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生まれてバンザイ の商品レビュー

4.4

31件のお客様レビュー

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2024/06/01

図書館でお借りしました。 文庫サイズのハードカバーが手に馴染み、淡いカラフルなイラストで優しく包まれた本です。直線を留めない『言葉の積み木』のようにも見えますね。 (作品よりP.102)  「ばあば、かぎ、がちゃがちゃ」  吾子は  不器用な積み木のように  言葉を積めり 頁を...

図書館でお借りしました。 文庫サイズのハードカバーが手に馴染み、淡いカラフルなイラストで優しく包まれた本です。直線を留めない『言葉の積み木』のようにも見えますね。 (作品よりP.102)  「ばあば、かぎ、がちゃがちゃ」  吾子は  不器用な積み木のように  言葉を積めり 頁をめくれば1ページ毎に、妊娠してからの子育ての日々を思い出させてくれます。 母となり、子どもを育て、子から貰ったたくさんの想い出や、母(親)への想いを、言葉でここまで表現してくださった俵万智さんに感謝です。 少しだけ、ご紹介させてください。  乳はときに  涙にも似て  子の寝顔見れば  奥より  つんと湧きにくる 添い寝しているのでしょう。 乳児の時は乳も張ります。 子の寝顔を見ているだけで、涙が出てくるし。 我が子を想う、愛おしさに溢れています。  リセットのできぬいのちを  はぐくめば  確かに我は  地球を愛す 混沌とした世界情勢、環境問題。 子ども達のこれからの未来を案ずると、 地球を守りたい気持ちも強くなりますね。 「生まれてバンザイ」。 まるごと素敵な歌集です。 やっぱり、購入します。笑

Posted byブクログ

2024/03/31

俵万智さんの短歌集ですね。 『このアンソロジーは、息子を身ごもってから、出産し、幼稚園を卒園するころまでの短歌を中心に編まれている。一年一年が、いや一日一日が、それぞれに二度とない時間だった。そのことを、あらためて思う。』と「まえがき」に語られています。 俵万智さんは、初読みです...

俵万智さんの短歌集ですね。 『このアンソロジーは、息子を身ごもってから、出産し、幼稚園を卒園するころまでの短歌を中心に編まれている。一年一年が、いや一日一日が、それぞれに二度とない時間だった。そのことを、あらためて思う。』と「まえがき」に語られています。 俵万智さんは、初読みですが、すぐに魅了されました。どの短歌も心に響きます。 編集の田中和雄(童話屋)さんは『万智さんは、たくみん君(俵万智さんの息子さん)のお母さんをやっているうちに、いつのまにかたくさんの赤ちゃんや子どもたちのお母さんになって、優しい、深いいい歌をたくさん詠んでくれたのです。万智さんの歌は、日本中に響いていって、お母さんを幸せにし、子どもたちを幸せにしてくれるにちがいありません。』と綴られています。 俵万智さんの喜びや幸せが一杯つまった歌集ですね。 抜粋しようと思いましたが、どれも素晴らしくて選びきれませんでした。 この一冊で俵万智さんのファンが一人増えました。

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2024/02/23

「プーさんの鼻」「サラダ記念日」などからの再掲哥が、一頁一首の形式で並ぶ。 . 何度読んでも並びが変われば新鮮で、そしてやっぱり私は俵万智が好きだと、改めて実感する歌集。 自分で味わうのにも、出産のお祝いにもオススメの歌集です。 . 俵万智の歌の良さはリズム感、からっとした明る...

