錨を上げよ(上) の商品レビュー

百田尚樹【著】

2011/01/15

良くも悪くも凄まじいパワーとエネルギーを持った青春小説だと思う。主人公の又三は昭和30年大阪生まれ。自分勝手で短気で粗暴で泥臭くて爽やかさのひとかけらもない。サイの目を振るように気分のままに転がるように生きていく。年代は少しあとだけど同じ昭和30年代に大阪で生まれて育った僕にとってはなんだかすごく懐かしい気分に。昭和40～50年代の大阪の雑多な雰囲気がよく描かれています。それにしても長い。

2011/01/12

主人公は自堕落で優柔不断なのに根拠のないプライドの高さだけは一人前の女好きな青年。彼の自由気ままな行き当たりばったりの私生活がただ淡々とダラダラと約600ページにわたって綴られます。苦痛以外の何物でもありませんでした。

2011/01/03

上下巻合わせて1200ページ、相当なボリュームの本だったが面白かった。
青春小説でもあり、冒険小説でもあり、恋愛小説でもあり何と言ったらいいんだろう。
最初はどこに行きつくのかと思いながら読んでいたが、主人公の魅力に引っ張られて読んでいるうちに止まらなくなった。
無鉄砲で短絡的な主人公がドタバタしながらもちょっとずつ成長していくさまがよい。
社会のひずみのようなものを垣間見ながら進んでいくストーリー展開といい、面白いし深い本だなと思った。

2011/07/29

大阪出身、又三30代までの青春小説。この主人公が破天荒でめちゃくちゃで、やることなすこと同じことの繰り返しの懲りない男で、読んでいて腹が立ちました。女性を物扱いするところや手を上げるところが大嫌い。それを正当化しようと理屈を捏ね回しているところがまた嫌い。

2010/12/14

作田又三、枠から外れた破天荒でアホな男の物語。本能と直感で生きているのかと思えばしっかりとした正論を語ったりつかみどころのない男！しかし、何回女に振り回されるのか…ヒーローとはいえない人間臭い生身の彼は下巻で何処にいくのか…