1,800円以上の注文で送料無料

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust-排気(完全版) の商品レビュー

4.1

81件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2019/01/27

未成年娼婦として働く主人公が雇い主に殺されかけたところを助けられ、「自分はなぜ殺させたのか」「なぜ生きているのか」を問いながら殺人事件の解決を目指す話。 助けられた時に金属繊維の人工皮膚を移植されたり、空飛ぶ車が出てくるなど、SF要素が非常に強い作品。 全体的には非常に暗い内容。...

未成年娼婦として働く主人公が雇い主に殺されかけたところを助けられ、「自分はなぜ殺させたのか」「なぜ生きているのか」を問いながら殺人事件の解決を目指す話。 助けられた時に金属繊維の人工皮膚を移植されたり、空飛ぶ車が出てくるなど、SF要素が非常に強い作品。 全体的には非常に暗い内容。 上巻は読者に対して情報がほとんど開示されない状態で事件が進むため、正直おもしろくない。 でも、中巻〜下巻がバツグンに面白い。特に中巻の中盤〜下巻の中盤にかけて行われるカジノゲームがとてもよい。 『ライアーゲーム』のように頭脳を使ってゲームをクリアしていく様子は爽快感があって非常に面白いため、おススメ。 戦闘部分の描写が分かりづらかったり、世界観が理解できていない時に専門用語がたくさん出てくる点は読みづらいけれど、中巻以降を信じて読み続けて欲しい。

Posted byブクログ

2019/01/01

冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。 『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感...

冲方丁作品は先に『天地明察』、『光圀伝』を先に読んでいて、どちらも素晴らしかったので、元々SFが本業だということに驚いた。 『マルドゥック・スクランブル』は3冊組で、①はいかにもSFという感じの戦闘モノの色が強い。著者の言葉選びは面白いと思う一方で、ちょっと中2感がすぎるなと感じる時もあって、その辺はちょいと寒いかなと。 ただ②、③は戦闘より、ギャンブルのシーンが長く、ここがとにかく面白い。SFらしく特殊能力を使っているものの、それを凌駕するほど強いディーラーとの戦い。 --- “撃ったら引く(ヒット・アンド・ラン)。プレイヤーいつも不利な条件だから。自分よりも強い相手と戦うための戦法。”

Posted byブクログ

2018/03/17

ブラックジャックは全くわからなくて、戦闘シーンもあまり好きではないので、なんとか読んだという感じです。

Posted byブクログ

2019/09/18

決着が、つきます。 ともかくも、それに尽きる。 死すべきものは死に、残るべきものは残り…。 印象的だったのは、カジノの勝負の大詰め。バロットがウフコックを「外し」て勝負に臨む場面。 あ、この娘は自分の力で生きようとしてる…と。それでこそ、ウフコックといることが出来る…と。心...

決着が、つきます。 ともかくも、それに尽きる。 死すべきものは死に、残るべきものは残り…。 印象的だったのは、カジノの勝負の大詰め。バロットがウフコックを「外し」て勝負に臨む場面。 あ、この娘は自分の力で生きようとしてる…と。それでこそ、ウフコックといることが出来る…と。心の中で快哉を叫びました。 冒険小説の魅力とは、 「現実ではあり得べからざる困難に対して、様々なものを奪われ、喪失した人物が、自ら能力と心を振り絞って戦うことで乗り越えていく自己回復のプロセスを読む」 という達成感と爽快感、必死さにあると思うのですが、これはそういう意味では一級品。回復の助力をする者は魅力的であって欲しい。その魅力を語るという意味でウフコックはとびきり格好いいです。 でもそれだけじゃなくて。 バロットが自分の力でウフコックを護り、自分の未来を掴もうとした瞬間から、バロットも「何かを与えうるもの」に変貌してゆく。 それがとても素敵でした。 敵側のはずのカジノの面々が、バロットと心を重ね合わせるところも、馴れ合いでなくて大人の対応ですし。 敵役の悲しみにも寄り添いながら、罪は罪として清算させる。そこに妥協がないのもいい。凄惨な場面があるのに、清々しく。悲しいのに納得がいきます。 最後の方でウフコックとバロットが涙する場面は、最高の愛の場面です。 「ずっと愛してもらいたいと思っていた。 でも、愛したいと思ったのはあなただけ。」 と言った趣旨の言葉が、ズンと胸に来ます。 抱いていてくれと告げる、ウフコックのほのかなぬくもりも。 なにもかもを失ったとしても、与えられるだけではない。ただ無意味に与えるだけでもない。 生きるだけなら一人でも出来る。でも…取り戻した何かを、愛する人に一途に差し出せるから…。抱きしめることが出来るから…。 ああ、これ以上言葉は要りませんね。 刺さった何かを大事にしたいです。

