抱擁、あるいはライスには塩を の商品レビュー
時代設定が行ったり来たり、登場人物も多いので読むのに時間がかかった。 江國香織さん特有(?)お得意の風変わりな家族小説。 終わり方もわたしは好き。 とにかく言い回しが美しい。これも独特であり、お馴染みでもある。 「かわいそうなアレクセイエフ」 「みじめなニジンスキー」 この掛け合...
時代設定が行ったり来たり、登場人物も多いので読むのに時間がかかった。 江國香織さん特有(?)お得意の風変わりな家族小説。 終わり方もわたしは好き。 とにかく言い回しが美しい。これも独特であり、お馴染みでもある。 「かわいそうなアレクセイエフ」 「みじめなニジンスキー」 この掛け合いはときに微笑ましく、涙ぐましい。 自由万歳!ライスには塩を。
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どんな家族にも変わっているところは必ずあって、そもそも世間一般なんてものは幻想でしかないと思う。 友達の家に遊びに行くと、漂う匂いもお母さんの話し方も、食器のしまい方やおやつにでてくる飲み物もご飯の時間も少しづつ違っていて、自分の家に帰ってくるとほっとした子供のころを思い出した。...
どんな家族にも変わっているところは必ずあって、そもそも世間一般なんてものは幻想でしかないと思う。 友達の家に遊びに行くと、漂う匂いもお母さんの話し方も、食器のしまい方やおやつにでてくる飲み物もご飯の時間も少しづつ違っていて、自分の家に帰ってくるとほっとした子供のころを思い出した。 私の大好きな「流しの下の骨」のこと子と律が、陸子と卯月に形を変えて出てきているようで嬉しかった。
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家族。屋敷。西洋に東洋。家庭教師。庭。卯月と睦子。桐ちゃん。菊ちゃん。愛人。読み進めるうちに、登場人物の個性がわかってて、次第に情景が浮かんで来るようになる。もっと他のエピソードも知りたくなる。
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江國さんは、エッセイ本『泣かない子供』で、「個人的真実」というものについての文章を書いている。真実とは個人的なものであり、見失ってはならないものである、という内容だった。 この作品に同じものを感じた。家族という密な関係にありながらそれぞれに生き方をしている登場人物たちは、ひとりひ...
江國さんは、エッセイ本『泣かない子供』で、「個人的真実」というものについての文章を書いている。真実とは個人的なものであり、見失ってはならないものである、という内容だった。 この作品に同じものを感じた。家族という密な関係にありながらそれぞれに生き方をしている登場人物たちは、ひとりひとりが「個人的真実」を見ながら、あるいはそれに基づいて、生きているように思えた。 うらやましかった。 どう生きても結局つらいことがあるならば、自分にとっての真実のある生き方が一番幸せなのかもしれない。
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桐叔父さんがすごく好きだった。 陸子のように生きてみたかった。 こういう話が、書きたーい!!(無理)
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三世代にわたる風変わりな家族の物語。ただ、読んでる感覚はまるでミステリーに近い…次は、誰の秘密がわかるのとか止まらない!自由で世間体等気にしないこの家族のほうが真っ当に感じてしまう!時代が前後したり、語られる視点も変わったりするのも絶妙。最後の独白はそれまでの皆の秘密をかすませて...
三世代にわたる風変わりな家族の物語。ただ、読んでる感覚はまるでミステリーに近い…次は、誰の秘密がわかるのとか止まらない!自由で世間体等気にしないこの家族のほうが真っ当に感じてしまう!時代が前後したり、語られる視点も変わったりするのも絶妙。最後の独白はそれまでの皆の秘密をかすませてしまう。そして、人の心の深さやいろんな愛情の形を感じられる傑作!久しぶりに本を読んだと思えた…著者に感謝!
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豪邸に住む4人のきょうだいとその風変わりな家族の物語です。不思議世界にどっぷりと浸ることができました。しばらくは、「みじめなニジンスキー」「かわいそうなアレクセイエフ」のフレーズが頭から離れなさそうです。600ページがあっという間で、読み終わるのが勿体なく感じる良書でした。
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長〜いけど、おもしろかった〜。好きだった。江國香織は家族の話がやっぱりいいんじゃないかなーと思った。ここのところの恋愛モノより断然好き。長くても各章で語り手が変わるせいか、ダレないし飽きないし、大河小説のようでもあり、ミステリのようでもあり、スケールが大きいけど、それでいて江國香...
長〜いけど、おもしろかった〜。好きだった。江國香織は家族の話がやっぱりいいんじゃないかなーと思った。ここのところの恋愛モノより断然好き。長くても各章で語り手が変わるせいか、ダレないし飽きないし、大河小説のようでもあり、ミステリのようでもあり、スケールが大きいけど、それでいて江國香織らしい繊細な雰囲気で統一されていて。ちょっと「流しの下の骨」の雰囲気もあるような。事件は起きているんだけど、淡々としていてなんだか「とりたててなにが起きるわけでもない」ような感じがしてしまって、ただひたすらいつまでも読んでいたいと思うような。まるで、人生、のような。人生は甘く、切ない、というような。なんだかとんでもなくせつない。続編が読みたいなー。
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時系列を少しずつずらしながら、視点を変えながら進む親子3代の話。 これの前に読んだ話にも出てきたけれども、「見えない檻に閉じこめられた女(嫁)」というポジションを書くのがうまいというか、こう鬼気迫るものがあると感じた。
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時間の積み重ね、家族の歴史みたいなものがうまく表現された年代記。各人物の視点で描かれた物語の扱いが上手い。うまくエピソードを整理している。確かに描かれているのは「風変わりな家族」ではあるけれど、多かれ少なかれ各家庭は多少ずれているものだと思うので、それ程特異さが際立つわけではない...
時間の積み重ね、家族の歴史みたいなものがうまく表現された年代記。各人物の視点で描かれた物語の扱いが上手い。うまくエピソードを整理している。確かに描かれているのは「風変わりな家族」ではあるけれど、多かれ少なかれ各家庭は多少ずれているものだと思うので、それ程特異さが際立つわけではない。文章もナチュラルで癖がないし、とても楽しく読めました。 江國さん、腕上げましたね。
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