デンマークのにぎやかな公共図書館 の商品レビュー
2640 本書では、デンマークの公共図書館をさまざまな角度から見ていくことによって、世界でもっともすぐれた図書館制度をもつこの国の公共図書館の秘密を探っていくことにしたい。それでは、早速、次章からデンマークの公共図書館を支える制度について見ていこう。 デンマークの公共図書館...
2640 本書では、デンマークの公共図書館をさまざまな角度から見ていくことによって、世界でもっともすぐれた図書館制度をもつこの国の公共図書館の秘密を探っていくことにしたい。それでは、早速、次章からデンマークの公共図書館を支える制度について見ていこう。 デンマークの公共図書館の年間貸出冊数は、住民一人当たりに換算すると一三・五冊になる。年間貸出数が二〇冊に達するフィンランドには及ばないまでも、世界的に見るとかなり高い数値と言える。 デンマークで親しくなった司書の一人は大の旅行好きで、長期休暇のたびに世界各国に出かけているらしい。つい最近は、「グリーンランドでトレッキングを楽しんできた」と話してくれた。長期休暇は、司書にとって仕事から離れて自分を取り戻し、リフレッシュして現場に戻るための重要な充電期間となっているようだ。 デンマークでは、公共図書館が人びとの日常生活のなかに溶け込んでいる。乳幼児のころは保護者と公共図書館に通い、学齢期に達すると、ごく自然に学校図書館と公共図書館を使い分けることを覚える。学生は、大学図書館と公共図書館を状況に応じて利用しているし、社会人は所属する会社や組織の図書館と公共図書館を利用している。そして、組織から離れた人びとは、再び公共図書館に通うようになる。 北欧らしい理由としては、秋から冬にかけて「暗い時間」が長いために屋内での読書時間が増え、そのために図書館でいろいろな本を借りて読むようになったということも考えられる。また、本の値段が高いために、図書館で借りて読むことが習慣になってしまったという指摘もよく聞かれるところだ。ほかにもさまざまな理由があるだろうが、これらの要因が重なりあって図書館の利用を活性化させていると思われる。 一般的に北欧の人びとは読書が大好きで、電車の中でもカフェでもよく本を読んでいる。 図書館では、「ほかの人が返した本を借りてみませんか」というコーナーをたしかに、ほかの利用者が読んだ本というのは魅力的である。返却されたばかりの本には、前の利用者の余韻が残っているように感じられることがある。そのような生きた本を積極的に展示し て、借りてもらおうという発想がなかなかおもしろい。 本書を、今回の図書館訪問に同行し、写真を撮影してくれたパートナーの宮沢厚雄は三時には暗くなってしまうデンマークで、方向感覚が極度に貧弱な私が図書館調られたのは、すべて彼のおかげである。
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◉「多様な文化的背景をもった人びとが集まる自由度の高い公共空間」(P237) ◉「直接対話のできる物理的な空間がコミュニティにはどうしても必要」(p238)
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デンマークの図書館の様子や取組がよくわかった。全ての人が平等に情報にアクセスできるという観点から、マイノリティに対するサービスに力を入れていることが印象的だった。駅と郵便局と図書館が一緒になっていたり、駅の構内に図書館を設置しているのも興味深い。図書館には工夫次第でまだまだ可能性...
デンマークの図書館の様子や取組がよくわかった。全ての人が平等に情報にアクセスできるという観点から、マイノリティに対するサービスに力を入れていることが印象的だった。駅と郵便局と図書館が一緒になっていたり、駅の構内に図書館を設置しているのも興味深い。図書館には工夫次第でまだまだ可能性があると思わせてくれた。
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北欧は夜が長いので 必然的にその心地よい過ごし方を みんな工夫して生きているのね。 そのひとつが本を読むこと。 だから、身近に図書館があれば 惜しげもなく借りるよね〜。 すてきな習慣だ。 一方、教育施設として 移民への識字支援にも力を入れてることが よくわかりました。
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コミュニティの自然な人的ネットワーク構築を促す場としての図書館の可能性。届きそうで届かない理想の社会。嘘っぽくないプログラム、集会での交流、ボランティア活動を参考にしたい。 「期待感が先行するだけで現実が伴っていない」
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映画「ニューヨーク公立図書館」に触発されて読み始めた北欧図書館シリーズ(勝手に名付けた(笑))の第1弾。「平等・共有・セルフヘルプを実現する場所」と副題がありますが、正直、読んでいてそれを感じることなく、最後のまとめで記載されているので意識した程度でした。北欧と言うだけでなんとな...