Posted byブクログ

2017/06/11

極上のエンターテイメント、という感想がぴったりな感じ。漫画を先に読んでいたので、読んでなければもっとワクワク読んでいただろうなぁ。

Posted byブクログ

2017/02/02

三部作の最後。 カジノ、記憶の隠し場所、ディーラーも魅力的。話自体も面白いし、情景も目に浮かぶ描写もいいんだけど…… 文章がちょっとウザイ。 狙ってる?と思うほどウザイ。 耐えられるギリギリレベルでした。 話の内容とあいまって熱狂的なファンをつくりそう。 トータルでは設定や人物な...

三部作の最後。 カジノ、記憶の隠し場所、ディーラーも魅力的。話自体も面白いし、情景も目に浮かぶ描写もいいんだけど…… 文章がちょっとウザイ。 狙ってる?と思うほどウザイ。 耐えられるギリギリレベルでした。 話の内容とあいまって熱狂的なファンをつくりそう。 トータルでは設定や人物なども雰囲気があり面白いです。

Posted byブクログ

2016/10/18

あとがきやら解説やら書評やらで知ったけど、カジノシーンは名場面だったんですね。読解力の無さ、作品への共感力の乏しさを嘆くところだけど、でも、自分的には冗長と思ったんだから仕方ない。そこをもっと濃縮して、二分冊くらいの分量に収まっていたら、おそらくもっと好きな作品になっていたと思い...

あとがきやら解説やら書評やらで知ったけど、カジノシーンは名場面だったんですね。読解力の無さ、作品への共感力の乏しさを嘆くところだけど、でも、自分的には冗長と思ったんだから仕方ない。そこをもっと濃縮して、二分冊くらいの分量に収まっていたら、おそらくもっと好きな作品になっていたと思います。でも、最後の無重力男とのバトルシーン、ベタながらも闘いを通して分かり合えたりとか、人間離れした中に垣間見える、でもかなりの人間臭さを発散するクライマックスは好きでした。前日談が描かれているらしい、シリーズ続編も気にはなるけど、読むとしても優先順位は高くないかな…

Posted byブクログ

2016/08/07

SFでした。しかも最高の。主人公の女の子が殺されかける所から話が始まる。何故私なの?という問いを主柱にバレットが成長していく様子が描かれる。仲間のウフコックを感情に任せて使ってしまう葛藤が1巻には描かれていて、胸が苦しくなる。2巻の終盤からこの小説の醍醐味である、カジノ編スタート...

