歌うクジラ(下) の商品レビュー
村上龍作品は人の心をえぐりだすような表現が多く、そこが好き嫌いの境目だと思う。 私はそこが好きなのだが、今回はちょっと評価が低い。 というのも出だしは興味をもって読めるものの下巻しばらくしてちょっと今までの作品と冗長するような内容となり、最後は尻つぼみ。 テーマが当然あるの...
村上龍作品は人の心をえぐりだすような表現が多く、そこが好き嫌いの境目だと思う。 私はそこが好きなのだが、今回はちょっと評価が低い。 というのも出だしは興味をもって読めるものの下巻しばらくしてちょっと今までの作品と冗長するような内容となり、最後は尻つぼみ。 テーマが当然あるのだけど、それがブレてブレて着地点を見失った感じ。 色々詰め込み過ぎたのだと思う。 この作品はあまり人に薦めない。
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読むのにものすごく時間がかかった。 最後の展開には少しびっくりしたけどなんかすっきりしなかった・・・。
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上巻は話し言葉の文法がめちゃくちゃだったので、とても読みにくかったのですが、下巻はあまりそういうシーンがなかったため、読み進めやすくなりました。
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ヨシマツの正体にはちょっとびっくりしましたね… 上巻は冒険活劇とディストピアの世界観で読んでいてわくわくしましたが下巻は先が一直線でなんか物足りなかった… というかヨシマツといいサツキといい延命治療を受けた人間の悪い意味での人間らしさに少しショックを受けたというか 物語通して一番気に入っている人物はネギダールです
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極端な階層社会の上層へ歩みを進める。主人公の目を通して、矛盾に満ちた社会を見ていく。重たい小説で、気軽に読み始めるべきではなかった。誰も生きている意味を問わず、自らが生まれた階層の中で息をする。旅人として、階層をひとつずつ登っていく主人公は最上層の最も上で、ようやく生きる意味を見...
極端な階層社会の上層へ歩みを進める。主人公の目を通して、矛盾に満ちた社会を見ていく。重たい小説で、気軽に読み始めるべきではなかった。誰も生きている意味を問わず、自らが生まれた階層の中で息をする。旅人として、階層をひとつずつ登っていく主人公は最上層の最も上で、ようやく生きる意味を見つける。どんな思いをもって、この小説を書いたのだろう。
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どんな理不尽な展開が連続していても、最終3章くらいの綺麗な情景描写で、読んでてよかったって思える。ハッピーエンドと、信じたい。
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正直、ロードムービーのような展開の前半(上巻)は退屈でどうしようかと思った。ロードムービーは嫌いなのだ。しかし、そんなことは忘れるほどに後半〜終盤へ向かって、ぐいぐいと物語に引き込まれた。 理想を追求した社会が、本当にすべての人間を幸福にする桃源郷にはなり得ないというのは、心の底から同意する。 「取り戻せない時間と、永遠には共存し合えない他者という、支配も制御もできないものがこの世に少なくとも2つあることを、長い長い自分の人生で繰り返し確認するだけ」・・・という"サツキ"の言葉は刺さるなぁ。 ある意味、全般的にかなり悲観的な地球の近未来像ではあるけれど、エンディングの光で救われた。
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後半になって、なれてきたが、相変わらずのわかりにくさ。 とにかく、面倒くさい記述、表現が多い。 最後の結末は、まあまあ納得いくものだっただけに、その途中の読みにくさが、もったいない気がした。 読んでいて、時間を忘れる本と眠くなる本がありますが、読み だすとすぐに眠気が襲ってくる本...
後半になって、なれてきたが、相変わらずのわかりにくさ。 とにかく、面倒くさい記述、表現が多い。 最後の結末は、まあまあ納得いくものだっただけに、その途中の読みにくさが、もったいない気がした。 読んでいて、時間を忘れる本と眠くなる本がありますが、読み だすとすぐに眠気が襲ってくる本でした。
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本書には2種類のメッセージがあります。 1つは政治や制度が持つ「形骸化」という性質へのアイロニーです。 本書の舞台は近未来の日本なのですが、様々な階層の人間が、階層ごとに棲み分けた上で、それぞれの居住地区内で最適化を図っています。 その最適化はどれも数十年前に打ち立てられたコン...
本書には2種類のメッセージがあります。 1つは政治や制度が持つ「形骸化」という性質へのアイロニーです。 本書の舞台は近未来の日本なのですが、様々な階層の人間が、階層ごとに棲み分けた上で、それぞれの居住地区内で最適化を図っています。 その最適化はどれも数十年前に打ち立てられたコンセプトに基づいており、現在そこに住む人間はそのコンセプトを意識することなく、ただの制約条件という感覚で環境を享受しています。 思想のアウトプットを引き継ぐだけでは、思想は引き継がれません。 現在資本主義や民主主義を制度として我々は引き継いでいますが、その思想を引き継いでいる人間は本質的にはいません。 思想は従来のものとの比較のなかでしか生まれないものだからです。 資本主義や民主主義の思想がかたちを持つのは、次の新しい思想に塗り替えられようというときになってからです。 そういう本質的な思想と制度のギャップを指摘しています。 もう1つは、村上龍が書籍やテレビ番組を通してずっと前から繰り返し発信しているものではあるのですが、「サバイブする」というメッセージです。 主人公は旅の過程で想像力や交渉を通して死を免れます。 ただ、個人的にはこちらのメッセージは破綻していたと思います。 主人公は終始、他人の用意したレールの上を進むだけで、そこに主体性はほとんど介在していません。 また最後に「移動する」という行為に生き甲斐を見出して生きることに希望を持ちますが、作中の「移動」は「レールの上の移動」であり、レールを最後まで進んでしまった主人公にこの「移動」を再現することはできません。 そもそも後者のメッセージはあまり意図していないのかもしれません。 村上龍には珍しく、それくらい強度の低いものになってしまっていました。
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内容はわけのわからない話なんですが、いろいろと考えさせられ、気づかされる内容でした。ジュラシックパーク的な、想像しえない生物の未知のような感じもあり、ニュースで見るような今の問題の原因的な部分もあり、気持ち悪いところあり。 最後はスピード感があった。実写では見たくないが、アニメと...
内容はわけのわからない話なんですが、いろいろと考えさせられ、気づかされる内容でした。ジュラシックパーク的な、想像しえない生物の未知のような感じもあり、ニュースで見るような今の問題の原因的な部分もあり、気持ち悪いところあり。 最後はスピード感があった。実写では見たくないが、アニメとかにはなりそうな雰囲気を感じた。ラストは、アキラとか、ルパンの初期のやつとかを思い浮かべた。
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