人物たちの姿は、どんなに時が経っても、その時代を生きる人々と何ら変わらないのかもしれないな、などということをぼんやり想った。
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『宇宙夢中無中雨中霧中』 内容は素晴らしいと思った。ただし、適切じゃない文があった。そこが味なんだと言われても頷けない程度の悪文。読み進めるといくらかましになる。にしても読みづらい。 若さや痛さは何処から来て、どこへいってしまうんだろう。僕のなかにも確かにあって、多分まだ、消...
『宇宙夢中無中雨中霧中』 内容は素晴らしいと思った。ただし、適切じゃない文があった。そこが味なんだと言われても頷けない程度の悪文。読み進めるといくらかましになる。にしても読みづらい。 若さや痛さは何処から来て、どこへいってしまうんだろう。僕のなかにも確かにあって、多分まだ、消えてなくて。いつか、消えちゃうのか?いつからあったかも分からないけど、多分自我が産まれたときからずっとある気がする。 一読の価値はある。解説はオードリーの若林君。なかなか、面白い解説を書く。
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存在と属性という哲学的命題を蟠りとして抱えた若い魂の軌跡です。この自分とは何なのか?そうNobody、そしてあなたであり、また世界でもある。この感覚を共有できればと密かに思っている自分がいます。
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スケボーの意味と江ノ島の様子が分からなかったので、そこは頑張って理解しようとはしたけれど、ちゃんとは理解できていないかも。 でも、「戻ってこれると思って」ここまでじゃなくても自分への破壊衝動を持ったことはある。 自分が何か分からず考えまくって、何もないのと同じ、という感覚も分かる...
スケボーの意味と江ノ島の様子が分からなかったので、そこは頑張って理解しようとはしたけれど、ちゃんとは理解できていないかも。 でも、「戻ってこれると思って」ここまでじゃなくても自分への破壊衝動を持ったことはある。 自分が何か分からず考えまくって、何もないのと同じ、という感覚も分かる。 タカコちゃんは、きっときちんとした人生を送るんだろうな。
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読んでて辛い。いつ面白くなるのかと思ったけど、抑揚がない。 若林の「あれ俺いつの間に小説書いてたっけ?」も 読後に「あれ若林ってこんなイタかったっけ?」と感じた。
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アメトーークの読書芸人で、オードリー若林がお勧めしていたので読んでみました。ご本人がとてもこの小説が好きなようですね。正直、巻末の解説目当てでした(笑)好きな小説と一緒に自分の文章が載るなんて、一体どんな思いだったのでしょうか。 スケボーの用語の意味も分からないまま読みました...
アメトーークの読書芸人で、オードリー若林がお勧めしていたので読んでみました。ご本人がとてもこの小説が好きなようですね。正直、巻末の解説目当てでした(笑)好きな小説と一緒に自分の文章が載るなんて、一体どんな思いだったのでしょうか。 スケボーの用語の意味も分からないまま読みましたが、主人公の心理描写を追うだけでもクセになってきました。 生きるとは何か、という答えの無い疑問を悶々と追い続けるカズキ。答えを見出しても、父親と折り合いがつかず、社会を傍観して何かしら考え込んでいるトモロウ。自らの心の闇に深く潜っていって、何も見つけられず、何も掴めないまま、ただもやもやと日々を送っているようなイメージを持ちました。 前半のオレンジ・アンド・タールではカズキと同様に、根拠もあまり無くトモロウは凄い人だと思っていましたが、後半のシルバー・ビーンズで一変しました。トモロウは物事から逃げているとさえ思いました。 唐突な終わり方に想像が駆り立てられます。病院でのやり取りと、弁天橋を離れるとき、トモロウはどういう事を考えていたんだろうと。 共感はあまり無かったのですが、トモロウに憧れるカズキの事が分かる気がしました。若林さんが彼の口真似をしたくなるのも少し分かる、エッジのきいたキャラでした。 読み終わったとに、結局何だったんだこの物語は?と思いましたが、ただ一つだけ、トモロウという登場人物が強烈に印象に残りました。
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最近、本を読むと、内容じゃなくて著者の態度に感動したりする。 この本もそうだったなぁ。 内容(物語)自体には感情移入はしずらかった。物語のキーになるスケボーも江ノ島もおれからは遠い存在で、じつは読むのを何度も挫折した本。 だけど、読み続けると感じてくる、言葉のチョイス、思考、...
最近、本を読むと、内容じゃなくて著者の態度に感動したりする。 この本もそうだったなぁ。 内容(物語)自体には感情移入はしずらかった。物語のキーになるスケボーも江ノ島もおれからは遠い存在で、じつは読むのを何度も挫折した本。 だけど、読み続けると感じてくる、言葉のチョイス、思考、思考の飛躍っぽさが、悩んでるときの若い自分っぽくて、あぁ人間らしくていいなぁって嬉しくなったりした。 悪く言えば、読みにくい、共感しにくい物語。 良く言えば、すごく自己中な人間的思考を描いてて、その回路に浸り、共感する物語だった。 ●単純にカッコ良かった言葉。 「超強烈な現実」 「意味から抛り出される”一瞬”のために続ける。」 「なんでおれは生きてるんだろう?」 「こんなことに意味はあるのだろうか?」 ・・・っと意味を求める現実から、ごくたまに一瞬、そんなことも忘れ没頭してしまうしまう瞬間がある。そのために生きている。そのために続けている、っていう生き方はカッコいいなって純粋に思った。 自分にとっての意味から抛り出される瞬間はいつ、どこで、だれと、どんな瞬間なんだろうっと・・・妄想してしまった本でした。
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高校でアウトロー的存在のカズキは、スケボーに熱中して毎日を送る。今日も伝説のスケートボーダーのトモロウさんのところへ相談に行く彼の心に影を落としているのは、同級生が学校の屋上から落ちて死んだことだった。そして、目の前で事件は起きた。自分って何だよ、なんで生きてるんだよーー青春の悩...
高校でアウトロー的存在のカズキは、スケボーに熱中して毎日を送る。今日も伝説のスケートボーダーのトモロウさんのところへ相談に行く彼の心に影を落としているのは、同級生が学校の屋上から落ちて死んだことだった。そして、目の前で事件は起きた。自分って何だよ、なんで生きてるんだよーー青春の悩みを赤裸々に描いた快作。 オードリー若林のオススメということで。心のささくれをむしるような小説。
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