SFでした。しかも最高の。主人公の女の子が殺されかける所から話が始まる。何故私なの?という問いを主柱にバレットが成長していく様子が描かれる。仲間のウフコックを感情に任せて使ってしまう葛藤が1巻には描かれていて、胸が苦しくなる。2巻の終盤からこの小説の醍醐味である、カジノ編スタート。これが本当に熱い。敵が魅力的過ぎて。ルーレット、BJのかっこよさが異常。テーブルゲームでここまで魅せてくるとは思わなかった。素晴らしいと諸手を上げて賛辞を送りたい。その分、その後の戦闘が少し霞んでしまったのが残念。ただ頭の中で再生される映像の迫力は類を見ないほど。ボイルドの重力操作が強くてカッコよくて痺れる。 表現がふわっとしている所が多々みられた。そこを感覚で掴めないと入り込めないかもしれない。焦げ付き、という単語を前後の流れや感覚で自分の中に落とせるかどうかで評価が変わるかも。世界観に感覚ごと飛び込まなければ、よく分からないで終わりそう。人を選ぶ小説な気はする。

Posted byブクログ

2015/10/01

【崩れ落ちる、命】 SF畑で育ってというか星新一の世界の中で生きてきて、想像力だけは豊かになった。豊かになったからこそSFがさらに大好きになった。SFにはロマンだけじゃなくて常に未来への風刺が込められている。近代化は何かを犠牲にして成り立つという警鐘をならしながら与えられる仮想...

【崩れ落ちる、命】 SF畑で育ってというか星新一の世界の中で生きてきて、想像力だけは豊かになった。豊かになったからこそSFがさらに大好きになった。SFにはロマンだけじゃなくて常に未来への風刺が込められている。近代化は何かを犠牲にして成り立つという警鐘をならしながら与えられる仮想現実は、ひどく苦くそして甘い。 頭の中に膨らんだifがつまらない現実をフルカラーに縁取る。内容はともかく世界が面白かった。

Posted byブクログ

2015/06/10

 シェルの犯罪の証拠を懸けてのブラックジャック対決、そしてボイルドとの最終対決が描かれる完結編。 ブラックジャックシーンは専門用語が飛び交い、ブラックジャックに詳しくない自分にとって読むのはちょっときついかな、と始は思っていたのですが、読んでいくうちにあっという間に惹きこまれま...

 シェルの犯罪の証拠を懸けてのブラックジャック対決、そしてボイルドとの最終対決が描かれる完結編。 ブラックジャックシーンは専門用語が飛び交い、ブラックジャックに詳しくない自分にとって読むのはちょっときついかな、と始は思っていたのですが、読んでいくうちにあっという間に惹きこまれました。  なんでルールも分からないのに惹きこまれるのだろう、と思ったのですがあとがきを読んで納得。 というのも、冲方さんはこのシーンを書くため五日間ホテルでカンヅメをされたらしいのですがその際、 作中の勝負にのめりこむあまり胃をやられ、中のものをベッドや床にぶちまけ、それを見て笑い声を上げたそうです。  ……ものすごくツッコミどころが多いというか、常人には理解不能な状況ですが、それだけの情熱が傾けられた上に、初版発行から10年近くたっての改訂で改めて文章に命が吹きこまれた、 言ってみれば2度にわたって作者の魂が吹きこまれた場面なのだから惹きこまれるのは自然なことだったのかな、と思います。  ルールは分からないながらも心理戦やバロットとディーラーのアシュレイの対決、そしてそれを通してのバロットの成長は 冲方さんの魂が込められているだけあって読み応え十分なので、多少の分からないところは割り切ってぜひ読んでほしいところです!  そしてボイルドとの最終対決。ボイルドの生い立ちにもなかなか辛いものがありますがボイルドと同じように、禁じられた技術によって生まれたウフコックやバロットと彼の違いは、 力を何のために行使しようとしたかという点に尽きるのかなと思います。  なんとなくですがバロットの成長を読んでいると、信頼できる人に出会えた喜びと安心が言葉の端々から伝わってくように思います。 一巻冒頭で「死んでしまった方がいい」とつぶやいていた彼女が、生きるために戦い続ける姿は、今まで彼女が得ることのできなかった、信頼だとか愛だとかを取り戻し、人間的な心理に戻ってきた帰結なのかな、という風に思います。 第24回日本SF大賞

Posted byブクログ