1,800円以上の注文で送料無料

砂の王国(下) の商品レビュー

3.5

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2011/02/01

巨大化すればするほど、人は欲がでて、収まりきらなくなり、人間の本性が出るのだと思った。裏切りなのか、元々、食い違っていたのか。人は難しい。

Posted byブクログ

2011/01/20

新興宗教がいかにして作られるか、という物語。占い師の手段や人をひきつけるための手段にはなるほど、と思わされます。だけどあくどい訳じゃなく、人ってのはやはりなにか信じるものがほしいのかなあ、と思える面も。この「大地の会」は、さほど悪いものじゃないかもね。 だけど。終盤の展開が怖いな...

新興宗教がいかにして作られるか、という物語。占い師の手段や人をひきつけるための手段にはなるほど、と思わされます。だけどあくどい訳じゃなく、人ってのはやはりなにか信じるものがほしいのかなあ、と思える面も。この「大地の会」は、さほど悪いものじゃないかもね。 だけど。終盤の展開が怖いなあ。どんどん成功しているはずなのに、結局は何が幸せだったのか分からなくなってしまう。目標を見失ってどんどん暴走し、自分の首すら絞めることになってしまうとは。諸刃の剣だったのですね。 こういうものに頼らずに、自分をしっかりと持って生きていきたいものですが。難しいのかなあ。

Posted byブクログ

2011/01/12

リストラ等で人生に行き詰まり、ホームレスにまで落ちた主人公が、仲間を集めてインチキ新興宗教を立ち上げるという長編小説。 と書くと、柴田錬三郎賞を受賞した篠田節子の「仮想儀礼」に近い感じがするが、それほどのスピード感やスケール感はなく、むしろ宗教を立ち上げるまでのホームレス時代の話...

リストラ等で人生に行き詰まり、ホームレスにまで落ちた主人公が、仲間を集めてインチキ新興宗教を立ち上げるという長編小説。 と書くと、柴田錬三郎賞を受賞した篠田節子の「仮想儀礼」に近い感じがするが、それほどのスピード感やスケール感はなく、むしろ宗教を立ち上げるまでのホームレス時代の話がかなり長くて、最初はやや焦れったく感じられた。 ただ、上巻の最後の方から少しずつ面白くなり、下巻は何だかんだいってほぼ一気読み。特に教祖に祭り上げる青年のキャラクター設定が印象的だった。

Posted byブクログ

2011/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻で主人公達の作った新興宗教が上手く滑り出し、事が進んでいく、しかし気づけば自分の望んだものはこれだったのか?・・・ 幸せとは??大きくなる宗教と共にばらばらになる仲間と、安定しない自分の心。そして、行きつく先とは・・・ 少し展開に不満でしたが、人間の繋がりの難しさ、物事を進めていく事の困難さ、理想と現実とは?そういう事を考えさせられる作品でした。

Posted byブクログ

2011/01/11

新興宗教って、「何かもっと良いことが有るはず」、「私は人とは違うものが有るはず」と思いたい人がハマる物だと昔から思ってます。 これは正しくそんな人達の物語だと思います。

Posted byブクログ

2011/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(ややネタバレあり?) リアルで怖かったな~。 宗教にはまるとこうなるか。 同じものを崇拝していたはずなのに、その中から自然と派閥が生まれ、排除されるものも出来てきて…。 もともとがインチキ宗教なだけに、それに気づいた人の追及にドキドキしてしまった。 ネットでの書き込み内容とかも、リアルだな~と思った。 そうそう、「どうしてこんな漢字変換してるの?」とちょっと理解できないような感じなんだよね。 山崎が飯村のところへ行ったのか、どうか。 気になるところです。

Posted byブクログ

2010/12/27

下巻では新興宗教が順調に走り出してからが描かれます。登場人物も少ないし、上下巻合わせて700ページを超える大作ですが、さくさく読み進められます。繰り返しますが、村上龍とは違う(笑。ただ、この結末はいけません。「この先どうなるか、さぁみんなで考えよう」というオチの付け方、俺は大嫌い...

下巻では新興宗教が順調に走り出してからが描かれます。登場人物も少ないし、上下巻合わせて700ページを超える大作ですが、さくさく読み進められます。繰り返しますが、村上龍とは違う(笑。ただ、この結末はいけません。「この先どうなるか、さぁみんなで考えよう」というオチの付け方、俺は大嫌いです。広げた風呂敷をきちんとたたむのもまた、作家の仕事やないのかなぁと思うわけです。

Posted byブクログ

2010/12/18

奇跡のような成功の中、私は思う。 誰かに救ってほしいと。 作りだされた虚像の上に見る間に膨れ上がってゆく「大地の会」。 会員たちの熱狂は創設者の思惑をも越え、 やがて手に負えないものになった。 ホームレス生活からの劇的な生還。 だが多くを手に入れ、ふと振り返ると そこにあるの...

奇跡のような成功の中、私は思う。 誰かに救ってほしいと。 作りだされた虚像の上に見る間に膨れ上がってゆく「大地の会」。 会員たちの熱狂は創設者の思惑をも越え、 やがて手に負えないものになった。 ホームレス生活からの劇的な生還。 だが多くを手に入れ、ふと振り返ると そこにあるのは空虚な祝祭と、不協和音だった。 人の心を惹きつけ、操り、そして--壮大な賭けが迎える結末は。 人間の底知れぬ強さとかぎりない脆さ。 傑作長編小説、衝撃のラスト!

Posted byブクログ

2013/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【砂の王国 下】 萩原浩さん 山崎はホームレス仲間の仲村をプロデュースし、 彼を教祖に祭り上げ、彼自身はあくまでも裏方に徹した。 教祖に祭り上げられた仲村の容貌、そして辻占い師龍斎の 人の表情を読み取るコトに長けた占い術とが相まって 彼の始めた新興宗教(大地の会)は順調な滑り出しを見せた。 信者と呼ばれる人たちは、彼ら自身が労力となり 無償で教団に尽くす。 そして、組織というものは、ある程度大きくなると 後は放っておいても雪だるまが転がるように大きくなるのだ。。 当初、商店街の一角を借りて始めた事務所兼道場はたちまち 手狭となり、新たな道場の建設や信者の修行プログラムの 改変に山崎は奔走した。。 組織の拡大は留まるところを知らず、やがて山崎1人では 組織を制御できなくなってきた。。。。 教団が、彼が当初描いていたイメージから離れだしたのだ。 その頃から山崎は不安にさいなまれだす。 自分で立ち上げたはずの組織が、手で砂をすくうように 自分の手のひらからこぼれ落ちてゆくのだ。 彼は酒の力を借りて不安をぬぐおうとするのだが 不安は一向に治まる気配がない。。 ホームレス時代の、「明日の食べ物や寝る場所」という 不安と違い、今度の不安は形が見えない不安であった。 ☆ 教団がどんどん過激になっていく様は、松本サリン事件の 某教団を連想しました。 狂信化した信者ほど怖いものはない。。 山崎は人に頼ることが出来ない性格だった。 すべて自分で考え、線を引き、色を塗る。。 それが少しでも自分の考えから外れると、不安になるのだ。 「法律に触れない」という彼が考えている「教団の最低のルール」 が守られなくなった時が、教団が彼から離れて一人歩き しだした時になるんだろうと思う。 前半はコミカルであったけど、後半は少し怖くもあった。。    

Posted byブクログ

2010/12/17

大地の会はみるみる膨れ上がっていくが、結局・・・ 思っていたのとは、やや違う展開に。 冷静に考えるとかなり怖い状況なんだけど、あまりシリアス感も無く、それほどでも無かった。

Posted byブクログ