映画「ニューヨーク公立図書館」に触発されて読み始めた北欧図書館シリーズ(勝手に名付けた(笑))の第1弾。「平等・共有・セルフヘルプを実現する場所」と副題がありますが、正直、読んでいてそれを感じることなく、最後のまとめで記載されているので意識した程度でした。北欧と言うだけでなんとなく憧れてしまう感じをもちますが、図書館の目的、存在意義をはっきりさせて、その上で運営しているという点こそ学ぶべき点が多いのだろうと感じました。映画を見たあとだし、この本自体も10年前のものだと言う事から、図書館での取り組みに画期的なものは感じられなかったけど、戦略があって戦術があるべきところに、トップの戦略なくして戦術しかないような日本との違いをもっとエッジを効かせて話を聞かせて欲しかった感じです。ソフトな無難な報告的内容になっているのはもったいない感じもします。
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高い利用率を誇るデンマークの図書館について、旅を通じて記された見聞録です。 司書と利用者の両者の熱意が、ベンチャーな活動を支えているのだと思いました。 難しい課題に挑戦する姿勢は、全ては無理でも日本の図書館に取り入れられることを願います。
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はっきり言って、最期のまとめ以外には、参考にし難い主観的な描写が多く、突っ込んだ質問・応答もされていないように感じてしまう。 それはともかく、紀行として、体験談としては面白いし、気になるキーワードや紹介も多かった。 本当に「入り口」としての1冊、だと思います。 休みの日にのんび...
はっきり言って、最期のまとめ以外には、参考にし難い主観的な描写が多く、突っ込んだ質問・応答もされていないように感じてしまう。 それはともかく、紀行として、体験談としては面白いし、気になるキーワードや紹介も多かった。 本当に「入り口」としての1冊、だと思います。 休みの日にのんびり読むのが良い感じ。
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元図書館員で、今現在図書館学をやり直しているものとしてもしもう一度勤務するのなら、どんな図書館を目指してみたいのかというイマジネーションを得るために読みました。にぎやかな図書館、なんて楽しそうじゃないですか? 一人のユーザーとしても、図書館が居心地いい空間なのは大歓迎ですもの。...
元図書館員で、今現在図書館学をやり直しているものとしてもしもう一度勤務するのなら、どんな図書館を目指してみたいのかというイマジネーションを得るために読みました。にぎやかな図書館、なんて楽しそうじゃないですか? 一人のユーザーとしても、図書館が居心地いい空間なのは大歓迎ですもの。人間誰しも、好きなことをもっとやってみたい。新しいことにも、気軽に出来るなら挑戦してみたい。そんな気持ちがあると思います。個が確保された空間で、緩やかに他の人と空間を共有することの心地よさは、その場を離れても人を孤独にしません。 そんな空間を保証するのが図書館であるとすれば、ここに紹介されている図書館は、なんて頼りになって居心地が良さそうなことでしょう。自分の街の図書館をもっと愛するためにも、一読してはいかが?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
デンマークの社会システムが日本とは根本的に違う以上、そのまままねしたところで日本の環境になじんだよい図書館ができるわけではないけれども、学ぶべきところはたくさんあるように感じた。 社会の中でどれだけ大事な存在に図書館がなれるか、そのための努力をもっとすべきではないだろうか。 利用者の目線で考えるということは重要なことだと思う。
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