抱擁、あるいはライスには塩を の商品レビュー
かなりキテレツな家庭だけども、江國の世界になると淡々と当たり前みたいに感じるから不思議。なにか秘密があるのではいやこの作者ならきっとない(笑)って分かりつつも、、、、疑りながら読みまして大きな秘密はやっぱりありませんがそれもまたよしでした。知りたい気持ちを満足させてくれる読後感。...
かなりキテレツな家庭だけども、江國の世界になると淡々と当たり前みたいに感じるから不思議。なにか秘密があるのではいやこの作者ならきっとない(笑)って分かりつつも、、、、疑りながら読みまして大きな秘密はやっぱりありませんがそれもまたよしでした。知りたい気持ちを満足させてくれる読後感。文章の心地よさ。とにかく分厚いので寝転がって読むと腕が震えました。タイトルは「号泣する準備はできていた」のつぎに好き。抱擁、またはライスに塩を。いやぁ、浮かばない。素敵すぎます。
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これはもしや時系列順に年表を作ると何か壮大な秘密が隠されているのではないか?!?!と思って作ってみたけどなんもなかった 最後まで読んで、あぁこれは単なる家の記憶の話なんだなと思った 絹は菊之が岸部の子を身ごもったときに天罰だと思ったらしいけど、菊之と豊彦が離婚したことは絹にとっては何なんだろう 愛した人の家に豊彦が戻る事は喜ばしい事?でも大事な娘を捨てられたのだから天罰? 豊彦は何を思って、絹の死後絹の愛した人の家に戻ったんだろう 陸子の視点で語られる一番最初の話が印象深かった 家の雰囲気をよく表してる 光一と涼子の大学生時代の話も甘酸っぱくて好き 一番嫌いなのは麻美
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大家族の一人一人がそれぞれの時代でそれぞれの語り口で章が進んでいくのが、複雑だけど面白かった。 心に残ったフレーズ ”別れるとき淋しくて、一緒にいて愉しく、信頼できて、単純に好きだと思える人、言葉にしなくても、互いにそれがわかっている人。それをもし親友と呼ぶなら、私のそれは、野...
大家族の一人一人がそれぞれの時代でそれぞれの語り口で章が進んでいくのが、複雑だけど面白かった。 心に残ったフレーズ ”別れるとき淋しくて、一緒にいて愉しく、信頼できて、単純に好きだと思える人、言葉にしなくても、互いにそれがわかっている人。それをもし親友と呼ぶなら、私のそれは、野村さんかもしれない。” "この十数年間で私は幾つかのことを学んだ。そのうちの一つは、世の中は本なのかに似ているということで、この発見は私にとって、まさに人生がひっくり返るほどの大事件だった。かつて私は本の中ならば安心だけれど、本の外は不安だと思っていた。本のなかのことならば理解できるけれど、本の外のことは理解できない、と。でも、本の外というのは本のなかにそっくりなのだ。いろんな人がいて、いろんな事情がある。いろんな時代があり、いろんな場所があって、いろんなことが次々に起こる。人は愛し、人は恨む。人は出会い、人は別れる。世の中が本のなかと似ているとわかってから、私はとても自由になった。"
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幸せな大家族の解体。家族というのも目まぐるしく形が変わるものなんだ。何不自由なく好きなことをして生きられるとしても、万事順調ではないって改めて。1人で生きているわけじゃないからかな。
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壮大な物語だ。初めはクラシカルな雰囲気が漂っていて、だんだん現代的になっていくのが、なんとなく切なさを感じる。こういう生活もありかもと思うけど、やっぱり世間からは浮いちゃう存在なのかな。世間体を気にせず生きられればどんなにいいか。
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大正期に建築された美術館のような洋館に暮らす柳島家。ロシア人の祖母がいて、叔母も叔父も同居していて、4人きょうだいは父親が違う子と母親の違う子が1人ずつ。大学入学までは子どもを学校に通わせない教育方針。 そんな、物語の要素としては魅惑たっぷりの「風変りな家族」の様子が、語り手を...
大正期に建築された美術館のような洋館に暮らす柳島家。ロシア人の祖母がいて、叔母も叔父も同居していて、4人きょうだいは父親が違う子と母親の違う子が1人ずつ。大学入学までは子どもを学校に通わせない教育方針。 そんな、物語の要素としては魅惑たっぷりの「風変りな家族」の様子が、語り手を変え、時代を行ったり来たりしながら描かれていきます。各章が独立した短編としても楽しめます。 柳島家ほどではないにしても、どこの家族にも、家族のなかだけのルールとか家族だけに通じる言葉とかあると思います。外の世界と関わることで初めてその独自性に気づいたり。それって、なんだかおもしろいし、ちょっと怖いような気もします。 結婚によってよその家族のなかに飛び込んでいくことになった百合ちゃんの話が衝撃的で印象に残りました。
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すごく久しぶりにこの人の本を読んだ。おもしろかった。昔ほど、くどさがなくなっていて、読みやすかった。
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お上品な、並外れたお金持ちの世界を味わいました。お言葉遣いやら、仕立てのいいお洋服やら。。いちいち、うわっ、うわっ。。と思いつつも、なんとか読み切った。現実離れしてて面白かったけど、これが当たり前の現実のひともいるんだろうなあ。この家に嫁には行けないな、私は。来いとは決して言われないだろうが。涼子さん、大変そうだなあ。。大の大人の男に、お父様でなく、親父と言わせるのに一年がかりとかさ~。
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久しぶりの江國香織。 普通なのに不思議な世界に引っ張り込まれる。 きっとまた読む。マイ図書室で。マイ図書室はBedの上かな。 bookoff ¥108
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毎度の江國香織が描写する何気ない日常のワンシーンと冷静に普通ではない人と人との関係性を描く作品。本当に彼女の作品を読むと、人と人との関係やものごとに、名前がついていないものなんてたくさんあるんだなと思う。 ストーリーは年代、語り手が章ごとに違うから、正直読むのは大変。いつ、誰の...
毎度の江國香織が描写する何気ない日常のワンシーンと冷静に普通ではない人と人との関係性を描く作品。本当に彼女の作品を読むと、人と人との関係やものごとに、名前がついていないものなんてたくさんあるんだなと思う。 ストーリーは年代、語り手が章ごとに違うから、正直読むのは大変。いつ、誰の視点か、解釈のため立ち止まらなきゃ読み進められないけど、自然と視点を変えられちゃう。 みんなちょっとずつ人には言えない大きな秘密があるのね。本音と建前、自分の意思と世間体などが描かれているのかな。これを読んでると何が幸せなのだろうかとぐるぐるし始める。。
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