歌うクジラ(下) の商品レビュー
久々の村上龍の小説新刊。相変わらず、面白かった。歌うクジラという題名はほとんどフェイクに近いな、でも。もっとずっとどす黒くて、粘性の高いものだった。(11/6/15)
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人類が理想を追い求めた果てに辿り着いた場所とは。その最後の地で主人公の少年が得た答えとは。壮大な物語の幕は、思いもよらない形で閉じた。主人公アキラと共に長い長い旅をしたような気がする。上巻は少し読むのに時間がかかったが、下巻は一気に読んでしまった。とにかく、想像を絶するような旅だ...
人類が理想を追い求めた果てに辿り着いた場所とは。その最後の地で主人公の少年が得た答えとは。壮大な物語の幕は、思いもよらない形で閉じた。主人公アキラと共に長い長い旅をしたような気がする。上巻は少し読むのに時間がかかったが、下巻は一気に読んでしまった。とにかく、想像を絶するような旅だった。そして、いろいろと考えさせられる旅でもあった。
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すとんと落ちるところに落ちたような本でした。でも下巻に入ってからより展開が早すぎる感じがしました。表現の密度が濃い。何度も文を行ったり来たりしながら想像しなくてはならず少しめまぐるしさを感じてしまったかも。でもそんな展開もこの本の良さだと思います。
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村上龍のSF。 SW遺伝子という不老不死を可能にする遺伝子が発見され、この遺伝子を投与された少数の選ばれた人間によって世界は異様な姿に変貌を遂げている。文化経済効率化運動の果てに棲み分けられ、分断された超格差社会。それは理想社会のはずだった――というお話。 テーマは面白いし、時々...
村上龍のSF。 SW遺伝子という不老不死を可能にする遺伝子が発見され、この遺伝子を投与された少数の選ばれた人間によって世界は異様な姿に変貌を遂げている。文化経済効率化運動の果てに棲み分けられ、分断された超格差社会。それは理想社会のはずだった――というお話。 テーマは面白いし、時々はっとするような言葉に出会えるけれど、うげっ、と思う描写多数。不快感に堪えつつ読みながら、読むのをやめてしまいたいと何度も思う。 そこに描かれた未来の世界がいかに醜悪で不快でも、こんなのありえないよ、と言えないのが事実。だから最後まで読めたけど、ここまでしなくても、というのが正直なところ。
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読むのにエネルギーを消費した 疲れた…… いろいろな人と出会って、いろいろな経験をして、かけがえのない発見をしたアキラ 当たり前のことだ(と思っている)から、普段は気にしないけれど うーん……自分の中で消化不良だから、またそのうち読み返そう
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拝借 「希望」を描きたかったと言う村上龍 下巻の最後に現れたのは、「人生において意味を持つものは人との出会い、それを生むのは移動」という答え。 その答えを、友人らに伝えたくて、クールな主人公が初めて「生きたい」と思うという結末。 作品やエッセイにて龍が何度も強調してきた、「自...
拝借 「希望」を描きたかったと言う村上龍 下巻の最後に現れたのは、「人生において意味を持つものは人との出会い、それを生むのは移動」という答え。 その答えを、友人らに伝えたくて、クールな主人公が初めて「生きたい」と思うという結末。 作品やエッセイにて龍が何度も強調してきた、「自分の中には何もない、あるのは他者との関りだけ」という主張が、ここでも表現されていた。 「移動が全てを生み出す」とある。 これは、どんどんグローバル化する昨今、土着民でなくなってゆく人間を肯定し、そこに希望を持つ、ということなのか? 村上龍の小説で好きなのは、徹底した検証と想像による、リアルな、危機感の溢れた近未来観、という所なのですが、今回はそういうことはなく。 それがちょっと残念。 タイトルにもある1400年生き続けた「クジラ」の細胞により、不老不死の技術が向上した世界で、生き続ける老人たちの様子は滑稽そのものだけども、その中でサツキは何か意味のある生き方をしている様に感じられた。 PS 私のbooklogに初めて10年代の小説が登場。
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ヨシマツに会ってからは、筆者が言いたいことを羅列してるだけな気がした。物語としては終わってると思いつつ、なんだかんだ最後まで読ませる力はまだ健在。でも次回作もこんなんだったらもう読まないかも。
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山を越える、そう言ってアンジョウはぼくたちにそれぞれ一つずつ簡易型暗視ゴーグルを手渡し、先導しながらバス列の背後の山の斜面を上りはじめた。
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宇宙がでてきたり、前半よりもっとSF色は濃くなる。 全体としては、あまり好みではなかったけど どん、と来る言葉もあって。 少し説教くさい感はあるにしても。 やはり真実はいつもシンプル。
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個人的には「半島を出よ」のほうが好きですね♪ 両方とも微妙に不完全な危うさとリアリティーを持った作品ではあるのですが、北朝鮮という現実感を対象とした「半島を出よ」と宇宙空間にエレベータでという本作では現実感に大きな開きがあるようです。 分冊されるほどのボリューム感は満足で...
個人的には「半島を出よ」のほうが好きですね♪ 両方とも微妙に不完全な危うさとリアリティーを持った作品ではあるのですが、北朝鮮という現実感を対象とした「半島を出よ」と宇宙空間にエレベータでという本作では現実感に大きな開きがあるようです。 分冊されるほどのボリューム感は満足ですが…終末はもう一捻り欲しかったです。
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