「プーさんの鼻」「サラダ記念日」などからの再掲哥が、一頁一首の形式で並ぶ。 . 何度読んでも並びが変われば新鮮で、そしてやっぱり私は俵万智が好きだと、改めて実感する歌集。 自分で味わうのにも、出産のお祝いにもオススメの歌集です。 . 俵万智の歌の良さはリズム感、からっとした明るさ、読めば思い浮かぶ情景。 . . . ◯おむつ替えおっぱいをやり寝かけ抱く母が私にしてくれたこと . ◯夜泣きするおまえを抱けば私しかいないんだよと月に言われる 【母から受けた愛情の繰り返し】という言葉は、 自分に言い聞かせるための言葉だった事もあるし、時に自分にもこう愛された日々があったのだとじんわり響いた時もあった。 この歌は、読むたび子育てに必死だった当時の自分を、ありありと思い出せる。 . また、家族全員が寝静まった夜、おっぱいあげても抱っこしても泣く我が子に、途方に暮れながらひたすら家の廊下を往復した日々。 . あの愛しくも苦しかった二度と戻らない時間へ、私を同時につれていってくれる。きっと子を持つ親の共感を心から得れる歌集です。 色んな感情を三十一文字で表す和哥ってすごい。

Posted byブクログ

2023/08/22

短い短歌に詰まったみずみずしい赤ちゃんの感触だったり、眼差しだったり…匂いまで伝わってきそうな、そんな感じがした。 我が子もこんなだったんだよなぁと懐かしくもあり、淋しくもあり。 とても良い。うん、とてもよかった。

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2023/06/09

俵万智さん好き。 言葉のチョイスが素敵。 素直な気持ちを、三十一文字で表現する天才。 子育て中のかけがえのない一瞬一瞬を、こんな風に表現できたら…♡ 素敵やなぁ。。

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2022/11/27

子育ての頃を思いだしました。どれを読んでもあるあるです、今思うと本当に幸せな時間でした。もっと存分に幸せを堪能したかったなぁ。

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2024/03/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『納豆は「なんのう」  海苔は「のい」となり  言葉の新芽  すんすん伸びる』 今は生意気盛りな娘が ヨチヨチしていた頃を 思い出して涙。 あの頃は紛うことなき 天使でした。

Posted byブクログ

2022/08/14

第一歌集「サラダ記念日」の 陽のにおいくるんで タオルたたみおり 母となる日が 我にもあらん という歌で、将来の自分を思い描いていた、俵万智さんの、息子さんと共に人生を歩んでいった、もう二度と取り戻すことのできない時間を摘み取った、記録のアンソロジー。 息子さんの生まれる...

