歌うクジラ(下) の商品レビュー
なぜか下巻は単行本 アキラの旅はまだまだ続く いろいろな人に導かれて 出会い、別れ、痛み、絶望、悲しみ、希望 サツキは言う 「取り戻せない時間と、永遠には共存し合えない他者という、支配も制御もできないものがこの世に少なくとも二つあることを、長い長い自分の人生で繰り返し確認している...
なぜか下巻は単行本 アキラの旅はまだまだ続く いろいろな人に導かれて 出会い、別れ、痛み、絶望、悲しみ、希望 サツキは言う 「取り戻せない時間と、永遠には共存し合えない他者という、支配も制御もできないものがこの世に少なくとも二つあることを、長い長い自分の人生で繰り返し確認しているだけなのだって、わたしは気づいたの」 アキラの未来がわずかでも希望の見えるものになるように願いたい。 はたして不老不死は人類を幸せにするのだろうか?現代の長寿社会、延命処置等に対する投げかけでもあるのでしょうか?
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読みにくい。 頑張って読んでいるとラスト40ページ程で読者のライフゲージを根こそぎもっていくような展開にしてくれる。
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ディストピア小説。平野啓一郎「ドーン」と同じく中間小説的でもあった。(いい意味で中間小説的)社会の意識、感覚的なことを扱っていて、読み比べすると面白いかもしれない。後半は一気に読ませる。自分は自分でいることができるだろうか。生きるとか生きる意味とか、いろいろと問われた気のする作品...
ディストピア小説。平野啓一郎「ドーン」と同じく中間小説的でもあった。(いい意味で中間小説的)社会の意識、感覚的なことを扱っていて、読み比べすると面白いかもしれない。後半は一気に読ませる。自分は自分でいることができるだろうか。生きるとか生きる意味とか、いろいろと問われた気のする作品だったと思う。面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不老不死の遺伝子を発見した人類は、この遺伝子を注入する人間を選別し、反対に犯罪者には寿命を短くする措置を行った。そして、最下層から最上層という格差を生み、羨望の機会を封じるために階層間の情報を遮断した。 極端な格差社会が進み、荒廃した22世紀の日本を、15歳の主人公・タナカアキラは旅をする。父が残した遺言に従って。突然変異により毒性の体液を持つクチチュのサブロウさん、移民反乱軍の子孫たち、サルとヒトとの混血のネギダールという女、最上層の身分であるサツキなどに助けられ、目的を果たすも、すべては支配者であるヨシマツの陰謀だった。 非常に読み進めにくい文章、グロい不快な表現は、わたしに何度も本を閉じさせた。頭の良くないわたしには、完全にこの物語を理解すること、一字一句追うこと(何せ表現がくどい!)、情景を想像することは不可能だと諦めながら読むしかなかったが、それでもぼうっと浮かび上がる芯の部分はわたしの中に残る。 主人公が最後に行き着いた、人が自分を憎まないためには、憎むのを中断する手段が必要だ、というのは的確だと思う。そのために仕事があり、家庭があり、社会があり、出会いがある。 現在危惧されている高齢化社会、そして移民の受け入れ問題。実際、コンビニの店員ではリーさんとかヒャンさん的な名札をつけた人が増え、安価な労働力を国外から求めている実感がわたしにすらある。今後大きく舵をきり誤れば、こんな未来が待っていてもおかしくないと思わせるのに十分なほど、綿密に練られた物語。日本人が日本人であるというだけで、豊かで幸せな生活が送れるなんて幻想かもしれない。 この物語は、現代の日本が抱える社会問題への壮大な皮肉だ。ここまでの想像力、構築力は並大抵のものではなく、「村上龍天才かよ」とおもった。
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そんな乱暴なやり方してもうまくはいかないよと。 ただ、ここまでではないにしろ、昔はそれに近い程度は格差があったんじゃないかと思ったりね。じゃあなんで、罪悪感でつぶれることになったのかというと、人が体得した概念に当時と物語の中では差があるからじゃないかと。 とまぁ、思った。
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全体的に説明的すぎて読んでて忍耐力がいるけど話自体は面白い。ただやっぱ説明的すぎる。未来の話を書くからと言って詳しく説明しすぎたらダルい けどすごく好き
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かなりリアリティのあるSF物語。 今ある社会問題も加味されてて、風刺が効いている。 最後までどうなるか読めませんでした。 著者の世界観が出てました。 上巻に比べちょっと失速した感じはあるかも。
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結末に意外性はない。エンターテイメント性も期待していたよりも高いわけではない。それでも長年味わってきた村上龍のどこか集大成を感じさせる全体と、おそらくそれが最終結論であるだろう「希望」の問いかけが満足を与えてくれる。筒井のようにサキボソルのではなく、あくまで意欲を持って書き続ける...
結末に意外性はない。エンターテイメント性も期待していたよりも高いわけではない。それでも長年味わってきた村上龍のどこか集大成を感じさせる全体と、おそらくそれが最終結論であるだろう「希望」の問いかけが満足を与えてくれる。筒井のようにサキボソルのではなく、あくまで意欲を持って書き続けることに謹んで畏敬する。
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電子書籍バージョンが出ていたので、読んでみた。坂本龍一の音楽に合わせて読む読書体験は新鮮だった。 自分の中に残ったのは、「他人との出会いが一番大事」といったフレーズ。グロテスクさが垣間見えるこの作品の中で、このフレーズだけ、模範回答的な空気を感じた。村上龍は何を感じて、このフレー...
電子書籍バージョンが出ていたので、読んでみた。坂本龍一の音楽に合わせて読む読書体験は新鮮だった。 自分の中に残ったのは、「他人との出会いが一番大事」といったフレーズ。グロテスクさが垣間見えるこの作品の中で、このフレーズだけ、模範回答的な空気を感じた。村上龍は何を感じて、このフレーズを含めたのか。作品で一貫した現社会に対しての諧謔とか皮肉とか感じたけど、ここも同じ系統なのか。それとも、ここだけ村上の常識が現れたのか。なんかそれだったら、最後の方でがっかりさせられたなぁと。
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・レンタルにて。 ・上巻よりずっと読みやすい。テンポよく物語が流れる。 ・最後のシーンで、この物語の主題がようやくわかる。壮大な作品だと感じた。
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