第一歌集「サラダ記念日」の 陽のにおいくるんで タオルたたみおり 母となる日が 我にもあらん という歌で、将来の自分を思い描いていた、俵万智さんの、息子さんと共に人生を歩んでいった、もう二度と取り戻すことのできない時間を摘み取った、記録のアンソロジー。 息子さんの生まれる前は・・ ぽんと腹をたたけば ムニュと蹴りかえす なーに思っているんだか、 夏 秋はもういい匂いだよ 早く出ておいでよ 八つ手の花も 咲いたよ と、期待で胸がいっぱいの様子に、読んでる私も胸が温かくなる。 生まれた後は・・ バンザイの姿勢で 眠りいる吾子よ そうだバンザイ 生まれてバンザイ ふるえつつ 天抱くしぐさ 育児書は モロー反射と 簡単に呼ぶ ついてってやれるのは その入り口まで あとは一人でおやすみ 坊や 一、二、三、 四秒立った 五、六、七、 八秒立った 昨日今日明日 その一秒一秒への想いの深さは、他のそれと違う気がする。 ときには、母の苦労や責任感もあって・・ 泣くという音楽がある みどりごをギターのように 今日も抱えて 親子という言葉見るとき 子ではなく 親の側なる 自分に気づく 夜泣きするおまえを抱けば 私しかいないんだよと 月に言われる 自分の時間 ほしくないかと問われれば 自分の時間を この子と過ごす 揺れながら 前へ進まず 子育ては おまえがくれた 木馬の時間 それでも子はかわいくて・・ しがみつきながら 体をかたむけて 子は 犬という生き物を見る 一人遊びしつつ 時おり我を見る いつでもいるよ 大丈夫だよ こんもりと尻あげたまま 眠りいる吾子よ 疲れた河童のように さよならの 意味を知らないみどりごが 幸せ分かつように 手を振る 叱られて 泣いてわめいてふんばって それでも母に 子はしがみつく (私は独身で子供もいないけど、それでも胸がキュッとした) 何度でも呼ばれておりぬ 雨の午後 「かーかん」 「はあい」 「かーかん」 「はあい」 怖れつつ こちょこちょを待つ 子の瞳 濡れた小石のように輝く 箸はまだ持てない 吾子の右の手が 我よりうまく バッタをつかむ ぼくの見た海は 青くなかったと 折り紙の青 持ちて言うなり そして、母の想いの尊さと際限なき深さに・・ 私から生まれ 私に似ているが 私ではない 私のむすこ 葉桜のみどりに すいと手を伸ばす 坊やいつまで 私の坊や 舟になろう いや波になろう 海になろう 腕にこの子を 揺らし眠らし たんぽぽの 綿毛を吹いて 見せてやる いつかおまえも 飛んでゆくから アルバムに 去年の夏を見ておりぬ この赤ん坊はもう どこにもいない 振り向かぬ子を見送れり 振り向いた時に振る手を 用意しながら 一生を 見とどけられぬ寂しさに 振り向きながらゆく 虹の橋 こうして見ていくと、歌それぞれに、その現実感に満たされた、息づかいや肌ざわりも感じられるような、やわらかくてあたたかい生の瞬間瞬間を、消え去らないうちに、俵さんが素早く摘み取って、歌としたような強い印象を受けまして、それは、まえがきで彼女が書いている、『子育ての歌は、刺身』だという言葉そのものだと思いました。 子どもとの時間は、とびきり新鮮で、とびきり美味しいけれど、あっという間に古びてしまう。 そんな一度きりの、二度と取り戻せない時間だけれど、こうして歌にすることで、いつでも何度でも、その時の鮮度を取り戻すことができる・・改めて、言葉ってすごいし、短歌ってすごい。 また、歌人の穂村弘さんが、「ひとつの歌との出逢いは、ひとつの魂との出逢いである」といった言葉も思い出し、ここでの俵さんの母としての、その想いがまさに彼女自身の魂であり、しかもそれはとても温かくて厳しくて、そして、ちょっと切ない。 そう感じると、お母さんだけでなく、大きくなったお子さんが読むのもいいかもしれない。 子のいない私が読んで、これらの事を感じるのだから、子育て中の方は、尚更、感慨深いものがあるのかもしれませんし、子育て中の、辛さや悩みにも寄り添ってくれるような、共感の思いも、もしかしたら抱くのではと思っております。 短歌を読んだことのない方でも、歌が縦に一続きに書かれた、一般の表記方法ではなく、リズム感に合わせて、幾つかに文体を分けた表現になっているので(上記の歌たちも、それに倣って掲載しました)、その親しみやすさも相俟って、お薦めですよ。 また、私は私で、今回のアンソロジーを実現するきっかけになった、同じ童話屋の詩集で、息子さんお気に入りの「パタポン」を読んでみようと思いました。

Posted byブクログ

2022/06/22

俵万智の子育てアンソロジー。子の成長の一瞬一瞬を丁寧にそして楽しく歌にしている。慌ただしかった子育ての日々を客観的に思い返すことができて感慨深かった。

Posted byブクログ

2021/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

加熱も味付けもされていない、生身の歌たち。 子を持つと、主体が変容する。 変容していく経過を丁寧に、時には変化の瞬間を鮮明に、31字に収めていく。 「舟になろう いや波になろう 海になろう  腕にこの子を揺らし眠らし」 「たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやる  いつかお前も飛んでゆくから」 安らかで、強くて、幸せで。 終わりの方には恋の歌もすこし収められているけど、何も感じなくて、私はもう。

Posted byブクログ